日本でベジタリアンとして生きること。子供にも押し付ける?

昨日とある居酒屋に行った。
それは普通の小さな居酒屋。
居酒屋のおっちゃんは、すごく気前が良くて私たちにたくさんサービスをしてくれた。
でも、お肉が入ってたから、せっかくの料理を食べることができなかった。

おっちゃんは、「嫌いだった?」と心配そうに声をかけてくれた。
せっかくサービスをしてくれたのに食べれないことが申し訳ないから、はっきりといった。「自分はベジタリアンなんです」って。
絶対引かれるし、変な目で見られると思った。

そしたら、

「偉いね」

って言われた。
予想外の回答にびっくり。

「僕ら料理人は生き物を扱っている。野菜だって、肉だってなんだって全て生き物ってことを忘れちゃいけない。全てのものの命を大切に、感謝して食べないといけない。だから、お姉ちゃんの気持ちはわかるよ。」

日本人でベジタリアンのことをここまで理解してくれる人は初めてだったからほんとに嬉しかった。

そのあと、おっちゃんは私が食べられるように野菜中心のおつまみを出し続けてくれた。

しっかりとダシにつかったもろこしを出しながらおっちゃはまた私に声をかけた。

「子供にはどうさせるの?」
学生の私は結婚なんてまだまだなのに子供のことなんて考えたことがなかったから答えに困った。

おっちゃはこう続けた。
「子供には自由にさせてやった方がいいんじゃないかな。おっちゃんには、小学生の子供がいるんだけど、アレルギー持ちで、給食の時に周りと同じものを食べられなくて変な目で見られて嫌な思いをしているんだ。そういういじめとかがあるから、子供が社会で生きていくために親のエゴを押し付けるのは良くないんじゃないかな?もちろん、命の大切さを教えることは大事だけど、子供は子供、大人は大人。いくら親だからって同じ考えを持つとも限らない。だから、子供には自分で選択してやったほうがいい。」

おっちゃんの話を聞いて、これってすごく大事なことだと思った。子供だけでなくて、自分のライフスタイルを他人に押し付けてはいけないという面で。
ベジタリアンであることは悪いことではないけど、それは自分の信念であって、他人に押し付けるようなことはしてはいけないと思う。その他人というのは自分の家族であっても。押し付けることは、相手を大切にしていないことと同じだから。もし、動物を大切にするのであれば、人間だって大切にしなくちゃいけない。だから、私も自分のエゴを押し付けるようなことをしちゃダメだと思った。だけど、きちんと自分がベジタリアンである理由は伝える。どうやって食べ物が育てられ、私たちもとに届いているのか。今食べているものは、命があって、その命を頂くことを当たり前のように思ってはいけない。それは絶対に言い続ける。その上で、子供がどうしたいのか、子供自身で考えて、選択してもらいたいと思う。

ベジタリアンであることに自信を持ち、改めて命というものを考えさせられたそんな素敵な1日でした。

お会計の際、おっちゃんは私に信念を貫けよって背中を叩いてくれた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?