【短編】アンデスの雪解け 世界の中心から一番遠い所でニヤリと眠る
大学の1年先輩にNさんという人がいた。ひょろっと背が高くて、短髪なのにボサボサの髪で、細長い顔がいつも日焼けしているような人だった。
日焼けの訳は、たしか登山部で結構山登りしていたから。当時、僕は中南米を研究するという学科にいて、そこの1年先輩だった。
その研究室は、先生が現地主義で、学生もどんどん現地へ行って来いという感じだったので、僕がその研究室にはいったときに、多くの先輩達がなんらかの形で中南米渡航経験者だった。遺跡の発掘の手伝いだったり、文化人類学のフィールドワー