【Jazz Standard】"Out of no where"
なんとはなしにジャズの "Out of nowhere" という曲の、ミディアムテンポでウォーキングベースがズンズンいうところへアルトサックスがスイスイとアドリブを取るのを聞きたいなとユーチューブで探したら、これに出くわした。もちろんそんな用語での検索法はなくて、「Out of nowhere のサックス演奏」を探してたら出くわした。
この母音にやたらと記号がつくのは東欧か、それとも北欧か。サックス奏者の名前はなんとかマキだから、そういえばなんとかマキというフィンランド?の映画監督がいたな。たぶんヘルシンキとかそっちのほうの、Merry Monk というレストラン・ライブハウスの2016年の演奏らしい。
この曲はちょこまかと調性が変わる部分があるのでそれを外さないようにするのと、スローできれいなオリジナルのメロディーを頭に流しながらそれをガイドとしてアドリブすると場所を迷うことがあまり無い、初心者向けの優しいスタンダード。ざくりと固まりでとらえて、歌心こめて歌えばいいんじゃね?といい加減に解釈。メディアムテンポのスウィング感のなかにも、ずんずん行くドライブ感があっていいな。コード進行はこんな感じ。
サックスは、ビブラート浅めの臭くない音で、1度テーマのメロディを吹いたあとで、アドリブ開始。
俳句の575とか、都々逸の7775じゃないんだけれど、小気味な定番フレーズの塊をくりだして、おさえる転調のとこはきちんとおさえて、最初のアドリブのコーラスを助走。語尾にぴしっと句読点が打ってあるようなきちんとした展開。整ってますねえ。
だんだん、リズムにバリエーションをつけて、けっこう饒舌な語りを始めたとおもったら、3コーラス目は、ぐいぐいぐいぐい、リズミックな反復技。それで、最後の8小節くらい、はい終わりますからねという雰囲気だして、ピアノへとバトンタッチ。
それをうけた、なぜかあまり似合わないペイズリーのシャツを着たピアノのおっさんは、キャバレーチックだけど、楽しそうなアドリブを展開していく。ほんとに楽しそう。ジャズのFourのメロディのフレーズいれたり、クラシックのようなロシアンのようなフレーズの引用で最後はしめくくったり、お茶目な演奏。
それから、渋いリーダー格のベースが1コーラスソロをとって、お決まりの4バースという4小節づつ、それぞれソロ+ドラム・ソロで1コーラス決めてから、サックスはテーマのメロディへと。
ものすごく上手いなとかいうのではないけれど、なかなかいい。しみじみ聴ける。
外では粉雪が舞ってしーんとした夜で、扉を開けて中に入ると、アルコールが入ってがやがやと暖かい店で、こういうのが生音で流れている。芯まで冷えた体がほぐれていくような、そんな演奏。そういうの、生で聴きたいもんですねえ。■
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