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本紹介3

 今回は「ソロモンの偽証」を紹介します。

この作品は宮部みゆきさんによる長編推理小説です。新潮社から単行本で全三巻で刊行されており、「事件」「決意」「法廷」の三部構成になっています。

その中でも新潮文庫から出版されている文庫本版「ソロモンの偽証1―第一部事件―」、「ソロモンの偽証2ー第一部事件ー」について紹介したいと思います。

ソロモンの偽証1

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。  

ソロモンの偽証より

私はこの本を読んでみんながみんな自分の都合の良い方向に無理矢理でも曲げようとしているように感じました。生徒の自殺にかこつけて嫌いな先生を陥れようとしたり、自分をいじめた犯人を消そうとしたりして事件の真相をかき混ぜていました。
宮部みゆきさんがインタビューで答えていたように狭い世界しか知らない子どもたちは自分の親はこんなに酷いんだ、自分はこんなに困っているんだと必死に発信しています。
私自身も中学生の頃はなんでこんな家に生まれたのだろう、こんな境遇は自分だけだと心底思っていました。しかし時間が経ちより多くの人と関わったあとに自分はそうでもなかったかも、他の人よりも幸せな生活を送っていたかもと思うことができ、自己肯定感が少し上がったと思います。
1巻ではそんな自分の周りの環境を考え直すきっかけになりました。


ソロモンの偽証2

もう一度、事件を調べてください。柏木君を突き落としたのは――。告発状を報じたHBSの報道番組は、厄災の箱を開いた。止まぬ疑心暗鬼。連鎖する悪意。そして、同級生がまた一人、命を落とす。拡大する事件を前に、為す術なく屈していく大人達に対し、捜査一課の刑事を父に持つ藤野涼子は、真実を知るため、ある決断を下す。それは「学校内裁判」という伝説の始まりだった。

ソロモンの偽証より


2巻では三宅樹里と浅井松子の2人がとても印象的です。自分は相手を支配していると思うことはどの立場においても良好な人間関係を構築することが難しくなると思います。
樹里は利害の一致でした友人を作ることしか出来ず、松子は相手のことを想うことができるが少し気が弱いです。樹里は本当の友情に出会うことができるのでしょうか?私は出来ないと思います。友人の影響で考え方が変わることはありますが、根本的な物事の考え方が変わらなければ大人になっても相手を信頼できないまま、辛いまま生涯を終えることになると思います。相手を想うこと、信頼できることどちらもかけてはならないです。

3巻以降はまだ読めていないので続きがとても楽しみです!

ぜひ読んでみて下さい!

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