見出し画像

中華屋の店員さんの明るさと飯の美味しさに救われた話

心に効くものは美味しくて暖かな料理と他人の明るさではないか、と思った。


今、精神がおかしくなってしまったため休職をしている。頼れる友人が近くにはおらず、一人ただ塞ぎ込んでいた。
自身の無力さ、出生ガチャの敗北、薄っぺらいプライド・・・延々と欠点と向きあい、もう生きていたくなくなっている。

でもまだ生きているので腹が減るし、もうちょっとで生きるのを辞めるなら美味しいご飯を食べてやる!と、近所の中華屋さんへ行った。
そこは以前行ったことがあり、美味さは知っていた。

この時世にも関わらず、店は大繁盛。テーブル席は埋まっておりカウンター席へ通された。忙しく注文や出前を受け、言葉を交わしながら料理を作る厨房。
めちゃくちゃ賑やかだった。店員さんが。
お水と手拭きを持ってきてくれたおばちゃまは、席への案内がほんの少し待っただけなのに、
「待たせてごめんなさいね〜寒い中きてくれてありがとう」と声を掛けてくれた。本当にそれだけで満足。なんか癒された。
その後注文をしたが、大繁盛なお店なので少し待つことに。といっても通常のお店と同じくらいの待ち時間だろう、そんなに待たない間に頼んでいたチャーハンが届いた。笑顔のお兄さん。「たくさんお待たせしてすみません!!」みんな腰が低い。
出てきた炒飯は自慢の味と書かれていたこともあり、とてもおいしかった。頼んだ酢豚も程なくして届く。めちゃくちゃ美味しい。

美味しくて暖かい食事は精神を救うな、と改めて実感した。
塞ぎ込んでいた時は食欲も湧かず、食べないことが多かったがそれがダメだったようだ。
美味しくて暖かい食事は本当に精神を救う。
もっと早くに来ていればよかった・・・と思いながら美味しい料理をノロノロと食べ、厨房の中華鍋捌きを見たり、忙しく働く店員さんの手ぎわの良さを眺めながら、懸命に労働している彼らのエネルギーまで頂き、それでまた精神が健やかになった気がした。
すごい・・・すごい・・・
美味しく頂き、席を立つと皆が皆「ありがとうございます!」「おいしかったかい?」「待たせちゃって悪いねえ」などなど口々に礼を言われる。
こっちは美味しい料理を頂いて、パワーまで頂いたのに。これがホスピタリティか。
料金を払いながら、「美味しかったです」と伝えると、お兄さんがまた満面の笑みで「ありがとうございます!!」と言ってくれたし、おばちゃまが扉を開けてくれ「寒いなあ。気ぃつけて!またきてな〜」と笑顔でお見送りしてくれた。

栄養摂取にきたら、心の栄養まで頂けた話。

この店のように客を大事にして思いやってくれるような、少しの気遣いができる店が今後生き残っていくのかなとひしひしと感じ流。

寒空の中、心と胃袋が温かく、いつもより軽い身体で帰路についた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?