24F二十 グッド・バイは突然に

日記の更新が滞っている。
書く事が無いわけでは無いのだけれど、思考が似た所を反復しているだけの様な気がして投稿にまで至らない。
最近本を多く読む様になって自分の文才にある程度の限界を感じるようになったのもあるかもしれない。
プロと比べるなんて烏滸がましいにも程があるけれども。




太宰治の「グッド・バイ」を読んだ衝撃がここ数日抜けない。
こういうの好きだー。って楽しんで読んでいたのに唐突に「未完」と終わってしまう。
話の展開的にここからが面白いという所だった。

太宰はグッド・バイの執筆中に自殺している。
もう先の展開を知る事は出来ない。それがとても悲しい。

太宰の作品にしてはコメディチックで、明るい印象を受ける作品。



『編集長でありながら裏では闇商売を生業とする主人公田島は、気持ちの変化から闇商売から足を洗って、田舎から妻子を呼び寄せたいと考える様になっていた。
悩みの種は闇商売だけではなく、多くの愛人との関係にもあった。

田島は同僚に相談すると「とびきりの美人を妻と偽り、その人を連れて愛人の元へ行けば女達は引き下がるのでは?」とアドバイスを受ける。

田島は乗り気になり早速行動に移す。
町ですれ違った、とにかくすごい美人だが性格の悪い女、永井キヌ子に計画を伝え協力を仰ぐが……』



というのが簡単なあらすじ。(ぜひ読んで欲しい)

これが自殺の直前に書かれていた作品だというのだから、その心情は計り知れない。
タイトルのグッド・バイにも何かを感じずにはいられない。
物語自体はコミカルで楽しいのに、作品の背景から来る物悲しさが常に漂っている。


驚いたのは主人公の男が泣いているのを誤魔化す際に「雨で眼鏡が曇った」と言い訳するシーンが序盤にあったこと。
これ鋼の錬金術師のロイ・マスタングじゃん!ってなった。
こういう言い回しってこんな時代からあったのかと感動した。


どういうオチを考えていたのだろう。
調べてみたが女性全員と別れたあと、妻に別れを告げられる。というエンドだという考察があるみたい。
納得のオチではあるけれど当然真偽も不明なので、もやもやは消えないな。


伊坂幸太郎がグッド・バイをオマージュした「バイバイブラックバード」という作品があるらしい。
早速買ったので、明日から読んでみようと思う。
まだ「アルジャーノンに花束を」を読んでいる途中だけれど。




そういえば横浜の中華街に行った。
食べ歩きでは無く、食べログで割と評価の良い店で食事をすることにしたのだけれど、そこで食べた蟹炒飯が美味しすぎた。(写真はない)

米がしっかりとパラパラで空気を食べてるみたいだった。(この食レポは合っているのか?)

他にも春巻きはパリパリ食感で美味しかったし、麻婆豆腐は辛すぎず、それでいてしっかり味わい深かった。


僕はそれぞれを単品で注文していて、友達はランチコースを注文していた。
店を出た後で友達に

「炒飯パラパラでめちゃくちゃ美味しかったね」と話を振った所、

「え?炒飯の米びちゃびちゃだったし、春巻きも冷めてたけどなぁ」

と返ってきた。


そんな事ある?と思ったけれど、横浜中華街の様な観光客が多く訪れる場所にある店にとっては回転率はとても大事な事だろう。

安価で注文されやすいランチコースのメニューは早く出す為に、作り置きしてあるものなのかもしれない。

単品で頼むのが正解だったというわけだ。色々食べたい優柔不断が功を奏した。




今回の件から僕が得るべき教訓は

「観光客が多い所でランチコースは頼むな」

だな。(貝木泥舟)

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