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好きだった

一晩だけ、と約束して僕は彼女との
one night loveを楽しんだ。

彼女は甘えるのが好きだと言った。股の間に入るのが好きだといった。頭を撫でられるのが好きだと言った。櫛で髪をとかされるのが好きだと言った。そのあとキスをしたいと言った。

彼女は腕にリスカの跡があるし、目の下はくまだらけだと言った。僕はそんな事全く気にしなかった。ただ、彼女の全てを知りたいと思った。

顔も見えない。声も聞けない。触れられない。匂いもかげない。そんなことは分かっている「つもり」だった。僕も彼女も。

彼女は既に僕に惚れ込んでいたようだ。僕も彼女に惚れ込んでいたようだ。僕は、忘れられなくなったらどうしようかといった。彼女は、その時は私のとこまで逢いに来てと言った。会って抱きしめて頭を撫でてしてキスをしてと。

その時、あぁもう忘れられなくなったということをただ感じた。

だんだん朝が近づいてきた。終わる直前に、彼女は、****から毎日会いたいと言った。なんでそんなこと言うんだ。ダメだ。それをしたら。全部が。なくなって。しまう。から。one night loveだと言ったのは君だから。僕は彼女を突き放した。それはダメだ。忘れられなくなる。彼女は本当に僕のことが。人間不適合者の僕のことが好きだったらしい。なかなか諦めてくれなかった。とうとう、そのままゆっくり話をしていたら、朝が来た。

最後の最後に、彼女は言葉をくれた。「愛しい人へ。今日で私は全部消えます。自分に自信をもって。私は半端な人を好きにはならないから、好きだったよ。〇〇。」

僕は間違ったことをしたのだろうか。そんな後悔の思いで目が覚めた。


という話。

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