心の性別を問うということ
近頃の個人情報記入欄には、性別の欄に
男・女に加えて「その他」という選択肢が
導入されていることもよく目にするようになった。
自分は今まで てっきり「住民票や身分証に記載されている性別」
もしくは「出生時に診断された身体的な性別」を問われていて
それをそのまま記入する場所なのだと思っていたが、
最近になって急に「その他」の欄が登場したということは
それがそうではないということを示していて、
「自覚している性別」「性自認」という精神面を問われていることになる。
(自由記入欄、とも取れるが今回は触れない)
しかしそうなると、心の性別、性自認は
役所にも登録されていないし、身分証にも載っていない。
非公的な個人情報、という
自分にとってはよく分からないことを問われている。
第二次世界大戦における日本の姿を伝える映画や
証言を基に作られるテレビ番組では、日本人の女性が武器を持って戦場に向かったり
戦闘機を操縦する話は聞いたことがない。
ならば「自分は最前線で戦うべき人間だ」と自認すれば
当時の日本では「男性」が 心の性別として当てはまったのだろう。
昨今のロシアによる軍事侵攻で、ウクライナから他国へ避難する
住民の姿がニュースで流れる一方で、
「国を守るため」として武器を携行し
ウクライナ国内にとどまる現地の人々の報道も目にした。
その中には女性も少数ではあるが存在し、
「国を守るのは男性だけの役目ではない」と口にしている。
今のウクライナの姿を見れば、
「戦争のために武装する性別」が男性に限っていないことが
明らかに示されている。
ならば、心の性別とは何なんだろう。
家事をするなら女性なのか
黒いランドセルを選べば男性なのか
眉毛を描くなら女性なのか
黒や灰色のパンツスーツを着れば男性なのか
身長・体格は、
料理の腕前は、
着たい服装は、
好きな食べ物は、
趣味は。
もうここまで来れば答えは明確だろう。
今の時代の性別記入欄は、
全員が「その他」に当てはまってしまう。
一体 何を求めて個人情報を尋ねて来てるのだろうか。