なぜ甘利さんは小選挙区で負けたのか

2021年10月31日は、第49回衆議院議員選挙の日でした。
私は、普段ニュースを見るくらいしか政治に興味はない人間ですが、選挙は候補者や政党について調べてから必ず行くようにはしています。(いわゆる無党派層ですね)
今回の選挙ですが、私が投票した選挙区が神奈川13区という、おそらく日本で一番注目を集めた選挙区だったこともあり、せっかくなので、noteに思うところを書いてみます。(政治はほぼ素人なので、素人の有権者はそんな感じで考えてるんだくらいに、軽く読んでもらえればと思います。的外れなこと書いてたらすみません。)

神奈川13区は、届出順に
太ひでし氏(立憲、44歳)
甘利明氏(自民、72歳)   の2人が立候補してました。
(ここからは親しみを込めて「さん」付けで書きます)

結果は、太さんの勝利で、自民党現役幹事長の甘利さんは小選挙区で落選したことで、幹事長を辞任に追い込まれました。(比例で復活当選はできました)

ここからは自民党幹事長という国政選挙の責任者が、なぜ自身の小選挙区(しかも13期目を目指していた)で落選に至ったのか考えてみますが、まずさまざまな資料を貼ってみます。

①神奈川13区は、大和市、海老名市、綾瀬市の全域と、座間市の一部からなる。
②今回の衆議院選挙の結果(NHKページより)

画像2

③前回の衆議院選挙の結果(Wikipediaより)

画像2

④甘利さんは、今まで今回を除く2回の選挙で比例復活をしている(Wikipediaより)

画像3

【(考察)甘利さん落選の理由】
1)幹事長に就任したことで、5年前に発覚した金と政治の問題を掘り返された

これは報道が言っている通りで、改めて言うまでもないと思います。
選挙特番で甘利さんが金と政治の問題について質問されてましたが、「質問がで尽くすまで答えた」「秘書が接触していたことは知らなくて、週刊誌を読んで知った。寝耳に水。」と答えていたものです。
問題の発覚は約5年前、前回の総選挙は4年前で、③の表の通り、太さんにダブルスコアの差をつけて当選してました。実質禊は済んだと思われてましたが、話が再び出てきました。永田町は納得していても、有権者は納得してなかったのでしょう。(つまり、永田町と有権者の感覚のずれ) 
ネットでも街頭でも落選運動してましたね。

2)野党が統一候補を立てたことで、一騎討ちになった

③の表の通り、前回は当時希望の党候補だった太さんと、共産党候補者の3人が立候補していました。共産党が候補者を取り下げて、野党統一候補として太さんが立候補したことで、単純に考えると前回の得票数を足した(62779+36627=99406)票は見込めることになった。
(甘利さんは127216票獲得なので、まだ足りないですが。)

3)立憲候補の太さんの地道な努力と苗字のインパクト

今回当選された太さんは、沖永良部島出身で神奈川13区で生まれ育ったとか、住んでたとかじゃないんです。だから、地盤がない。そこを何でカバーしたかというと、辻立ち。ほぼ毎日のように選挙区のどこかでやっていたようです。5年半前から通算2000日の街頭演説と、10万軒の訪問をしたそうで、選挙区内は気がつくと甘利さんのポスターより太さんのポスターが目立つ状態。苗字のインパクトもあってか、ポスターは目に留まるし、子供から大人まで知っている状態でした。ポスターと太さん本人のエンカウント率が高い。活動の中心は中央林間や大和、海老名駅のような大きな駅でしたが、時にはそれ以外の小さな駅にも来てくれました。(綾瀬市は電車が通ってないので、交差点に立っていたらしい?)これ、地味にうれしいんですよね。前回の選挙からの4年間で、太さんは、有権者からみると、とても身近な存在になってるんですよね。これが無党派層の支持を集めたのではないでしょうか。
一方、甘利さんはテレビだけで見る存在で、選挙区では存在感がうすくて、遠い存在。接戦の情報をもとに、選挙前3日間は選挙区に張り付いたそうですが、太さんの地道な活動には敵わなかった?


4)候補者の年齢
甘利さんは72歳、太さんは44歳。甘利さんは、正直そろそろ引退の文字が見え隠れする頃?ですよね。

5)移住者の増加と投票率上昇
もともと大和市は、都心へのアクセスが良い割に家賃が低めです。(米軍基地があるためらしい)
海老名市は、海老名駅周辺の再開発がはじまっています。
海老名を始点として、大和、横浜まで通っている相鉄は2019年11月にJRと相互直通運転を開始したことで、更に便利になりました。
これにより、他の地域からの移住者が増加したようです。
また、甘利さんの得票数ですが、今回と前回で約2000票の減少があったもののほぼ変わりませんが、太さんは約30000票上乗せしてきています。この30000票は投票率の増加によるものと考えることもできます。

以上が、私の考える甘利さんの落選理由です。
(甘利さんが公明の組織票を取りまとめできなかったとか、ポスターの評判が悪かったとか、細かいところ上げるとキリがないのでこれくらいで)

ちなみに、私的に甘利さんの白黒ポスター(ナルシスポスターとも言われてる?)は結構好みです。

政治と金の問題は、秘書がやったことでご本人は関係ないといった発言や、甘利さんが今まで国政でやってきた仕事や実績を考えると、今回の選挙結果はとても気の毒になります。たとえ自分が関係してないこととはいえ、責任をいつまでも追求され、やり直しを認めてくれないのは辛いよなと同情する部分もあります。
しかし、甘利さんは今回含め3回比例復活をしていますが、惜敗率が95%以上というのが、地盤の強さを物語ってますね。地盤の強さが油断につながったのだと思います。

しかし、甘利さんのお金の問題が再度注目されたことで、甘利さんに嫌なイメージを持つ人たちの受け皿になったのが、地道な活動を続けてきた太さんだったのではないかと思います。
ちなみに、次回の選挙がきっちり4年後であれば、甘利さんは76歳で、今の規定では比例名簿には載ることはできないので、必死に戦ってくる予感がします…こっこわ。その頃、私はどこに住んでるのでしょうかね。

(また何か気づいたら追加するかもしれませんが、これくらいで。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?