見出し画像

めくれたカーディガン めくれたまま

仕事終わり、ばあちゃんを連れて定期検診へ行ってきた

17時、まだ職場にいる時、姉から電話がかかってきた。まだ退勤していなかったけど、電話に出てみたら、柊太(甥っ子)が電話したかったからって暇電した。暇電やおって電話してきた。柊太の声と姉の声が聞こえて、そこは一瞬で違う空気が流れた。

私は姉の声に返答する自分の声を聞いて職場では、何かきりつめた空間にいて、何か自分でもバリケード張っていたような気がしてきた。姉に返答する自分の声を聞いて思った。私はここで晒す自分には何か周りとの壁を作っているのかとしれないとか職場の人たちの前で作られる自分はきりりとしているなとか。

私は電話で何か緩んでいく、ほぐれていく感覚にすごく安心して、それはなんだか泣きそうになる感覚でもあった。

今日は仕事終わりばあちゃんを定期検診に連れていく。姉との電話の中で語られたことは、ばあちゃんは今日17時半くらいから検診に行くからって15時過ぎから準備しだして、16時過ぎには準備が完璧だったこと。トイレにいったり、なんやかんや。あまり外に連れ出さない私と行くということにも多少の緊張感があったのかもしれないなと姉の話しを聞くうちに思い自転車を漕ぐ足は早まる。

うちにつくとばあちゃんは案の定、準備万端でベッドに腰かけていて、もうコートもきて帽子もかぶってすぐ外にでれる状態だった。

若い時のばあちゃんは大体準備するのが遅く、外いくよ~とかご飯食べにいくよ~とか言っていてもなんだかんだで準備に時間がかかる人だった。

準備万端なばあちゃんは出来すぎていて少し寂しくなりもした。

病院につくと何人かの年配の方がいて、一緒に待った。私は日記を書いたりばあちゃんは今日の新聞を読んだりして各々に過ごしていたら、パーマをあてたふくよかなおばちゃんが私は16時過ぎから2時間くらい待っとるんやけどまだけなって受付にもの申しているおばあちゃんがいた。次から次に外から入ってくる人が先に入っていくもんで心配になってきてな。とかなんやかんや言ってなだめられて、待合椅子にまた座って近くのばあちゃんとまだやといなとかなんやかんや話していたら「いいこにしとらんとしかられるぞ~」って傍らのおばあちゃんが そういうばあちゃんの会話にすごく癒された。

テレビ見ながら、阪神が38年ぶりに優勝した、ビールかけの映像をみていたらあんな勿体ないにって笑ってた。阪神おめでとう。うちのお父さんは生粋の阪神ファンで阪神を応援していたから私も嬉しかった。

家に帰ると、こどものともが届いていた。柊太(甥っ子)にって最近定期購読を始めたけど、柊太にどうぞってあげても途中で投げ出して、遊びだしたり。本は沢山あるから私があげた本はそのうちに埋もれていって、今日また新たに届いたこどものともどうぞってあげようかとも思ったけど、それはしれっと本棚にいれておくことにする。なんかずっと読まれずに、柊太が何かでばちゃばちゃと触った時に破れたりするのかなと思ったけど、私が柊太のことを思っている、その思いが私には可視化できる形で残っていくようでうれしかったり、こどものとも。単純な言葉なのにあったかい。ぬくぬくとかそういう言葉に私の心もあっためられていて、それはもう柊太のものというよりも私がたしなんで、柊太がきづいたらきづいたでいいし、そうでなかったら、それは私の柊太への思いや、私の中に眠る すやすやを内部からじわじわと刺激してくれるものとして置いておこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?