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RailSimSS撮影向け四直車主要設定概覧

家の京成車PIを公開して以降、各所で家の京成車PIを見かけるようになって気づいた点。それは、みんな意外と四直の知識がなく、よーく見てみるとあり得ない表示や使い方をしていることであり、(3700に芝山色を入れてる地点で既に人の事言えないが)、作った身としてはどうしても気になってしまう。
というわけで本稿では、京成・都営・京急・北総4社局による相互直通運転形態、いわゆる「四直」の車両プラグインを使用した際のベタな法則について記述し、各位に正しい知識を教授していく。

0.四直とは

南は三崎口、北は成田空港までを直通運転により結ぶ、京成・都営浅草線・京急・北総の4社局による相互直通運転形態を指す鉄道ファンによる呼称である。
厳密には京成・都営・京急・北総・千葉ニュータウン鉄道(←住都公団)・新京成・芝山の7社だが、運用上は京成と芝山、北総と千葉ニュータウン鉄道が共通運用となっている事と、また新京成は後述するが片乗り入れでありこの系統に含まれないため、よく勘違いされるが七直でも五直でもない(五直だと東武・西武・東京メトロ・東急・横浜高速になってしまう)。
但し、便宜上ここでは新京成電鉄についても同時に解説する。

1.運番の法則

これら4社局による直通運転のほか、自社線でもそれぞれ独自の運行形態を採っているため、列車の前面に表示される「運行番号」の法則は複雑である。
その複雑怪奇さからか、編成テンプレそのままかデタラメに設定している諸兄が多く見受けられるため、これへの指南として一番初めに解説することとする。
本稿ではこちらのサイトを参考にしながら解説していく。

他社に直通運転を行う列車において、前面に表示する運番の末尾にはアルファベットが付けられ、使用する車両を区別することを目的とした以下の規則がある。

末尾にK:京成(KeiseiのK)
末尾にT:都営(ToeiのT)
末尾にH:京急(KeiHin KyukoのH)
末尾にN:北総(恐らくNewtownのN)
末尾にF:新京成(前身が旧日本陸軍の訓練線であったため、「軍隊」や「部隊」を意味する「Force」のF)・・・だったはず。

また、運番の下1ケタは上り下り問わず奇数を表示している。

1-1.京成

主に以下の法則が存在する。

頭にAE(Airport Express):ライナー系列車及びその関連運用(実質AE車・AE100形・AE形の運用)
頭にA:他社に乗り入れない優等列車(=普通列車以外)
頭にB:京成本線から千葉線・千原線に直通する列車及び千葉線・千原線内の列車(=ちはら台行きなら100%Bが付く)
頭にS臨時列車(北総車の京成線内の臨時回送やこないだの3600形赤帯リバイバル団臨など)
頭にも末尾にもアルファベットを付けない:千葉線・千原線に直通せず、かつ他社局に直通しない普通列車
末尾にK:他社局への直通運用(厳密に言うと押上線に関連のある運用)と成田スカイアクセス

なお、芝山鉄道の車両も車両の管理・運用の都合上全く同じ法則である。
その上で、編成両数などで数字が決まっており、

AE:01~19は160km限定の営業列車、21~49は臨時、51~99は160km非対応でも可
A:A01~A29が8連、A31~A39が6連
B:B01~B49、なお6連の運用しか存在しない
アルファベット無し:01~49が6連、51~89が4連、91~99は上野~高砂間の8連
K:一部の例外を除き01K~11Kはアクセス特急、21K~49Kと97K~99Kは不定期列車、51~95Kが一般の列車

となる。

1-2.京急

こちらも直通用のアルファベットの他に規則が存在する。一部の例外を除き京成のように頭にアルファベットは付けず、末尾にのみ付与される。

A京急線内のみを運行する快特・ウィング号
B:京急線内を平日朝のみ運行する、金沢文庫駅を境に特急から快特に種別変更する上り品川方面行き快特(かつての通勤快特)
C終始京急線内のみを運行する特急とそれに関連した一部の普通
D逗子・葉山(旧新逗子駅)⇔羽田空港間のエアポート急行とそれに関連する列車
H他社に乗り入れる快特以外の列車(例外多数あり)
SH:浅草線に乗り入れる快特
アルファベット無し
:上記の法則に当てはまらない6・4両編成の普通列車
TH
都営車の運用を京急車が代走する際に使用
HK京急車の運用を京成車が代走する際に使用
S臨時列車及び久里浜工場内の試運転列車

基本的に2100形は都営線に乗り入れないので、終始「A」を表示することになる。800形も殆ど普通列車の運用のため、アルファベットは表示しないことが殆どであった。

画像1

なお、京急車の列番表示では10の位に「0」は表示しない。画像のようにLED車においては無表示となり、方向幕車においてはそもそも表示内容に存在しない。

1-3.北総(公団→千葉ニュータウン)・都営・新京成

1.の項目で触れた法則が当てはまると共に、種別や行き先に依存しない。つまり、線内に通過駅があろうが行き先が三崎口だろうが印旛日本医大だろうが京成車はK、京急車はH、都営車はT、北総車はNを表示する。

新京成は線内では運番を表示せず、京成線に直通するときのみ末尾に「F」を付ける。

2.各社の車両の運用範囲など

上記の法則を踏まえた上で、4直の車両でよく見られるベタな運用(私的感覚)を挙げていく。

京成・芝山車
特急車
(AE車・AE100形・AE形)
・線内のライナーに充当
・AE形は全列車に充当可能だが、AE100形は京成本線経由の列車のみ充当可能で、成田スカイアクセスには非対応

京急線乗り入れ可能かつ成田スカイアクセスでの運用が可能な車両(3000形8連・3050形・3100形・3700形8連)
・成田空港・芝山千代田~上野間の優等列車
・成田スカイアクセス線経由アクセス特急
・↑の間合いの普通
・押上線(殆ど直通列車)
・都営線西馬込まで
・京急線内で昼間は快特・エアポート快特、ラッシュ時にエアポート急行で羽田空港まで、夕方のみ特急で久里浜(数年前までは三崎口)まで
・稀に北総線印旛日本医大まで

京急線乗り入れ可能かつ成田スカイアクセスでの運用が不可能な車両(3400形・3500形8連・3600形4連)
・成田空港・芝山千代田~上野間の優等列車
・↑の間合いの普通
・押上線
・都営線西馬込まで
・京急線羽田空港まで
・極稀に北総線印旛日本医大まで
・3600形4連は新車搬入時の牽引車としての入線のみ京急線入線、それ以外は基本金町線高砂~金町
・3500形8連は2016年まで京急線羽田空港乗り入れ、2020年のみ臨時列車として成田スカイアクセス線走行実績あり

京急線・成田スカイアクセス線乗り入れ不可能車(3600形8連・3700形3748Fボルスタレス台車試験車)
・成田空港・芝山千代田~上野間の優等列車
・↑の間合いの普通
・押上線(直通列車)
・都営線西馬込まで
・極稀に北総線印旛日本医大まで

その他(3200形と3300形と3500形の4・6連・3000形と3600形と3700形の6連)
・千葉線・千原線・芝山鉄道を含む各線の普通列車
・4連は2020年現在金町線のみ運用、京成本線からは撤退
・既に撤退済みだが浅草線でも運用歴あり
・3600形6連は2020年8月に試運転で成田スカイアクセスに入線

京急車
2100形
・線内の泉岳寺~久里浜・三崎口行きA快特・ウィング号
・朝限定で空港線内のエアポート急行

旧1000形・600形・新1000形(4+4を含む)・1500形1700番台の8連
・他社線直通を主とした優等列車(4+4の場合は1800番台で幌をつないだ時のみ乗り入れ可)
・旧1000形以外は成田スカイアクセスにも乗り入れ可能
・2100形の代走
・京成金町線・東成田線・千葉線・千原線・芝山鉄道には乗り入れない
・かつては間合い運用で京成上野に優等列車で入線
・新1000形1001Fは2020年現在乗り入れ運用なし

旧1000形・800形・新1000形・1500形の6連
・線内の普通列車と逗子・葉山方面の一部のエアポート急行など
・代走で特急などに就くこともあり

600形・1000形(新旧共に)・1500形・2000形の4連
・線内(大師線含む)の普通列車
・朝夕など12両編成組成時の増結車
・旧1000形のみ京成金町線乗り入れ実績あり

2000形
・2ドア時代は線内快特
・格下げ後はラッシュ時主体で線内優等・後年は新逗子方面のエアポート急行

700形
・線内(晩年は主に大師線)の普通列車
・4+4+4で朝方の通勤快特

都営車
5300形・5500形

・浅草線西馬込まで
・京急線三崎口・逗子・葉山・羽田空港までの優等列車
・京成本線成田空港までの快速特急・特急・快速など(成田スカイアクセス非対応)
・北総線印旛日本医大までの普通・急行
・かつては芝山千代田まで乗り入れ、現在はダイヤ乱れ時のみ
・京成上野にもダイヤ乱れ等の突発的事情のみ入線
・深夜時間帯に各乗り入れ先で夜間留置運用あり

北総車
・北総・京成押上線内では羽田空港行きもしくは西馬込行き普通列車で運用
・成田スカイアクセスには全編成非対応
・京急線内では快特、エアポート急行
・ラッシュ時のみ線内の特急や急行
・92年まで新京成線松戸まで乗り入れ
・99年頃まで京急線新逗子まで乗り入れ
・検査入場のための回送で京成本線宗吾参道まで極稀に走行、臨時以外では京成本線には乗り入れない

新京成車
・データイムのみ京成千葉線千葉中央まで乗り入れ
・92年まで北総・公団線千葉ニュータウン中央まで乗り入れ

3.よくある行き先

上記の運用範囲を見てよくわからない人(というか大多数だと思う)はこの辺の表示にしておけば無難。

・快速特急 芝山千代田
・快速特急 成田空港
・快速特急 上野
・快特 三崎口
・快特 京急久里浜
・快特 泉岳寺
・快特 品川方面泉岳寺
・快特 青砥
・快特 高砂
・快特 品川
・快特 羽田空港
・快特 印旛日本医大
・快特 印西牧の原
・通勤快特 品川
・通勤特急 上野
・エアポート快特 成田スカイアクセス線経由 成田空港
・エアポート快特 羽田空港
・エアポート快特 芝山千代田
・エアポート急行 新逗子
・エアポート急行 羽田空港
・アクセス特急 成田スカイアクセス線経由 成田空港
・アクセス特急 成田スカイアクセス線経由 羽田空港
・特急 京成本線経由 成田空港
・特急 上野
・特急 西馬込
・特急 神奈川新町
・特急 三崎口
・Wing 三崎口
・スカイライナー 成田空港
・スカイライナー 上野
・シティーライナー 成田
・快速 佐倉
・快速 成田
・快速 西馬込
・快速 成田空港方面佐倉(佐倉行きでも可)
・急行 成田
・急行 西馬込
・急行 羽田空港
・急行 印西牧の原
・普通 うすい
・普通 上野
・普通 ちはら台
・普通 津田沼
・普通 高砂(押上線下り列車)
・普通 羽田空港
・普通 西馬込
・普通 金町
・普通 品川
・普通 神奈川新町
・普通 金沢文庫
・普通 京急蒲田
・普通 新逗子
・普通 京急川崎⇔小島新田
・普通 羽田
・普通 千葉ニュータウン中央
・普通 印西牧の原
・普通 印旛日本医大
・普通 芝山千代田

※京成の急行は2002年まで、京急の急行は2010年まで。
※北総の急行は下りのみ現存。
※成田空港方面佐倉行きは2010年まで。
※京急車に芝山千代田行きの表示はない。
※通勤快特は1999年まで。
※羽田行きは1993年から1998年まで。
※千葉ニュータウン中央行きの定期列車は2000年まで。

4.その他

・四直では急行灯(種別灯)は優等列車の場合点ける事になっている。だがご存じの方も多いとは思うが、京成だけは何故か消灯することが多々ある。何なら前照灯も消すことがある。
・種別表示のうち、「快特」は京成だけ「快速」があるため、誤乗防止で「快速特急」である。京急旧1000形は快速代走の際には快特を表示していた。

5.おわりに

長くなったが、四直の主な運行形態を大雑把にまとめてみた。本稿で取り上げた内容は四直を1mmしかあるいは1mmも知らない人向けにピックアップした「ベタなもの」がほとんどであるため、詳細な運用や運行形態は各自で調べること。

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