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【もう食べられない名店】めときとの邂逅<6>

【あらすじ】かつて存在していた幻の名店を振り返る。今回も新大久保の"めとき"。しばらく臨時休業状態だったお店。今回はどうせそうだと思っていた男が思わず目にしたものは・・・

■当分の間休業します に打ちひしがれた男が目にしたもの


先日、めときに関してこのような悲しい出来事がございました。



 あの激ウマな中華そばを食べようと思いルンルン気分で出かけると暖簾が出ておらず、それどころか引き戸に店主の手書きで『当分の間休業します』と貼られており、めちゃくちゃショックを受けたのでありました。


それから半年後・・・


めときの辺りをブラッと歩いておりますと・・・


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・・・むむっ?


 

 もう夕方近い時間帯。お店は閉まってはおりますが、あの時のような『当分の間休業します』が無い。



・・・こ、これは・・・

ひょっとしたら再開したってことかいな・・・?




そう思って翌日・・・


あっ・・・あの白い暖簾が外に出てる・・・


キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!



やってる!!!
再開してるよ!!!!!
ついにまたあの味が食べられるんだ!!!


そう思ったら、もう走っておりました。


時刻は12時10分頃。


ちょうどタイミングよく食べ終わった方と入れ替わりで着席。


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変わってねえなあ。
約2年ぶりぐらいの訪問。



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 値段も最後にちょっと値上げしてからは変わってませんね。つーか、こんなのあったのか。気づかんかった。



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中華麺  ¥870



 一番入り口よりの席なので、スープの大鍋越しにブツを受け取らねばなりません。お盆に載ったスープがタップタプの中華麺をうやうやしく頂きます。


以前は、麺固めの油抜きで頼んでましたが、今回は注文はそのままで。


震える手を抑えつつ、早速味わってみます。



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ウメ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!!!



いやあ、これこれ!!この味!!!


 

 煮干しの旨味エグミギリギリの線で見極められて、飲んだときにノドの奥に香ばしい煮干の香りフワッと残って消えていく。そして意外にオイリーな表面の油のコクが味に更に深みを与える。


やっぱうめえなあ。


 よくこういうラーメンの表現で、昔懐かしい味、みたいな書かれ方するけど、とんでもない。懐かしい味じゃない。進化した味だよコレは。



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3玉使用しているらしい麺は相変わらずスープに浸りきらない


 そのままで頼んだ麺は、やわらかめだけど、それがスープにすんなりと馴染んで非常に優しい味を醸し出している。固めもいいけど、当然ながらやわらかめもいい。


やっぱうめえなあ。


気づけば一心不乱に麺に向き合い、スープまで飲み干してました。


 空になったドンブリをお盆に載せ、若干ドリーファンクJrに似ている店主さんに返す。


『こちそうさまでした!美味しかったです!』

『ありがとうございます。助かります』



 食べててウカツにも涙が出そうになりましたが(いや、マジで)BGMの小沢昭一的こころも相変わらずで、こんな世知辛い世界でホッコリとした気分で帰りました。


舌だけじゃない。
心まで満足させる味があったか。。。



次回、めとき 最終回に続く

<2010年06月14日に訪問>

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