繰り返して、夏

昨夜のわたしは海辺に横たわってどこかに攫われるのを待っていました。波は気まぐれにこちらにやってきたり少し離れてみたりを繰り返していました。できるだけ近づくと、右半身が潮に攫われて幾らか浮きました。このままどこかに連れて行ってほしいのに、わたしの体はとてつもなく重くて、どこにも行くことができません。わたしは、いろんな出来事が頭を巡りました。嬉しかったこと、悲しかったこと、わたしには勿体ないくらい温かかったこと、それが秋の夜に飛び交う蛍の光のように空に浮かんできました。わたしはそれを掴んでは水面に浮かべて、海の暗さに飲まれてしまうのを眺めました。ただ、一つだけ消えない光がありました。それは、今ここにいることでした。太陽の光が昇る前に眠りにつけるよう、わたしは目を閉じて、もう目が覚めないように、いや、次は後悔しない選択をできるように、そう願いました。朝が来るのを本当はわかっていても、積み上げたものを壊す快感には勝てそうにないと思ってしまって、そう思いたくて、本当は楽になりたいのに、いつか幸せになれる幻想を追いかけては、日常がわたしに本当のことを教えてくれます。


家に帰れない時は大体青梅か日立の山か二宮の海か新宿三丁目にいます 最近は特段家に帰れず、殺してほしいです お前らが来る時だけ家で寝ています 本当に家に来てください ヘルプ そしてわたしはいつになったら家出少女の名残をやめられますか 24年生きてていまが1番こわれてる おわり 

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