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ビジネススクールに行って良かったこと(サラリーマン目線)

このnoteは主に会社の後輩に向けて自分のキャリアの振り返りを書いているのですが、よく聞かれる「MBAってどうですか」みたいな話に対して今思うことをまとめておきます。
自分が通ったのは週末の国内大学院ですし卒業後に大きなキャリアチェンジをしている訳でもないので、身近な1つの会社員のケースとして読んで頂けたらと思います。

0.結局行って何が良かったのか?→巷で言われる「ビジネス」の全体像について自分なりにマッピングすることができたこと、何より本音で話して尊重し合える仲間ができたこと。

MBAってカネ系や戦略系のイメージが強いですが、20代から職場のサブマネジャーだった自分にとって最初はヒト系(マネジメント系)科目に一番のめり込みました。組織運営でありがちなトラブル、役職が変わると起こりがちな人間関係の変化等のケースを読んで、「あぁ、自分が仕事で悩んできたことなんて世界中で無数の人が悩んできたことなんだな」と目からウロコの気持ちになったことを覚えています。そして同様に会社経営に関わる多数のケースを読んで、どこの会社もこんなんあるんやなとか、こうしたら上手くいくこともあるのかとか、自分個人や自分の組織・会社について俯瞰する習慣がついたのもすごく良かったです。また仕事の判断に迷った時に、そもそもの仕事の目的とか会計の考え方とか株主目線でどう見えるかとか、そんな俯瞰した目線での判断をして決断できることはよくあります。そして何より仕事のやり方やキャリア等に迷った時等に、社外からの視点でフラットに相談しあえる仲間が得られたことも本当に本当に貴重なことでした。

ただしよく言われるのは「いつまでインプットしてるんですか、行動しないといけないんじゃないですか」ということです。ただ学んだだけでは不十分で、やはりアウトプット、実践ですね。実践て何?という感じのところで個人的にどう感じて行動してきたか、何を思ったかについて以下に書いていきます。

1.経営の意図を想像しながら自分で考えて行動するようにしたら仕事がすごく面白くなりました。

IR情報等を見て会社の大まかな方向性を理解した上で、それを実際のタスクと照らし合わせたり「それならこうやったら上手くいく」「もっと良い方法がある」という仮説を立てて社内外の人と話をしながら試行錯誤していけることはすごく面白いです。現場のオペレーションとお客さんを一番理解している(つもりの)立場で、経営の意図を想像しながら現場で一番良いやり方を考えて組織を動かせたら最高ですよね(そんな手応えは稀ですが)。時々自分の考えや行動と様々なお客様の反応がマッチして、組織と地域社会との関係を経営方針と同じ良い方向にリードできていると感じられる時には本当に面白いと思えます。
大学院を卒業して企画部門に行かれる方も多いですが、自分の仮説を実行できる現場にい続けられることは自分にとって何にも代えがたいやりがいと経験に繋がっていると今は感じています。

2.ぶつかる壁はなくなりませんが、ぶつかっても自分を振り返りまたチャレンジする姿勢が身につきました

大学院を卒業した2014年の忘年会で最初のクラスの同窓生が集まった時のことを今でも覚えているのですが、仕事が上手くいっている人は自分も含めて一人もいなくて、皆さん自分の想いを持って行動しようとして壁にぶつかり四苦八苦してもがいていたのが本当に印象的でした。決してきれいな成功を収めている訳でもなく現実と理想のギャップに打ちのめされながらも前に進もうとされている同窓生を見て、「あぁ、この皆さんと仲間になれて本当に良かった」と感極まったのを覚えています。そして今ではそれぞれの方が各方面でブレイクスルーされています。

ビジネススクールを出たからといってもぶつかる壁はなくならないですし、行動をする量が増える分だけ挫折経験も多いのではと思います。ただし仮説を立てて行動して壁にぶつかる度に自分を振り返って試行錯誤し、時に仲間に相談してまたチャレンジし直すという姿勢が身についたことで、得られる経験量は飛躍的に高まったようにも思います。大学院を出て得られるのは決して何かの印籠とか魔法の杖ではないという意味でも、冒頭のエピソードはすごく気に入っています。

3.結局やってみないとわからないことが多いとわかって「まずやれることを早めにやってみる」ようになりました

上記2.とも重複しますが、たくさんのケースなどを通じて戦略などを学んだものの最終的には「あれこれ言っても結局はやってみないとわからないことが多い」と理解したことで実際の行動も小さく早くやるようになりました。結果として組織を早く改善して顧客への付加価値も早く改善できていることが多いように思います。

大組織で働いているとどうしてもオフィシャルな根回しや承認を求めることが多く、時に「企画」や「承認稟議」というプロセスが目的化してしまうことってありますよね。社内で根回しをすることに時間をかけすぎずに「自分の責任範囲の中で、こっそり色々試してみる」のは自分の仕事の精度を上げて早く進めるのには非常に有効ですし常に心がけていることです。ただ結果としてスタンドプレーが多くなっていて、やってからの温度差を埋めていくことに苦慮することが多いので、もう少し根回しが必要かなと今は反省しているところです。やってみてお客様に喜ばれる仕事について社内で理解を得られなければ、それは自分の責任ですね。まだまだ試行錯誤です。

4.前例にとらわれず「今のお客様のニーズ」と「自分達のキャパ」を軸に仕事をしていたら結果として社内外で喜ばれることがすごく増えました

これは「業務をタスクしてでなく目的で捉える」という話に近いのですが、タスクの指示内容がどうかではなく、あくまで「今のお客様のニーズに自分達のキャパと枠組みでどこまだ応えられるか」という観点で物事を判断していくという話です。決してアウトローでいるという意味でなく、明らかにお客様にとって良いことで自分達ができることなら考えすぎないで行動していくというイメージです。考えすぎない分、意思決定が間違いなく早まりますしやってみて上手く回数も増えていきます。そして日々試行錯誤をしていれば社内外の方とも濃い対話ができるので、結果として腹を割って話せる人も社内外で増えていくように思います。

メンバーと一緒に「お客様にとって良いことは間違いなくこれですよね」「自分達がやれるなら応えたいですよね」と話し合って行動していくことはワクワクしますし結果として「やってよかった」と思うことばかりです。短期的にその価値が社内で理解されないことがあったとしても、自分の判断と行動を通じて得られる生のFBは自分やチームにとって何にも代えがたいリターンだと思っています。(お客様にとって良いことをその場のチームで話し合って行動していくことは、その姿勢そのものにも価値があるものだと思います。)

5.最後に

上記の他にも、大学院で勉強して良かったことはいろいろあるのですが、総じて「成果だけでなく経験重視で生きる価値観」を身につけられたことが本当に良かったと思えます。ただ今は学びの手段やネットワークへの参加方法も様々ですので、会社やその他のコミュニティで実学と判断の経験を得られる場があるならばビジネススクールに拘る必要はないのだとも今となっては思います。(その意味で「仕事の回転の早い会社で鍛えられまくる」とか、「ベンチャーで裁量を持って動きまくる」とか、本業でそういう働き方をすることがベストなのかもしれませんね。)

次に何を学びたいと思っているかと言えば、「手に職」系の絵画とか、大学で専攻していた建築についてまた勉強し直そうかとか、文章を書くのが上手くなりたいとか、いつか理容師の免許を取りたいなとか(子供達の髪をバリカンしていて楽しくなったので)とか、次に学ぶならそんな自己表現に関わることだなと思っています。noteを始めたのもそんなアウトプットの一環です。

あまり高飛車になっているつもりはないのですが、偉そうな表現は順次見直していきます。

※書籍紹介

グロービスMBA集中講義 [実況]ロジカルシンキング教室
グロービス ;
http://amzn.asia/d/0RkOhev

→実際の仕事でロジックで人を動かせる場面て多くないのですが、ピンポイントでロジカルさを求められる場面てありますね。見当がつかない新しい課題に向き合うことになったり(突然新しいことについて検討してとか)、ロジカル重視な人を説得しないといけない時とかに、ロジカルシンキングへの苦手意識が小さいとかなりストレスが減らせられます。念押しですが、ロジカルシンキングってどちらかと言えば「必要な時に使えるようにしておく」イメージで、決して振り回すものではないです。