麒麟児の思案

創作者。

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最近の記事

『伝聞情報のパラドックス』

導入:魚が盗まれた際の真偽不可能性 ある者が「今日買ってきた魚を見知らぬ人に盗まれた」と訴えたとしよう。その場で「証拠はあるのか?」と尋ねると、「驚いてしまったので証拠はない」と返答した。周囲には防犯カメラもなく、その話の真偽を確認する術が存在しない。 このように、事象の再現が不可能な場合、伝聞情報の信憑性を確保することは極めて難しい。このエピソードは「伝聞情報のパラドックス」の一例であり、我々が日常的に遭遇する真偽不明な情報に対する懐疑を象徴するものといえる。 伝聞情

    • 『ギャンブルのパラドックス』

      「胴元がいる限り、ギャンブルの期待値はマイナスでありプレイヤーにとって損な行為である。なのに何故、公営競技は成り立っている?」 『ギャンブルのパラドックス』は、法的制約と経済学的合理性を超えた人間行動の複雑な一面を照らし出す問題である。 このパラドックスは、賭博行為の構造に内在する期待値の逆説性を軸としつつ、日本における賭博の法的枠組み、経済学の伝統的理論、そして『サンクトペテルブルクのパラドックス』と呼ばれる古典的な期待値の問題とを関連づけて理解することが可能である。

      • 一瞬の感情・意思の不可能性

        感情や意思が「一瞬だけ」生じ、純粋に自己完結的であるとする場合、その成立が本当に可能であるかは疑問視されるべき問題である。本稿では、一瞬の感情や意思が果たして可能であるのか、その内的・外的な要因について考察し、瞬間的な感情・意思の「不可能性」を論じる。 まず、外的要因において一瞬の感情や意思が生じる場合について、これらは常に外部からの状況や出来事に左右される。 一例として、スポーツ観戦における感情の急変や、第三者によって意志が妨害される場合などがある。たとえば、応援する選

        • アメイジング・グレイス考察《芸術観について》

          『アメイジング・グレイス-What color is your attribute?-』は2018年にきゃべつそふとから発売された美少女ゲームである。 2018年の日本(北海道)が舞台の本作は、最初は単にイラストが可愛くてシナリオも面白いな~と思っただけだった。だが後に『グランドツアー計画者の三人、コトハ・リンカ・ギドウの三人、この町の芸術作品を購入していた好事家』という人達目線からこの作品を見てみると、とても興味深く、かつ、底知れぬ危うさを秘めているゲームだなと思った。な

          一瞬の感情・意志のジレンマ

          感情や意志は我々の内面において常に変化し、深く根ざしているものである。だが、それらが「一瞬のうちに成立し得るか」という問いは、一見簡単なようで非常に複雑な問題を孕んでいる。 この問いを「一瞬の感情・意志のジレンマ」として捉えると、我々は感情や意志の本質と、それらが成立する条件について考察する必要に迫られる。 このジレンマは、感情や意志が「持続性を伴うもの」であるという前提と、「一瞬の短い時間でも成立し得るかもしれない」という直感的な認識の間で生じる葛藤を含んでいる。 感情

          一瞬の感情・意志のジレンマ

          『芸術作品のパラドックス』~AI時代の芸術価値再考~

          第一章 芸術作品のパラドックスの導入  ある批評会において、著名な画家Aと無名の画家Bが偶然にも全く同じ絵を描いてしまったとする。批評家たちは、どちらがA、どちらがBの作品かを知らず、作品そのものだけで評価を行う。このとき、二つの作品は等しく評価されるはずである。しかし、作者が判明すると状況は一変する。世界的に有名な画家Aの作品には高い価値が与えられ、無名の画家Bの作品はその評価が下がってしまう。 この現象は、芸術作品の価値が単に作品の物理的側面に依存するのではなく、作者

          『芸術作品のパラドックス』~AI時代の芸術価値再考~

          博愛主義者のパラドックス(その2 解決策)

          ↑これの続きです。 今回は『博愛主義者のパラドックス』の解決策とそれに関する反論を書いていきます。 このパラドックスの解決策としては以下の三つです。 1、『自然に対する博愛主義』 2、『愛は個々人を知覚する必要はない』 3、『「博愛主義」の意味が状況によって決まる』 以下、それぞれの解説と反論。 1、『自然に対する博愛主義』 自然に対する博愛主義を考える時、その自然全てを知り尽くした上で愛する必要はない。そんな事が出来るとすれば神だけであり、人間には出来ない(その代わ

          博愛主義者のパラドックス(その2 解決策)

          脚注が付けられない(泣)

          noteって脚注が付けられないのか…美少女ゲームの批評ははてなブログでするかも。🥺

          脚注が付けられない(泣)

          博愛主義者のパラドックス (その1)

          “博愛主義”という言葉がある。『全ての人を平等に愛するという主義』という意味である が、このような人に以下の例を提示する。 『筆者である私から「今日この国のX県に住んでいるQさんが亡くなった」と聞かされたとする。読者はこのQさんの血縁者でもないし、一度も会ったことも顔や名前を見聞きした事もない。さらに、筆者ですらつい先程その事実を聞かされただけでQさんとは赤の他人であるとして、どうして博愛主義者はQさんの死を悲しむ事など出来るのだろうか』 私には博愛主義者が悲しむだろうと

          博愛主義者のパラドックス (その1)

          再開

          今日から諸々再開します。 noteにて色々書いていきます。 note以外のSNS…特にX(Twitter)に関しては暫くする予定はありません。理由は私の精神衛生を害すると判断したからです。 勿論、良いこと・楽しいことはありました。ですが、今の私にはそれ以上に溢れかえるネガティブな情報を正しく処理できる自信はありません。逆に、それに影響されて私が他者を害してしまう可能性もありますし(昨今の誹謗中傷)。 他者との繋がり、有益な情報やチャンスを逃してしまうことの損失より、書け

          【創作】『不思議な国のアリス』第一章「ふかいふかーい穴」

           お昼時。アリスはお弁当を食べ終わって学校から家に帰ってきました。家の中は静かで、アリスの足音だけが響いています。いつものように部屋に入ると、病気がちのお姉ちゃん、セシルがベッドの上でにっこり笑いながらアリスを待っていました。 「ただいまー!お姉ちゃん起きてたの?」珍しく元気そうにしていたのでアリスは嬉しくなりました。セシルは軽くうなずいた後、優しい声でこう言いました。 「アリス、お願いがあるの。ママが忙しいから、お使いに行ってくれる?」 アリスはうなずいて、お姉ちゃんの頼

          【創作】『不思議な国のアリス』第一章「ふかいふかーい穴」

          厨二病xyの治療②『「不思議の国のアリス」を想像で書かせてみる」

          主治医です。xyですが… あれから少し精神が安定したようなので、また喋らせてみたいと思います。 とはいえ、自由に話させるのもアレですので、今回は『不思議の国アリス』について話させてみることにします。やけにアリスについての知識がありそうだったので。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 不思議の国アリスを読んだことは? 「ない」 え? 「最初だけ。穴に落ちるとこまでしか知らん」 じゃあ、アリスについての知識は? 「作者紹介のとこに書いてあったから」 あぁ… 「キャラク

          厨二病xyの治療②『「不思議の国のアリス」を想像で書かせてみる」

          厨二病×yの治療①『自由に喋らせる』

          『我が名はブリュンヒルデ!』 …"急性厨二病中毒"という治療困難な病に罹患してしまった(自称)ブリュンヒルデこと〇×y。 以前にも増して酷くなっているので、今回は治療の一環として自由に話す事を許可してみる。 この被験者は闇に取り憑かれているので、支離滅裂な文章なのはご理解願いたい。 ーーーーーーー ハーーハッハッハー!!!! 我こそは正義の味方、…!?えっと💬かも? 突然だけど、今すぐに誰かよしよししてm(__)m (>人<;)←コレちょーキツくて。 最近の世間

          厨二病×yの治療①『自由に喋らせる』

          私は"黒川あかね"っぽい

          こんにちは、×yです。もう私が誰かもわからない。 でも最近、なんだか黒川あかねばりの分析力がある気がする。 『推しの子』アニメ一期 黒川あかねは天才役者として登場するが、メンタルが脆い。 私もメンタルが脆い。というか完全に終わった。 捻くれ者の皮を被った魔女によって。 …… [擬態している人間ほど恐ろしいものはない] とある人の分析(以下Aさん)をした。 私には無い面白さを兼ね備えていると思ったから、後は単に話してみたいという思いもあったが。 他人を分析するの

          私は"黒川あかね"っぽい

          死刑宣告

          2024年 5月21日 この世界の誰かに死刑が言い渡される。 明日、誰かが必死になって積み上げてきたものが、全て無に還る。 これまでの訓練や投資… 全てが水の泡となる。 誰かが抱いている夢が、明日終える。 でも、これが投稿される現時点では、そんな誰かは夢を抱いたままである。 何気なく日常生活を送り、SNSにはいつも通り、他愛もない投稿をする …明日終えるとも知らずに。 明日、死刑宣告をされた誰かはどんな反応をするのだろう。動揺しつつも最終的には死刑を受け入れるの

          えりんぎさんはアイドルである

          初めまして、ロカです。 5月31日(金曜日)と6月1日(土曜日)20:00〜22:00 二日間連続でえりんぎさんとコラボスペースを開催します。 二日間…計4時間ですから、事前準備としてまずは話し相手を分析するのがゲストとして必要な事だと私は考えます。それとスペースの先輩らしきフォロワーさんからは「相手に合わせる事が大切」だと仰られておりましたので尚のことです。 ということで、えりんぎさんの代名詞である”おはツイ”を分析してみました。 元々おはツイの頻度や内容から人間

          えりんぎさんはアイドルである