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ボーダーレス

どんなに家に住みたい?
って聞かれたら
私はいつもこう答える

山を丸ごと買って
麓に門を設けて
山頂に家を建てる

そしたら
私の庭は山そのもので
その山は自然林として
誰も入れないように
山の麓をぐるりと
立ち入り禁止の柵を巡らせる

そして
入用なときには
舗装してない道を
ゴトゴト ゴトゴト
ピックアップトラックを
(はたまたジープを)
麓まで転がしてって
門のそばの車庫で
町乗り用の乗用車に
(例えばフェアレディZ31だとか)
(例えばスカイライン32GT-Rだとか)
(例えばRX-7 FC3Sだとか)
(ロードスターもいいね)
そこから乗り替えて
お店まで買い物に行く
もしかしたら
山の手入れや
畑の手入れや
動物たちの世話で
(犬とか山羊とか猫とか)
(爬虫類もいてほしい)
(いろんな動物と暮らしたい)
忙しい時には
ヘリで空輸してもらう

人間は私以外にはいないから
私の話相手はもっぱら
一緒に暮らしている
動物か無機物たち
山の中のいろんなものに
話しかける
家の中のいろんな家電にも
話しかける
答えはなくてもいい
そうそう
家には屋根裏部屋がある
空に向けて開く窓があって
寝っ転がって
切り取った夜空を眺めながら
眠ったり
小春日和には
ポカポカの日差しを浴びながら
うたた寝したり
秋の長雨の音を聞きながら
読書したり
でもきっと
夏は屋根裏部屋にいると
暑すぎるから
庭の木にハンモックを吊るして
読書しながらお昼寝

それから
私は毎日
相棒の犬を連れて
(中型犬か大型犬)
時には山羊も一緒に
山の見回りをする
私の山には
上流域特有の
小川があって
ゴツゴツした岩の間を
冷たい美味しい水が
いつも流れている
小さな魚が時折跳ねる
滝の真下の堀には
たまに大きな
魚の影が見えるけど
その正体はまだ見たことがない
犬は
この滝壺に飛び込んで
泳ぐのが大好き
この滝壺くらいしか
深くて広い水溜りはないから
必然とそこに
飛び込むのかも知れない
私はその様子を
苔むした巨石に座って眺める
この苔がふかふかで
とっても気持ちがいい

私の山には
いろんな雑木が生えていて
季節の移ろいを教えてくれる
降り積もった落ち葉から
顔を出す
新芽のなんと可愛いことよ
下生えに生える
いろんな草花が
季節の到来を教えてくれる
そして
雨の後に
一斉に顔を出す
きのこの愛らしさ
菌類ほど
不思議で魅力的な生き物は
他にないかもしれない
植物なのか動物なのか
よくわからない生き物
私の体の中にも
私を生かし続ける
菌類がいる
どんなに
私が絶望していても
私を生かそうと
私の細胞が分裂するのを
手助けするために
頑張っている
だから
私も頑張らなきゃいけない
そう思うのだけど
人間を相手にするのは
まだ怖いんだ
だからこうして
私の山の中から
出ていくことができない

でも本当は
ボーダーレスな世界に
なることを願っている
国境などない地球
肌や目の色
言葉の違い
宗教の違い
教育の違い
性の違い
そんなものなど
他愛もないものだと
自由に何処へでも
流離える地球
誰かと会えば
「やあ」と挨拶して
「じゃあ」と別れて
何処までも
何時までも
彷徨える地球
何処でも好きな海に
舟を浮かべて
ただひたすらに
漂流える地球
誰かと出逢ったら
「やあ」と笑顔で
挨拶できるような
そんな人間になれたらなぁ

#どこでも住めるとしたら


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