多賀山リョウ | Tagayama Ryosei

不動産業界に身を置きつつ、ここでは仕事とはあまり関係のない話たちを中心に。グッズ販売の…

多賀山リョウ | Tagayama Ryosei

不動産業界に身を置きつつ、ここでは仕事とはあまり関係のない話たちを中心に。グッズ販売のお手伝いさせてもらってます。https://suzuri.jp/SHOP-CORAL ラジオ/ドラマ/お笑い/スマホ初心者(2022〜)/AVIOT/平和のために動き働く人々に寄り添いたいです。

記事一覧

来年こそは

今年は五部咲き〜満開の桜を見ることができなかった。 ひと月近く前の僕は、何日も連続して、桜の木をふと視界に入れる余裕もない日々を送っていたようだ。 天候にも恵ま…

オフロードを迂回して

僕が通っていた学校と僕の家の間には、小さな山があった。 山は通学路に指定されていないため、登下校は山を迂回してU字のように往復する毎日。 何度も思った、この山さ…

理想の生き方

病気、とまでは行かないけれど、新たに不安な症状が僕を襲い始めている。 ようやく予約が取れた病院で明日診断結果が出るまではこう記すべきだが、おそらく病気は病気だろ…

円満に、円満に

3月は、一年の中で最も離婚件数の多い時期らしい。 そう言われると、僕の周りでは「離婚報告」のタイミングこそバラバラだけど、よくよく聞くと届け出は年度末、というの…

さっぱり分からない

僕も大金を目の前にしたら、人格が変わってしまうのだろうか。 僕はギャンブルというものに縁のない人生を送っている。 友人から聞く話だと、例えば知り合いが競馬に連れ…

空から逃げる

僕が生まれ育った地元には小さな山があり、その中腹には、人が出入りするには充分なサイズの穴が空いていて、奥まで長く続いている。 第二次世界大戦中に使われていた防空…

行きたい場所へ

今年に入ってからはまだ、あまり遠出をしていない。 明日は祝日。 僕が応援しているインディーズミュージシャンのフリーライブがある。 応援していると言っても、まだ彼…

ペヤングソースやきそばの日

今日のお昼ご飯は焼きそば。 の、はずだった。 関東の人間にしては珍しいらしいが、僕は紅生姜をたくさん食べる。 焼きそば一皿の中の三分の一は生姜を食べているという…

風が強く冷たいほど教えてくれる

数日前まで、南関東を中心に地震が続いた。 執筆活動が中断したり、気持ちが落ち着くまでに時間がかかったり、ある時突然仕事もプライベートも関係なく集中から遠ざけられ…

オヤカク オヤオリ

僕の同級生には、成人するまでの間に父親、母親共に病気で亡くしている人がいる。 お父さんのお通夜は、僕にとって人生初めての葬儀参列で、物心が付くか付かないかのおぼ…

旅券の日

3〜4年の規制のような期間を経て、海外ロケをする芸能人(主に芸人さん)を再びテレビで目にするようになった。 2020年末、2021年末になっても、海外ロケを再び見られる日…

良い未来、を考える

津波が来る、自動車はここまでだ、と投げ出し無人になった車が、二度目の大きな揺れで振動を感知してドライブレコーダーの録画が自動で開始する。 持ち主が無事で、しばら…

未来愛犬家

いつか犬を飼ってみたい。 ずっとそんなことを思っているが、まずはペット可物件に住んでいないという現状に阻まれている。 僕は、ある程度意思疎通ができる小動物が好き…

節分

幼稚園の年長の2月3日、先生が僕ら園児たち一人ひとりの片手の中に節分の豆を配った。 これは、撒くものではなく、年齢の分だけ食べる用。 先生がクラスの園児全員に配り…

普通でありたい、という本能

夜、スーパーで買い物をしていたら、僕の目の前を小さなお子さんが元気に駆け抜けていった。 無意識にお子さんが駆ける先を見ると、スーツを着た男性が2人、笑顔で話をし…

声援を力に

社会人になってすぐ、石川県出身の人と出会った。 当時は新幹線の長野駅ー金沢駅間の延伸案すら出る前で、北海道や沖縄同等の「帰省のしづらさ」でお馴染みだった。 石川…

来年こそは

来年こそは

今年は五部咲き〜満開の桜を見ることができなかった。

ひと月近く前の僕は、何日も連続して、桜の木をふと視界に入れる余裕もない日々を送っていたようだ。

天候にも恵まれていなかったと思う。透明ではない僕の傘は、信号を見るために持ち上げるだけ。

もうすぐ開花かな、でもこれ梅かもな、どちらだろう、などと思っていて、その次に見た時はピークを通り越した葉桜だった。

4月9日に撮ってもらった写真には、風に

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オフロードを迂回して

オフロードを迂回して

僕が通っていた学校と僕の家の間には、小さな山があった。

山は通学路に指定されていないため、登下校は山を迂回してU字のように往復する毎日。

何度も思った、この山さえなければ僕は毎日あと5分多く寝ていられるのに。

山はタヌキが出ることで有名で、子どもはそれだけなら面白がって山ルートで通ってしまうかもしれない。

しかし同時にその山は、毒を持っているかも分からぬ大蛇もいる。

僕も休みの日に山のふ

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理想の生き方

理想の生き方

病気、とまでは行かないけれど、新たに不安な症状が僕を襲い始めている。

ようやく予約が取れた病院で明日診断結果が出るまではこう記すべきだが、おそらく病気は病気だろう。

最悪手術が必要、将来その付近にガンが出来ることも充分有り得る、とネットには書いてあるが、ネットの情報を鵜呑みにすると気分を害する医者も多い(自分調べ)。

とにかく医者から話を聞いて、それを信じることにしよう。

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円満に、円満に

円満に、円満に

3月は、一年の中で最も離婚件数の多い時期らしい。

そう言われると、僕の周りでは「離婚報告」のタイミングこそバラバラだけど、よくよく聞くと届け出は年度末、というのは何件か聞いたことがある。

誕生日やイベントごとの、おめでとうの言い合いのようなものが一段落して話題が切り替わった頃に、そっと伝えてきてくれる。

僕が知る限りではスッキリサッパリな人が多い印象だけど、腹の中なんて分からない。

すごく

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さっぱり分からない

さっぱり分からない

僕も大金を目の前にしたら、人格が変わってしまうのだろうか。

僕はギャンブルというものに縁のない人生を送っている。

友人から聞く話だと、例えば知り合いが競馬に連れて行ってくれたとか、キッカケがあればギャンブルを楽しむ人生も有り得る。

しかし僕にはそのような知り合いもおらず。
(競馬に連れて行ってもらった友人が次は僕を誘ってくることはない、なぜか)

芸人さんでも、ギャンブルで一度に何百万使った

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空から逃げる

空から逃げる

僕が生まれ育った地元には小さな山があり、その中腹には、人が出入りするには充分なサイズの穴が空いていて、奥まで長く続いている。

第二次世界大戦中に使われていた防空壕だと言い伝えられている。

土地の管理者や所有者が不明だから、戦後何十年もそのまま残されていると当時は思っていたが、後世に伝えるために敢えて残していたのかもしれないなと、最近では解釈している。

社会科見学のように、学年単位で訪問して、

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行きたい場所へ

行きたい場所へ

今年に入ってからはまだ、あまり遠出をしていない。

明日は祝日。

僕が応援しているインディーズミュージシャンのフリーライブがある。

応援していると言っても、まだ彼のことを目の前で見たことがない。2年ほど前にYouTubeでたまたま見つけた人だ。

不安な世の中を生きていくことに自信が持てずにいた時、歌声と合間のコミカルなトークやコメントへの優しい返事をしている姿に心が救われた。

世の中にはク

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ペヤングソースやきそばの日

ペヤングソースやきそばの日

今日のお昼ご飯は焼きそば。

の、はずだった。

関東の人間にしては珍しいらしいが、僕は紅生姜をたくさん食べる。

焼きそば一皿の中の三分の一は生姜を食べているという、健康的なような、栄養の偏りがひどいような。

焼きそばを皿に盛り、テーブルまで運ぼうとしたら、手首が棚に引っかかった勢いで、焼きそばが全部床に落ちた。

床、熱いだろうな。

春のせいか眠いこともあり、床に落とした第一印象は、熱々の

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風が強く冷たいほど教えてくれる

風が強く冷たいほど教えてくれる

数日前まで、南関東を中心に地震が続いた。

執筆活動が中断したり、気持ちが落ち着くまでに時間がかかったり、ある時突然仕事もプライベートも関係なく集中から遠ざけられてしまう。

ここ3〜4日ほど、揺れは感じていない。

しかし、僕は覚えていた。

「東日本」の時も、中程度の揺れが続いたあと一週間ほど音沙汰なく、そして3月11日になったのだ。

テレビでこのニュース(注意喚起)を見た時、やはりと思った

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オヤカク オヤオリ

オヤカク オヤオリ

僕の同級生には、成人するまでの間に父親、母親共に病気で亡くしている人がいる。

お父さんのお通夜は、僕にとって人生初めての葬儀参列で、物心が付くか付かないかのおぼろげな年令だったが「親って死ぬものなんだ」と認識したことはずっと覚えている。

そして十年ほど経って、お母さんも亡くなってしまった。

息子である同級生とは学校は離れていたけど訃報はすぐに届き、けれど密葬だったようで、まだ一度も手を合わせ

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旅券の日

旅券の日

3〜4年の規制のような期間を経て、海外ロケをする芸能人(主に芸人さん)を再びテレビで目にするようになった。

2020年末、2021年末になっても、海外ロケを再び見られる日など二度と来ないのではないかと寂しい気持ちで一杯だった。

最初はたった一人が罹った(推測)ものが、ここまで地球全体に広がるとは。

僕は「芸人さんが海外の魅力的な風景の中あれこれするロケ」が好きだ。

「知っている顔と知らない

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良い未来、を考える

良い未来、を考える

津波が来る、自動車はここまでだ、と投げ出し無人になった車が、二度目の大きな揺れで振動を感知してドライブレコーダーの録画が自動で開始する。

持ち主が無事で、しばらくして車に戻ってきたら、地震の強さを物語る映像が勝手に撮れている。

その提供映像を、月末あたりにいくつか目にした。

いとも簡単に窓枠が外れて落ちてきて、ガラスの破片が飛び散る様子、そうこうしている間に建物自体が崩れる様子。

自転車に

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未来愛犬家

未来愛犬家

いつか犬を飼ってみたい。

ずっとそんなことを思っているが、まずはペット可物件に住んでいないという現状に阻まれている。

僕は、ある程度意思疎通ができる小動物が好きだ。

理由はたくさんあるが、その一つは相手の願いを叶えてあげるよう手助けすると喜ぶ、その喜ぶ姿を見ると僕も嬉しい、というもの。

コミュニケーションの基礎だ。

小学校の時のウサギ小屋、僕は飼育係だった記憶は曖昧だが、小屋の中に入って

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節分

節分

幼稚園の年長の2月3日、先生が僕ら園児たち一人ひとりの片手の中に節分の豆を配った。

これは、撒くものではなく、年齢の分だけ食べる用。

先生がクラスの園児全員に配り終え、号令のように「どうぞ」と言ったタイミングで、園児が一粒ずつ豆を食べる。

運動会で玉入れ競技の個数確認をするように、みんなで一つ、二つ、と数えながら。

そんな先生のプランは突如崩壊した。

園児たちは、片手に豆を持ったまま待機

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普通でありたい、という本能

普通でありたい、という本能

夜、スーパーで買い物をしていたら、僕の目の前を小さなお子さんが元気に駆け抜けていった。

無意識にお子さんが駆ける先を見ると、スーツを着た男性が2人、笑顔で話をしている。

男性2人は互いにスーツ姿とはいえパーマをかけていたり、ヒゲを生やした上で整えていたり、真冬に少し日焼けしていたり、な風貌で、それぞれに買い物カゴを手にしている。

似た者同士だが、家庭はそれぞれなのが窺える。

「自力でうんて

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声援を力に

声援を力に

社会人になってすぐ、石川県出身の人と出会った。

当時は新幹線の長野駅ー金沢駅間の延伸案すら出る前で、北海道や沖縄同等の「帰省のしづらさ」でお馴染みだった。

石川出身の彼は、高校卒業と同時に東京に出てきて以来一度も帰省しておらず、地元とは縁を切ったと言っていた。

僕が、友達はいないのか、家族は?と尋ねたら、

「僻地っていうのはね・・・」

不満そうな顔で、言い留まっていた。

きっと、首都圏

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