拝啓、あの日、あの時の学生たちへ

よく人に舐められる。老若男女問わず。電車や歩行時によくそれを感じる。

肩や鞄などの持ち物が人に当たったりぶつけられたりするとモヤモヤする。

大抵のケースは己と相手双方に非があるからだ、だから明らかに己の不注意に起こしてしまった時の方が少モヤモヤで済む。逆に避けたのにぶつかった時は特大モヤモヤが頭を覆い血圧を上昇させる。

当たり屋なわけではないが、ある日、体が触れ合うスレスレみたいな幅の道で普段、ぶつかりそうだなぁと思ったら肩や腕が当たらないように避ける行為を一回やめて何もしなかったらどうなるかやってみたことがある。結果は9割ぶつかった。通り過ぎた人選が悪かったのかとも思ったが違った。違う日にそこをガタイのいい人が歩いてきた。私の前を歩いて人々は私も含め皆早々に体を避けた。これが後に2ヶ月続いた筋トレをしようと思ったきっかけだった。ガタイが良ければ舐められることも減少するし例えムキムキになっても心にゆとりを持って避ける人でありたいと思った。向こうが避けるのが当たり前だと思ったオトナになりたくなかった。

私の貧弱な体は社会を生きる猛者にとって避ける価値もない、ぶつかってもダメージはほぼないし、そんな奴にスペースを与える必要もないのだ。学生時代の特に朝、様々な場面で年上の人々に身を持って植え付けられた。

どちらも避ける素振りをするのが平和な世界だとしたら、私はその世界に辿りつけたことがほとんどない。どちらが避けるかの駆け引きの世界で見た目から私は負け続けた、通学時に電車をを使うようになった小学校時代から今日までずっと。一個、小学生時代に体験した思い返すと舐められていたエピソードがあるが今度書く。


用事があり外出した。車の通りもある少し狭い歩道を下校途中のインターナショナルスクールスチューデント(通りにそれっぽい建物があったから)5、6人が前から元気よく走ってきた。かけっこ的なやつでもしてたのだろう、見た目からして小3っぽい男女グループだ。このまま互いに歩き続ければぶつかる可能性が高い。楽しい気持ちもわかるがスピードを落としてコースをずらすんだ・・・願い届かずスピードは変わらないむしろ勢いが良くなっている気がした。少し避けたが何人かと己の腕が軽く当たってしまい向こうはそのまま走り去っていった。脳内で中指を立てる私が現れた。なんで避けねーんだクソガキ共って気持ちと己の避け具合の浅さでモヤモヤが生まれたが切り替えることにした。

電車に乗った。古き良き路面電車だ。若干混んでいる。降りる駅はだいぶ先だから奥の方まで進んだ。つり革に体重を預け、くの字で立っている多分中学生がいた。背中にはリュックが背負われたままだ。電車内で背中に背負ったままだとよくぶつかったり、舌打ちされたりするから前に背負って抱えるかでも前は前でそこだと座っている人がいるから股下に挟むのが安パイなんだよなぁと思いつつその学生の後ろを通り過ぎようとする。流石にくの字はやめるだろうと思ったがやめてくれず、リュックと体がぶつかった。一瞥すると向こうの学生はだるそうな目つきで私を睨んでいた。脳内に中指を立て親指を下にした私が現れた。仏でさえ三回までが限度なのに仏じゃない私は既にさっきの一回目でだいぶキテんだぞガキが、この時、リュックにぶつかって舌打ちしてきたあの時のクソハゲ野郎の気持ちが少しわかった気がしながらさらに奥へと進んだ。

その先に小学生二人組がいた。立ちながら本を読んでいた。読書する習慣が学生時代と比べてほぼ無くなってしまった私にとってそれはすごいと思える光景だった。

ここで少し冷静になって考えてみた。さっきの二回起きた出来事、私に悪い部分は本当になかったのかと。相手方も私を舐めていたのかもしれないが私も相手を舐めていたことに気づいた。心なしか避けるもの少しだけだった気がする。私は心にゆとりを持たずに対応していた。相手が年下だから向こうが避けるのが当然だと思ってしまった。軽蔑するオトナの一つに気づいたら私はなっていた。年齢など関係ないのだ。避けるのが必要と感じたら相手が誰だろうと避ける素振りをする。それが私がたまにしか味わえなかった世界につながっていくのに。己を恥じた。

数分後、線路の影響で電車が大きく揺れる瞬間があった。なんとか耐えた私の足を勢いよく踏むローファーが現れた。読書中の小学生の一人だ。踏んだ小学生は踏んだ足に視線を落としたが足を戻しまた本に目線を戻した。先程のポーズをした私が罵詈雑言をブチまけ、横で厚切りジェイソンが「Why japanese people? why!」と叫ぶ脳内世界が現れた。

今日は学生災に見舞われた日だった。謝る必要があったらちゃんと謝れる人でありたいとガキ共から教えてもらいました。成長万歳 ありがとう そして挫折を味わってください。   器の小さいフリーター24歳より🖕

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