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半年記念日

住んでいるアパートの目の前には山がある。 今日、買い物帰りに家の前で山を見上げると、同じ緑でも秋の顔になっていて、 なんだかエモーショナルな気持ちになった。 この部屋に来て、ちょうど半年が経った。 なんとかこの地でひとつの季節を越えることができたなあ、と。 知り合いも居ない土地に彼だけを頼りに住み着いた。 彼のおかげさまで楽しい生活が送れているのだが、 彼よりもずっと山の木々が相棒のような、拠り所のような、そんな気持ちになった。 東京の喧騒からはほど遠く、隣の部屋の

    • #4 2024年7月前半の日記

      07-08 実家にわんこがやって来た。色んなご縁が重なって、想定より早く新たな一員を迎えることになったらしい。母親から送られてきた動画には、ロイ(先代犬)より二回り以上は大きな新入りの姿。まだ若く元気いっぱい。ロイとは真逆の人好き犬好き、少食。もちろん嬉しかった。 早く会いたいとワクワクしながら、ロイが居た場所にいる新入りを見て当たり前のように泣きそうになった。 ロイが居たんだよなあ、と。 今でも私は、それはもう簡単に涙が出る。人間は忘却の生き物だと思っていたけど、忘れること

      • 私は冷たい

        昨晩、彼が号泣した。 驚くべきは、彼が泣いたことより、何で泣いているのかこれぽちもわからなかったこと。 一緒に暮らしていて、私が知る彼のこと全部が無に帰したような。空虚な気分になった。 深く悲しんでることと私が引き金となったことは、彼の様子からわかった。ああ、私は大切な人を傷つけ得る人間だったんだなと思った。 他者と生きる限り傷つくことも、傷つけることも逃れられないけど、意図せず傷つけたことを目の当たりにすると、自分が危ない人間に思えてくる。 泣きじゃくる彼の背中に

        • 25歳、だいすきな彼女たちと大人になる

          25歳です。あと半年と少しもすれば26歳になる。 大好きで仕方がない友人たちと久しぶりに会った夜。 お互いの恋愛話がひとしきり終わると、(ひとしきり終わるのが数時間かかるのはさておき)仕事の話となり、キャリアや生活、ひいては人生の話となる。 私が脈絡もなく「でもさあ、全部は無理じゃんか」と言うと、そのたった一言で場が同意の空気を持った。予想外の同意の波に驚き、話を持ちかけた当人だというのに、面食らってしまう。 出会って10年。高校生の時は毎日顔を合わせ、その日のちっさな

        半年記念日

          さようならだね。

          愛犬が死んでしまった話のつづきを書きます。 先日、妹がとある占い師さんからロイの死に際の気持ちを聞いてきた。 驚いたことに、亡くなった日の出来事やその日の様子を全く伝えていなかったにも関わらず、状況に即していたという。 というのも、ロイは病院で誰に看取られることもなく息を引き取った。 午前中に病院に連れて行った母も一時帰宅中で、病院からの連絡を受けて死んだことを知った。 占い師さんは「ロイくんは『ママも居ないし、もういいや』と諦めてしまったんだね。」と教えてくれたらし

          さようならだね。

          #3 解毒

          04-10 何かと生活が新しくなり、節目といえるような出来事も起こった4月も中旬に入る。 静かな部屋で暮らし始めた。お隣さんの気配がなく、外の騒がしさとは無縁の部屋だ。こんだけ静かだと、テレビの音も耳に刺激が強い気がする。 好きな人と、用意された場所で、爽やかな朝に目覚めるこの生活は私から毒気を抜いていく。不満のない生活と毒性の少ない自分にこそ不満を感じるかもしれないな、と。まだ1週間も経ってないのに考える。不満ではなく新しい自分への違和感だと思いたい。 04-11 「愚痴

          #3 解毒

          愛しい骨

          ロイが死んでから5日が経った。 享年13歳と2ヶ月。 死ぬってなんだろうと、あれからずっと考えてる。 肉体がなくなること? 魂がどうのとか心の中にいる、とかよく聞くけど、それじゃあ肉体がなくなるってなんだろうね。 ロイに噛まれた一生消えないと思っていた左手人差し指の傷が、気づいたらよく見ないとわからない程度になってる。 私はまだ再生される細胞を持っている。 目を見開きもう瞬きをしないロイは、抱きかかえることができないほどに固くなっていた。 ロイへの愛おしさは全く変わら

          愛しい骨

          #2春は別れの季節なんて、言ってくれるな

          03-29 年度末×月末×金曜日という三拍子で迎えた3月の最終営業日。今の職場で初めて繁忙期のピークを迎え、そして超えた。物理的な忙しさよりも、終わらせなければならないことへのストレスで宙を駆けている感覚。夢の中で、猛ダッシュしてるつもりが、足が回らないあの感じで業務量は大したことないはずがどっと疲れた。 03-31 お花見をしに行ったけど、桜はまだ2分咲き程度で代わりに驚くほどの人混み。日差しが気持ちよく、ようやく春が来たなと思うと泣けるくらいには情緒不安定(絶賛PMS)

          #2春は別れの季節なんて、言ってくれるな

          #1揚げ物と芍薬、藁とバームクーヘン

          03-12 九州から母の真心が届いた。ミートソース、きんぴら、煮物、餃子とどっさり。ほぼ同じ時、愛犬の体調が悪いと連絡が入る。母からは苦しそうな愛犬の様子が。父からはダメージを受けている母の様子が届いた。悲しい。1日が変わらず過ぎていき、自分が思いの外平気なことが何より悲しい。「ともに暮らす」という物理的交わりが気持ちへ与える大きすぎる影響を感じる。 玄関に置きっぱだった水のダンボールを引きずりながらようやくキッチンへと移動させた。 03-25 親友と半年ぶりに会った。10

          #1揚げ物と芍薬、藁とバームクーヘン

          ブルーな日々でも深く、息をしたい

          落ち込んだ時、どう乗り切ってる? そんなシンプルな質問されたの初めてと思いながら、 そういやどうしてるかなと振り返ってみた。 ・ひたすらに自分の機嫌がよくなることを試す ・何が辛いか書き出す 私はこの2つを答えた。前者は最近の自分との付き合いの中で覚えつつある。 どれくらいの女性がそうしているかはわからないけど、 実家を出てから生理前の不調がきつくなった私は、毎月時期が来ると一生懸命に自分の機嫌をとっている。 意識的に、対処法と銘打ってる訳ではないが、 これはダメ。これ

          ブルーな日々でも深く、息をしたい

          ホームにステイすること

          今年は2度、フィリピンに行った。 学生の頃と合わせると、フィリピンでのホームステイ経験は計4回となる。 あの村を思い出すと、生きていけるなあ、と思える愛おしい場面がいくつもある。 初めて行ったのは18の時で、もう6年前。わー。 たくさんある中でも、私が今でも鮮明に思い出せる、 (それが最近の記憶であれば)ずっと忘れないだろうと思える場面はほとんど 家の中からだと気づいた。 18の時ホームステイしたおうちの自室は2階にあった。窓は両開きになっていて、遠くに山や空が広がって

          ホームにステイすること

          がんばっちゃうもんね

          あの人の話を久しぶりに聞いた。 あの人は私が元気だと聞いて 「幸せそうなら良かった」と言ったらしい。 その顔と声色がなんとも良かったと居合わせた友達は言った。 「幸せそうなら良かった」という言葉選びがとてつもなくあの人らしく、懐かしくなった。 私がどこかで幸せにやっていることを喜んでくれる人が、この世界にひとりいるってだけ。 それだけで私は生きていけるなーと思う。 だから言いたい。 私も、大切に想ってるよ。 今も変わらずでっかいカラダに熱い野心を抱えて、繊細な創造を

          がんばっちゃうもんね

          ことば2

          もしよければ上の文章から読んでもらえると嬉しいです。 2020年5月に書いたもの。 最近、この頃から自分が変わったなと思う機会があったので、続編を書くことにする。 今、仕事とは別に学生の頃に関わっていた活動にOGとして参加している。トータルで半年ほど活動することになるのだが、私のテーマは「てきとーな自己主張」。思ったことをそのまま口にしてみよう、ということだ。 というのも、先の文章を書いた2020年は、ちょうど学生時代。その活動に参加していた頃だった。気持ちやアイデアを

          ことば2

          体温計を新調したら

          去年の誕生日、コロナに罹り熱にうなされながら過ごしたことを思い出す。 今週は一年ぶりに体調を崩し、高熱にダウンした。 「これはそろそろ体調崩すな」なんて思いながら家を出て、お昼頃には「ああこれは発熱してるかも」なんて思ってた。 不思議と体調を崩してるとわかった途端に、何かを頑張りたくなるような、頑張れるような気がしてくる。熱があることを隠して平静を装ってる自分に酔ってみたり。共感者を募りたい。 お昼の予定が終わって、夜は彼と会う約束があった。熱が上がってると感じていたから

          体温計を新調したら

          『パリ13区』、試写会にて

          わたしも、あなたも、途方もなく孤独だということ。 このまえ『パリ13区』という映画の試写会に参加した。 開演前、ブーッと音が鳴る、予告もなく始まるそれに胸が高鳴る久々の体験。 会場に座っている全員が仕事や勉強や家事を終えて、1人きりこの映画を見に来た。そして映画が終わればまたそれぞれの日常に戻る。考えてみると、意外にも珍しい時間だ。 映画は、かなり乱雑な内容だった。 起承転結は特になく、セックスの描写がふんだんに盛り込まれている。甘い言葉や息を呑むような映像美とも遠い

          『パリ13区』、試写会にて

          2020

          暦のうえでは、って言って区切るんだからずるいな。太陽は毎日のぼるし、夢だって見るときは見るのに、初日の出初夢だと特別感を仰ぐ。ひねくれ者が暴走してここ数年その年を振り返ることもしてなかった。けど、年々時間のスピードがぐんぐん加速していて、記録しておかないとと焦燥感に駆られてる今。2020年を思い起こしてみることにしました。 留年と自己分析、自己否定と受容めぐりめぐる。~徒歩圏内で。~ まとめるとこんな感じ(笑)。なんか世界狭いな。コロナで家にこもりっきり、や、そうじゃなく