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短編小説

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#小説

【小説】逆老人

※性的な描写があります。ご注意ください。 誕生  私は八十歳でこの世に誕生した。  と言…

【小説】みんなの森

※いつもながら、暗い結末となります。それでも良ければお付き合いください。 秋も深まり、森…

【小説】コロちゃんの毒の実

ヘレンは犬のコロちゃんと、森へ散歩に出かけていました。 すると、いきなりコロちゃんが、 「…

【小説】臓器が当たる宝くじ

政治哲学がテーマの作品となっております。約25,000字。 ※ 「臓器くじ」は以下のような社会…

【小説】がんばりやさんのたかしくん

 小学生のたかしくんに、たかしくんのお父さんが言いました。 「いいかい、たかし。今の社会…

上様を騙る不届き者をうっかり斬ってしまった話

戯曲風の創作物です。 登場人物 山田太郎(悪代官)  徳川吉宗(将軍)  大岡越前(町奉行…

【小説】お好み焼き戦争

 約十年前、東京の大学に通っていたころ、広島出身の紗江は、大阪出身の唯志と付き合っていた。 「県民性」という言葉がどれほどの実効性を持つのかは知らないが、それが有効だとしたら、広島人と大阪人の相性はなかなかによろしくないものだと思う。  両方とも個性的な方言を持ち、たとえ日本中のどこに引っ越そうが、その訛りを矯正しようとはしない。 「あしたの日曜、暇やったらどっか行こか?」 「あしたは天気予報じゃあ雨じゃけえ、近所がええ」  首都のど真ん中で、紗江と唯志はこんな会話をしていた

【小説】天保デモグラフィー

零幸いにして我が国の人口増加は、世界的にも低く、近年の出産力は、ほぼ静止人口に向かうポテ…

【小説】心神喪失により無罪

はじめに 今年の7月28日、延長された通常国会が終了する2日前、法務大臣の命令により東京…

【小説】ありがとう深度

一 山田太郎(25歳男性)は、一人暮らしのワンルームマンションの玄関から出たところで、ス…

【小説】将棋、人類、閉じた宇宙

 黒い背景に「しばらくお待ちください」とだけ表示されていた画面が切り替わって、明るくなっ…

【小説】◯◯差別

※◯◯には任意の単語を入れてお読みください。作中で差別的な表現が頻出しますが作品の性質上…