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Tableau Desktop Public Edition のローカル保存がなぜ革命的なのか

発表内容

Tableau Conference 2024 にて、Tableau Desktop Public Edition で作成したファイルのローカル保存機能が発表されました。

Local file saving is now available on Tableau Desktop Public Edition. Now you can use this free capability to save locally, test out your vizzes before you publish or to analyze private data.
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Tableau Desktop Public Edition でのローカルファイル保存機能が利用可能になりました。これにより、無料のこの機能を使用して、ローカルに保存し、公開前にビジュアライゼーションをテストしたり、プライベートデータを分析したりできます。

Tableau 公式 X 投稿より
Tableau 公式 X 投稿より

なぜ革命的なのか

Tableau Desktop Public Edition の新機能の発表により、Windows ユーザーと Mac ユーザーの両方がコストを抑えて Tableau を利用できるようになりました。これは、会社や個人が無償で始められる新しい BI の選択肢を持つことを意味します。

Tableau Desktop Public Edition は、これまでにも、個人データを中心に、個人が Tableau Desktop の無料版を使用して個人の分析を行うことができました。

Tableau Public に関心がある方は、以下のブログをご参照ください。

今までの Tableau Public を利用する際の制約は、ユーザーがローカルにファイルを保存できないことであり、代わりに誰もが閲覧できる Tableau Public に保存する必要がありました。

この制約から、組織のデータが情報漏洩のリスクにさらされるため、Tableau Public は組織のデータを扱うのに適しておらず、個人データやオープンデータのみを扱うことが一般的でした。

今回の発表で、Tableau Public 2024.1.2 がリリースされ、ローカルへのファイル保存が可能になったことで、安全な環境にファイルを保存できるようになりました。

これにより、ファイルベースの組織データも Tableau Desktop Public Edition を使用して分析することができるようになりました。

公式ブログにおいても、以下の通り発表されています。

With local save, Tableau Desktop Public Edition users will be able to:
1. Save workbooks to their local desktop
2. Visualize public and private data
3. Create and save visualizations on the go—no internet connection required
4. Benefit from a new auto-save feature
5. Perfect their data visualizations before sharing with the world
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ローカル保存機能を利用すると、Tableau Desktop Public Edition のユーザーは以下のことができるようになります:
1. ワークブックをローカルのデスクトップに保存する
2. パブリックおよびプライベートデータを可視化する
3. インターネット接続なしで、移動中に視覚化を作成および保存する
4. 新しい自動保存機能を活用する
5. データの視覚化を世界と共有する前に、完成度を高める

Local File Save with Tableau Desktop Public Edition

ポイントは、Tableau 公式の X の投稿公式ブログともに、プライベートデータを扱うことができると述べられていることです。

無償版と有償版の違い

もちろん、有償版の Tableau Desktop Professional Edition との違いがあります。無償版と有償版の異なる点は以下の通りです。

  1. データ接続はファイルベースのみ

  2. Tableau Cloud / Server には保存できない

Google Drive 接続から、Google スプレッドシートに接続もできます。

Tableau Public 2024.1.2 接続ペイン

要約すると、データベースへの接続やWeb上で組織内での共有を行う場合には、Tableauの有償ライセンスが必要です。

その他の検証

Tableau Desktop Public Edition は、有償ライセンスで作成されたデータ抽出を含む twbx ファイルを開くことができました。

例えば、Tableau Desktop Professional Edition で BigQuery や Snowflake で作成した抽出データを含む twbx ファイルは、Tableau Desktop Public Editionでも開くことができます。

BigQuery データ抽出を含む twbx ファイルを開く

Tableau Desktop Public Editionでは、Hyper ファイルを直接読み込むことはできず、twbx ファイルのみを開くことができます。

.hyperファイルを読み込むとエラー

さらに、Tableau Desktop Public Edition で作成した twbx ファイルは、他の端末の Tableau Desktop Public Edition でも開くことができます。

Tableau Desktop Public Edition がローカルに保存されたファイルを開けるようになったことで、Tableau Reader が不要になりそうです。

結論

Tableau Desktop Public Edition には機能制限がありますが、待望の組織データを使える無償版がリリースされました。

ただし、Tableau Desktop Public Edition を組織内で広く使用することにはリスクも伴うため、以下の点に留意して活用する必要があります。

  • 公式サポートが提供されない

  • ローカルでファイルを共有することによる情報漏洩のリスク

  • ガバナンスの不足

  • 閲覧やデータのダウンロードのログがサーバーサイドで取得できない

これまで、Windows ユーザーは無料アカウントの Power BI を使用したり、Office 365 の E5 ユーザーは無償で Power BI Pro を利用することが一般的でした。

Tableau Desktop Public Edition の発表により、Windows ユーザーと Mac ユーザーの両方がコストを抑えて Tableau を利用できるようになりました。これは、会社や個人が無償で始められる新しい BI の選択肢を持つことを意味します。

私が2016年に Tableau に入社したとき、当時の CRO である Kelly Wright が述べていた「 Tableau はすべての Excel ユーザーに使ってもらうのが目標である」という言葉が、今回の発表によりさらに現実味を帯びてきたと感じます。

2016年のTableau BootCampに参加

Tableau Public 2024.1.2 は、以下のリンクからダウンロードできます。
Tableau Publicへようこそ

Salesforce Japan からの公式な発表や、Tableau からのさらなる情報に期待です。


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