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漫画における「すれ違い」の表現を描くのが難しい

お疲れ様です。今回は自分が苦手としている漫画表現について話したいと思います。それは、「すれ違い」

日本の漫画や映画に特に多いと思うんですが、”「想いのすれ違い」によって起きるアクシデント”というものが自分は描くのが苦手です。

すれ違い、これは両片思いとかもそれにあたるか?と思いますが、キャラが「本当はこう思っているのに伝えられない/伝えない」という理由で相手のキャラとすれ違いが起きる描写です。

これは日本の文化背景があると思います。自分も日本人ですが、親族にアメリカ人がいたり、海外に住んでいたり、米軍基地で働いていたりとしていた自分にはこの文化が不得意でなかなか漫画で綺麗に表現するのが難しいです。

意見や考えを言うという行為が、日本ではどれほど勇気のある行為なのか、日本に今住んでいるなかで理解しないといけない。
日本人が反対意見や心のうちを言うときは、「もう嫌われてもよい」と腹をくくった時だと思う。

「あなたはこういう意見、私はこういう意見」という相反する2つの意見を同時に尊重することは日本人はあまりしない。

もちろん、アメリカ人がなんでも場所関係なく意見や考えを言うかと言われたら言わないけど、悪い状況になっている場合にはもちろん上司にも意見を言う場合が多い。

なので、そういう風習に馴染むと日本人の感覚が難しく感じる場合があり、それを漫画で表現するのがもっと難しい。

例えばお互い脈がありそうな状態でお互いの想いを言葉にしない状況が難しい。好意を言わないでいる理由を作るのが難しい。
他には、「悪い状況になってるのに」相手の意見を尊重してそのまま自分の意見を言わず事態を悪化させるというのも描くのが難しい。
あとは、相手はどう思っているんだろう?と思ったときに「質問しない」ということが難しい。

すれ違い表現がうまく描ければ、もっとミステリアスな展開もできるだろうし、より複雑な物語になり、結末のインパクトも大きくなると思うんだが、これがなかなか難しいんすよ・・・・(´;ω;`)

自分の描くキャラクターは皆、それぞれ意見が決まっていて、真っ直ぐな対立をする。例えば「勝志は酒井と復縁したいから酒井にそれを伝える⇒酒井はそれを断り、逃げる」という意見の対立だし、竜星にしてもけっこう気持ちを丁寧に相手に伝えていたと思う「竜星はみのるのことをかわいいとは思っているけど、竜星はゲイではないので、みのるに他でゲイの彼氏を作ってほしい」と伝えているし、結局自分の漫画は想いを伝えあっている。

いくつか過去の作品をペラペラ読んでみても、みんな想いを伝えている。


だからけっこうわかりやすい漫画ではあると思う。ただ繊細さはないよっていうね。

複雑な表現は漫画描きとしての今後の自分の課題です。