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詩集 for you episode4

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著:平井蓮花(Rencka Hirai) 2009年11月22日に この世を去った 友へ この詩集を捧げます。 過去に同人誌に投稿した詩を掲載 全10篇・完結
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#詩

手紙

拝啓 まだまだ寒い日が続きますが、梅の花も綻び春の訪れを予感させます。 お元気ですか? お元気って聞くのも変ですか(笑 君が逝ってから、もう三ヶ月という月日が流れました。 早いものですね。 こんなふうにもう半年、もう一年…て、指折り数えて「早いなぁ」って何度言うんだろう。 何回言ったら君のそばへ行ける日が来るのかな。 そんなふうに言ってると、君は怒るかもしれない。 ていうか、怒るよね、絶対。 君にまた会ったら、きっと笑顔で迎えてもらうために、私は私で私自身の

no title

君がいなくても 月日は巡る 悲しいけれど 生きていかなくちゃ

あの朝

君の死を知った朝 とうとう そう思った自分が憎らしい 泣いてる妹に優しい言葉をかけられなかった 君は妹の友達で でも私の友達で けど私は妹ほど君のことを知らない 素直に泣けるほど 私は君と仲良くない気がした それよりも 君になんにもしてあげられなかった 上辺だけだった 上手に悲しむこともできない 後悔ばかりで 君の死を悲しむ権利がない気がした だから 君のお通夜にもお葬式にも 行けなかった 最期だったのに 会いにいけば良かった ずっとず

果たせなかった約束

ドライブへ行こう 君の病気が治ったら みんなでドライブへ行こう 君と約束したね もしかしたら叶わないかもしれない約束 そんなふうに心のどこかで思っていた だけど叶えたいと願っていた 買ったばかりの新車に乗って 君の好きな場所へ 君の好きな人たちと一緒に そうだね 晴れの日がいいね 君が喜びそうな場所 君が好きな食べ物 そんなふうにね 思い描いていたんだ 君が退院して も少し落ち着いたら行こうよねって 約束したのに 君がまた入院して もしかし

no title

もう二度と 回答(こたえ)のない問い

ドラマ

テレビで君とよく似た境遇の 女のコの物語を偶然見たんだ 似たような内容の映画も 君がいなくなる前に公開されてたね その主人公たちはどちらも 君と同じで末期がんで死んでしまう運命で どうしても私にはそれが君にしか見えなくて 後から後から涙が溢れた 唯一違うのは 彼女たちは大好きな相手と結婚していたこと 君も結婚するはずだった だけど間に合わなかった 同じようなドラマがどこにでもある でもそのひとつひとつに物語がある テレビの彼女にも彼女だけの 映画

後悔

車で一時間半くらいなんて 割と近くに住んでいたのに 高速道路を飛ばせば一時間 会おうと思えばすぐなのに いつでも会えるって思って 結局行ったのは一度だけで もっと頻繁に会いに行けば 良かったのにって後悔して 苦しんでる姿を見られたく ないって君の言葉に甘えて 結局会うのが怖かっただけ もっと会ってたら君に笑顔 もっとたくさんあげられた かもしれないのにごめんね 死を目の当たりにするのが 怖くて君に会えなかったよ もっとずっとたくさん君に 会い

no title

辛かったね きっと 私が思い描くよりも ずっと 辛かったんだよね

笑顔

出逢った時から いつも笑顔で 八重歯が覗く口元が 小悪魔的でかわいくて 君が笑えば つられて笑う 君との記憶は いつも笑顔の思い出ばかり

ドライブ

何処へ行こうか? 君が好きなとこ 何処へでも 君を乗せて 笑顔全快で 何処までも行こうか