しゃべる画像【毎週ショートショートnote】工作員ヤンの潜伏記 14
ヤンは暗号通知を受ける
工作員のカバーが割れた
同居人がスパイだと
エリサはヤンに良かれと思いCIAに協力していたのだが
ヤンの駅前視察の動向が全部筒抜けだったのがCIAの逆スパイから判明
ヤンは覚悟する
最期が近い
意を決し行動に移す
訓練どおり、表向き
エリサと愛し合う
肩を抱く
微笑みかける
どうしたの
ケ・パサ?
エリサも微笑む
その目を見つめ、左手に持った鋭利なナイフを、エリサの頸脊椎から動脈に突き刺す
エリサは眼を大きく見開いたまま、こと切れる
苦痛は一瞬だったはずだ
真抱歉
来世デハ、キット
掃除屋に連絡、最小限の荷物でアパートを出る
*
CIAのカーニィが異変を察知し来る
部屋は整然としてたが紫外線写で大量の血痕
机に封筒 12月家賃
中に現金とUSBメモリ
PCに繋ぐ
動画だった
大家サン
ゴメナサイ
家族不幸デ、急帰国
コレ家賃
荷物捨テ下サイ
ヤンが喋っていた
案外律儀な奴だなと思いながら、これは重大な工作の始まりと、カーニィは日本の公安へも連絡を入れた
(410字)
たらはかにさんのショートショート企画に参加です。句読点「。」をはしょったりして、410字にどうにか収めました。
7月に「カミングアウトコンビニ」というシュールなテーマでテキトーに登場させた工作員の留学生ヤンくんが何故か気になって勝手に連作にしてますが、ショートショートの趣旨から毎回それぞれ独立してそれなりに完結させようとしてます。
いよいよ、次回はクライマックスです(たぶん。お題しだいですが)。
人を殺めた以上、ヤンくんにはもはや悲劇の結末しかありえませんが、なんらかの「魂の救済」が描けたらとは思っています。
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