扁桃腺摘出術〜入院１２日目〜

｜ AM 8:00

「佐藤さーん」

「…っはい!!」

ミッション失敗である。（今起きた）

あたかも今まで起きていましたよと、言わんばかりの態度で朝食を受け取る。

朝イチ僕の視界に入ってきた景色がこちら。

逆に魚がここで登場しなければ違和感を感じるくらい、レギュラーメンバーになりつつある。（てか、なってる）

もう、魚に関してあれこれ言うのは終わりにしよう、そう昨日決めたのだから、何も、言わず、ただ、飯を胃に落としていく。

痛みレベル ★★★☆☆

痛み止めを飲んでいないせいで、少々痛い。（寝坊したから）

（そもそもこの生活に寝坊という概念はあるんか？）

ご馳走様をして、薬を飲む。（一人でも手を合わせれば、良いことが起きそう）

｜ AM 9:00

医師が僕の喉を照らしにきた。

「順調ですね。今日の予定はもう終わりなので、ゆっくりしていてください。」

俺の1日は9時に終わったのだ。

- END -

ごめん、続ける。

｜ PM 12:00

「佐藤さーん」

「…っはい!!」

ループだ。

てか、NEXT EAT早くね？（寝てたから）

先ほど朝食を食べたばかりの腹に無理やり昼食を落とし込んでいく。

紹介が遅れました、こちらが輸送されました。（胃に）

お気づきいただけただろうか。

そう、待望の肉の登場である。いや、切望、熱望。

久しぶりに肉を食す。

いままでの辛かった生活を思い出す。

魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚（サカナと書いてギョと読む）

ったく、待たせやがって。

あっという間に、佐藤リョウスケによって粉砕されていく。

ご馳走様でした。（NEXT肉の思いも込めて手を合わせる。）

｜ PM 15:00

後輩のKGが見舞いに来てくれた。

俺の真似ばかりしてくる可愛い奴だ。

透明のメガネって似合う人いるんだ。

暑い中、とても汗をかいていた。

他愛もない話をして、楽しそうに帰っていった。

｜ PM 6:00

「佐藤さーん」

「はい」

今回は大丈夫だ。

終わりよければ全てよしという言葉を唱えて自分を正当化する。

寧ろ、魚でよかった。

これからも、変な期待をしなくて済む。

明日からまた1週間が始まりますね。

僕も頑張る（何を？）ので、皆さんも頑張ってください。

あばよ！