イタリアのカンツォーネのサビがロッキーだった話
昭和に多感な少年期を過ごしたオヤジの何人かが共感してくれるであろう話。
ボクシング映画『ロッキー』を1970年代末に映画館か1980年代にTV放映で観た10代少年の多くがやったはずのこと。
それは、朝暗いうちに目覚ましで起きて、ジャージに着替えると暗いキッチンで冷蔵庫を開けて生卵を取り出す。
それを映画では主人公ロッキー・バルボアが5個も6個も割って容器に入れたのを一気に飲み干す。
映画にかぶれた少年は、せいぜい1個か2個を割って、なにもかけないとあれなので醤油をちょっと垂らしたり、味塩を振った上でちょっと混ぜて、それを一気に飲み干す。
それから、まだ薄暗い、冬の街へとひとりジョギングに行く。
まだ、ウォークマン普及の前で持ち出せる音源は無かったから、脳内で映画ロッキーのテーマの前半を再生して流している。
人が見ていないところで、ちょっとシャドウボクシングっぽいことをやったりする。
この朝のジョギングの目的地はあってないようなものなのだが、朝日がみえるような映画のフィラデルフィアの公園の段差があるようなところを目的にして、そこで登ってきた朝日を浴びながら、朝日に向かって両腕を上げたりする。
映画のせりふ「エイドリアン、15ラウンドを終えてまだ俺が立っていたら、それは俺が当て馬の単なるくずじゃなかったんだという証明だ」、そんなことを思い浮かべながら、自分がロッキーになった気分になる。
「ジョギング・ロッキーごっこ」。やったひとは絶対いるとと思う。
その朝の走りのクライマックスに流れるのが、この曲のエンディング・メロディ。フィラデルフィアの朝日を浴びて、ロッキーが俺はビッグになってやるとこぶしを上げる。
映画ロッキーのテーマの "Gonna Fly Now" の、この以下のリンクの2分くらいから流れるオーケストラの高音のバイオリンがドラマチックな部分がそのエンディング・メロディというか、盛り上がったところで流れてくるそのメロディ。
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いま、はまってしまっている、名曲「逢引き」で有名なイタリアの往年の名歌手、オルネラ・ヴァノーニだが、彼女の曲のMIXを聞いていたら、この "E così per non morire" に出くわしたのだが、後半の部分を聞いてぶったまげた。
まずはこれを、特に3分20秒からの部分をお聞きください。
いやー、どちらがどちらの真似たのか、なんだか狐に包まれたような気分になったが、これ、いっしょでしょ。
そもそも、ロッキーの設定がうだつの上がらないイタリア系アメリカ人が主人公でそこにイタリアンな要素が盛り込まれてもまったくおかしくはないし、ドラマチックに高らかに歌い上げるテーマはイタリアンぽくもあった。
でもこれ、どういう背景なんだろう。イタリア人がロッキーみると、あ、あのあのオルネラ・ヴァノーニのヒット曲のあれが使われてる!と思うのだろうか。どっちが先なんだろうか。まあ、どうでもいいんだが。
謎ばかりのこったが、オルネラ・ヴァノーニが、なななんと、イタリアの小野リサじゃないが(時代的にこちらが先だが)ヴィニシウス・モライスとかトッキーニョとのボサノバやサンバの録音があったり、こちらのつぼにはまりすぎて、日々、可能な範囲で彼女のMIXをかけっぱなしにしながら仕事している。
そこへ、突然の贈り物みたいに、ロッキーのドラマチックなテーマが流れてきたもんだから、マンマ・ミーア、ケ・ベーロ、なんて今日は素晴らしい日なんだと思った次第でした。イタリア語もまだ初心者、ボクシングはやったことありませんが。
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(タイトル画はギャラリーでボクシングで探して、一番いかしたやつを拝借)
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