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海賊王ハンニバル作戦

ポエニ戦争の序盤戦略についてもうちょっと考えてみたのでまとめてみます。

この記事で言いたいこと

第1戦争でローマは制海権を気にしたほうが良いかも。

海賊王ハンニバル

これはある日の『ポエニ戦争』での対戦です。

第1戦争はカルタゴがシチリアとサルデーニャに移動、ローマはアフリカに上陸しました。その時点でターンが終わり、そのまま第1戦争が終わりました。

第2戦争開始時でカルタゴのRPは8RP、ローマのRPは5RP(アフリカの2RP+本国3RP)でした。

カルタゴプレイヤーはRPをすべて軍団に変換してカルタゴに2個軍団を配置し、残りの6個軍団をすべてサルデーニャに配置しました。ローマプレイヤーは無料+4RPで購入した8個軍団のうち2個軍団をローマに、6個軍団をカプアに配置しました。

第2戦争の最初の手番は第1戦争に負けたカルタゴが握り、『ハンニバル』カードを使用し、サルデーニャからカプアに強襲上陸します。両軍の戦術値の差は埋めがたく、ハンニバルの上陸は成功します。この時点でVP計算をすると、ローマはイタリアの部分支配で1VP、カルタゴは残り全てを抑えて8VPです。ローマはハンニバルをイタリアから叩き出さないと、7VP差による戦争敗北が見えています。

しかし、ローマはカプアでの戦いで相当数の軍団を失ったので、動員で戦力を補充しなくてはなりません。手番が足りず、第2戦争はそのままカルタゴの勝利で終結してしまいました。

第3戦争もサルデーニャを根城にしたハンニバルがイタリアに上陸して、ローマはその対応に追われ、またしても同じような展開でカルタゴが勝利しました。ゲームはカルタゴの勝利です。

原因

ローマは第2戦争から何もできず、海賊王となったハンニバルに蹂躙されて負けてしまいました。原因は制海権の喪失です。

このゲームは制海権があれば、海でストップすることなく目的地に上陸できます。この恩恵はとても大きいです。海路での襲撃は制海権があればこそ有効で、もしティレニア海の制海権が中立乃至ローマ支配であればカルタゴ軍は海で1度ストップしなくてはならず、艦隊カードに対するケアが必要になり作戦は破綻します。

対策

ローマが海賊王ハンニバルの跳梁を防ぐ手段はシンプルです。それは第1戦争でパレルモやサルデーニャ、チザルピナへ進出し、制海権を確保することです。実際に、ローマは第1次ポエニ戦争とその後のゴタゴタの間にこれらの地域を手に入れています。歴史を踏まえても、ローマは第1戦争でなるべく突っ張ったほうが勝率が良くなりそうです。

敵本国とそれ以外への進出の違い

カルタゴが圧勝した対戦例とその分析を通して、このゲームには「敵本国とそれ以外の地域への進出」の効果に大きな違いがあることに気付きました。

敵本国はその戦争の終わりには相手の支配へ帰ってしまいます。1か所持っていれば1RPが手に入りますが、制海権、国の支配によるRPも視野に入れておきたいところです。例えば、第1戦争でローマがレプティスマグナへ上陸するのには2手番かかり、戦争終結時に1RPを手に入れることができます。一方のカルタゴは1手番でパレルモからシチリアに軍団を移動させると、次の戦争の開始時にイオニア海の支配による1RPを手に入れることができます。本国支配ルールによって制海権がひっくり返る可能性があるのは気を付けたいところです。

一方で、その他の地域は相手に取り返されない限り自分の支配として残ります。1回の戦争へ与えるインパクトは敵本国への上陸よりも小さいです。しかし、目線をその先の戦争へ伸ばしていったとき、これらの地域がゲームの勝敗に与える影響は大きいものがあります。企業の営業利益と営業外収益の違いのような印象です。短期と長期の二つの投資先が準備されているのが『ポエニ戦争』の素晴らしい点だと思います。すごいゲームだ。

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