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【ネタバレ感想】ブルーリフレクションTIE/帝・備忘録【後編】


こんにちは。
前回に引き続きブルーリフレクションTIE/帝(以下ブルリフT)のネタバレ全開の感想を書きます。
前編でChapter7まで書いたので、この後編ではChapter8からラストまで。
コエテク様のガイドラインに則ってここからはスクショほぼ無しになると思います。

▼ネタバレ無しの感想はこちら

▼ネタバレ有り感想の前編はこちら

とはいえネタバレはネタバレなので怒られたら消します。
それではお付き合いください。

Chapter8

ガイドラインで配信が禁止されていることからわかるように、ここから物語は佳境に入ります。
これまでなぜかココロトープが出なかった勇希にとうとうスポットが当たる話。

明かされた事実は勇希がすでに灰病によって死んでいたというもの。
今の勇希は世界を完全にリセットしようと雫世界を狙う世界システムの一部として復活した存在で、彼女がいる限り消滅機構は何度でも襲ってくる……。
不意にそんな記憶を取り戻してしまい、もう仲間に殺してもらうしかないと思い詰めて嘘をつく。

「なんであたしが死ななくちゃいけないんだよ」
「なんであたしばっかりこんな辛い思いしなくちゃいけないんだよ!!」

もう胸が詰まって仕方が無かった。
生前はそれを吐き出せない中ずっと生きてきたんだって思うと……。
病気はほんとに良くない。健康のありがたみ実感していこうな。

プレイ前は、実は勇希は記憶を失ったふりをしてる黒幕なんじゃないかと思ってたんですが事態はもっと残酷でした。
こんなことを突然思い出してどうしろっていうの……。
学校魔改造計画を提案したのは勇希だったけど、確かに自分の記憶を取り戻したいとは全然口にしてなかったんですよね、勇希。
たぶん何度も取り戻すタイミングはあった。けど無意識化でずっと抑圧してたんでしょう。
必死で抑え込んで抑え込んで……だけどここに来て改めて自分の記憶に言及されたことで溢れ出してしまった。

勇希のココロトープもいいですよね。
くすんだ病院の廊下、流れ出す『諦念的カスケット』、そして『第一層 白き牢獄』……。
完璧か?
一層から二層への入り口が海辺へ開け放たれた病院の窓なのも良かったですよね。
曲名にも現れているように何もかも諦めて生きてきた勇希が、最終的には愛央たちとの交流で大切なものを何もかも諦めないと宣言する流れは非常に美しかった。

ココロトープに落ちてる素材ってわりと本人に関係したものが多いんですけどここはかなり露骨でしたね。
『悪夢の実』『汚れたシーツ』『止まった懐中時計』に、あとは『五寸釘』。嫌すぎる……。

伶那のココロトープのロケーションに浜辺1があって、こっちのココロトープには浜辺2・3があるんですよね。
2人の記憶がそれほど強く繋がってるということでしょう。
最深層でモンスターを倒して星型オブジェの輝きを取り戻す展開がありましたけど、星の間を流れる光のラインがハート型になってません?偶然かな。

ココロトープはその人の思い出や感情を元に作られてるんだよ~からの勇希のココロトープの最深層がこの雫世界に来てから見た伶那の『決意の展望台』を見て作られた……って流れ、死ぬほどエモ。
好きって……言えよ……!(言ったよ)

このあたりの伶那さんあまりにスパダリ。
「――私の好きを、舐めるな……!」はさすがに痺れた。お前がナンバーワンや。
勇希ってこっちからガンガン行かないとすーぐ身を引きそうだから、行動力があってここぞって時にストレートに押していける伶那とは相性いいでしょうね。

それはそれとして仲間内でカップルが成立するって展開とデートシステムが大事故起こしてて笑いました。
ち、違う……寝取りたいわけじゃないのに……。
それでもデートは進めるんですけど、さすがに二人で過ごしてる時に連れ出す勇気は無かった……。

Chapter9

ユズの記憶が戻り、ライムも復活。
本当の意味で日菜子と再会を果たすことができました。
良かったね……。
世界を再構築しても二人はコモンの番人のままらしいので、何かあればまた会えるかもとは思うものの、何もないのが一番だとも思ってしまう。心がふたつある~。
あとリフナビが怪しいみたいな匂わせめっちゃしてたのに結局ライムの一部だったのめっちゃずっこけ。

二人のココロトープがコモンそのままなの、すごく納得ではあったんですけどココロトープの設定考えると本当に人間じゃないんだな……って悲しくなってしまった。
記憶と感情がなくなっただけでユズがああいうキャラになってしまうのは、もうユズの本質はコモンの番人になってしまっていてそこにユズの人間としての記憶が乗ってるから生前の人格を保ててるだけなんでしょうか。
そうなると「フリスペだよ☆」とかやってたライムは……。はい。

ユズとライム、死んだと思ったらコモンの端末にされて人類の魂の管理者みたいなことやらされて……って辛すぎる。
そのあたり勇希と通じるものがありますね。
前作だと一年前に死んだって言ってましたけど、帝はあれから何年後くらいの話なんでしょうね。美弦とか高校卒業しててもおかしくなさそう。
”オリジン”ルートで聞ける二人の本音が『寂しい』だったし、もうね……抱け日菜子!二人を!と思ったけど抱いて解決するなら苦労はしないんですよね。世界はカス。

ここで外の世界はもう滅んでいることが判明。
それはつまり家族も友人も大切な仲間も全員死んでいるということで……。
前作で日菜子が絆を繋いだ仲間たちも、澪で陽桜莉が仲良くなった人や敵対していた人たちも全員死んでしまった。
無慈悲すぎるでしょ……。紫乃も死んだってことですよね?人の心とかないんか?

世界が滅んでいることが判明したので、外へ出る方法を考える意味は無くなってしまった。
世界を元に戻す方法を何とか探すことになります。 

そう言えば管理区域にあるココロトープのミニチュアみたいなの、普通にオリジン(というか愛央のココロトープ?)ありません?
この時点であれがあるのは普通に矛盾っぽいんですけどどうなんでしょうか。

Chapter10

サブタイが『リフレイン』でやっぱりリトルバスターズじゃねーか!ってなった。

いや~、愛央のココロトープ良すぎ。
ほんとに良すぎ。
オリジン出現と同時に流れ始める『不連続イグジスタンス』良すぎ。

コラージュみたいだった今までのココロトープとは根本的に違い、『ありふれた街』は愛央の暮らした住宅街そのもの。
それだけ空虚とも言える平凡な人生を送ってきた証左みたいにも思えますね。
”HeRo”ってグラフィティがあちこちにあるのも示唆的ですよね。
主人公は英語でheroと訳されることもあるらしいです。

プロローグで愛央が普通の通学路歩いてるシーンあったじゃないですか。
おや?って思ったんですよ。だってゲームの舞台が雫世界の学校ならこの通学路ってもう来ないじゃないですか。なのにこんなマップをこのためだけにわざわざ作るなんておかしくないかって。
だからここは後でまた出てくる。もしかしたら重要な場所なんじゃないかとぼんやり予想してたら当たりましたね。メタ読みですが……。
でも最後まで謎の多い主人公なので彼女のココロトープが最後の方に来るだろうっていうのはみんなどこかで予想はするんじゃないでしょうか。

ここで思い出される記憶が空虚な日常と雫世界のことだけってほんとに何もない人生だったんだなって……。
特別に憧れたのも雫世界で特別な少女たちと交流してた経験がどこかに残っていたから、みたいなことも考えられそうです。
「うまれかわれ」は世界を生まれ変わらせるって意味だと解釈してましたけど、愛央自身もこれから生まれ変わるんですよね。そしてまた……。

ちなみに愛央の正体の考察については一周目クリアしてすぐふせったーに書きました。

今読み返すとちょいちょいおかしなこと言ってるなあという感じ。
これに関しては次の項で話します。

Final Chapter

とうとう最終章。
世界を再構築するためオリジンへ送った想いが滞留してしまったので、”オリジン”ルート内部へ突入して最後の一押しをします。
この時点の愛央には再構築後の世界では自分がどうなるかはわかりません。それでもみんなの日常を守るため前へ進むことを決心します。
本当に美しいよ……。

オリジン中枢、なんだかヒマワリと太陽を合わせたみたいな形状でしたね。
これには何か意味があるのか……。
ちょっと思ったんですけど、ブルリフ燦の燦って漢字、だいたい太陽燦々って使われ方しません?英語表記もSUNですし。
もしかしたら関連あるかもなーってちょっと思ったり。

あとここの愛央がオリジンに触れるイベント、二周目だと展開変わってましたね!
EDだけ変わるみたいなこと聞いてたのでびっくりしました。
ここでずらっと並ぶたくさんの愛央は、それだけ周回を重ねてきたということ。それだけ繰り返し続けたということ。
つまり星崎愛央は何度繰り返しても変わらずみんなのために戦い抜いたということを意味します。

星崎愛央という人物は再構築後の世界で同じように生まれ、同じように育ち、そしてまた同じようにスマホを拾ってこの雫世界に来る。
それを繰り返すだけの存在。
愛央は自分の世界でみんなと出会ったことは無い。それが繰り返されるということは、雫世界で出会ったみんなと次の世界で再会することも無い……
そして愛央が愛央である限り、この場所でオリジンに触れる。

ここからは想像が多分に含まれますが……。
この瞬間、愛央はおそらくオリジンと同化しています。
どこか出発点なのかは関係なく、愛央が愛央であるという事実が同時にオリジンに触れるという事象を確立させ、逆説的に愛央≒オリジンであり続ける。

そして黒い愛央≒オリジンはここで諦めろと迫る。
そうでなければこの永遠の繰り返しから抜け出すことはできないと。
世界システムとしては世界を初期化させたいわけだから、愛央が諦めて終わらせるイコール再構築も起こらない。つまりいずれ雫世界へ侵攻して全て無に帰すことができる。

しかし我らが星崎愛央さんはとっくに覚悟完了しています。

「私は、みんなの想いを未来に繋ぐ!たとえ私がどうなろうとも!」

彼女はこの台詞を何度言ったのでしょうか。
何度繰り返しても星崎愛央は星崎愛央なので、ここで止まることはあり得ない。
それはオリジンもわかっているはずですよね。
だから「あなたの想い、証明してみせて!」と受け止めます。

ちなみに二周目だとここで「人の想いは世界のルールにすら例外をもたらす」と黒愛央のひとりが言及します。
これについてはEDに関係していますね。つまり、クリアデータ引き継ぎの際に得た『再会を願う想い』のことだと思われます。

そしてここからラスボス戦。

「私たちなら――できないことなんて、何もない!」

この台詞はこれまでみんなを鼓舞するときに何度か言ってましたね。
今作にはおそらくこれを英訳したと思われる「There's nothing we can't do,right?」という曲があります。

あとこのラスボス戦、前作の原種戦オマージュでしたよね!?

大きく変化するBGM『GENESIS』に形態変化、そして非戦闘員のサポートスキル……。
普通にめちゃくちゃテンション上がったしとどめが特殊インファイトバトルなのもゲームとして完璧。
あと第二形態だったかな?強攻撃の技名が”赤澪””赤帝””赤燦”でしたね。最終作か?

そして”せかい”を倒して元の学校に戻って来た愛央は最後の一日を過ごすことに。
ちなみに私が一周目で選んだのは駒川詩さんです。仕方ないね。

雫世界が崩れる最後の瞬間、愛央が笑顔で「いってらっしゃい」って言うのがほんとにね……。
お前も行くんだよ!オラッ再会を願う想い!!

一周目では最後の一日で選んだ子が愛央とすれ違うも振り返っても誰もおらず、そのまま歩いていくというラストの後黒愛央が『うまれかわれ』と打ちこんだスマホを落として二周目に続く……というエンド。
二周目では歩いていこうとした少女が何かに気づいて振り返るとそこには照れ臭そうに笑う愛央がいて、再会を果たすというエンドに変わります。
「へへ……」みたいな顔してるのが最高に愛央。何だお前その顔は……。
振り返ればすごく好きな主人公になっちゃったなあ。
ブルリフの続編が燦以外にも出て愛央が前作主人公として出演したら泣いてしまうかも。

”オリジン”ルート中心で流れてる『ワールドエンド』、めっちゃいいですよね……。
途中にニュースキャスターのナレーションみたいなのが使われてて、切り張りされてるのか何を言ってるのかは判別できないけど『日常には』ってワードだけ聞き取れます。
この作品に置いて日常というのがどんな意味を持つのかは考えるまでも無いのでここは意図的に残して際立たせてるんだと思います。
そして『日常には』を遮るようにメインテーマのフレーズが入り、(ここ裏にチョークで黒板に書き込む音が入ってる)ドラマチックなメインテーマのアレンジパートに入っていく……。
この作品でチョークというと、やっぱり教室の黒板を彩る落書きが思い出されますね。
あれは愛央が雫世界に来る前にこころたち初期メンバーが書いたもの。これもやっぱり日常の象徴に思えるし、そのチョークの音と一緒にあのメインテーマフレーズが流れて力強いピアノパートに移行するのはすごく熱い気がします。
チョークで黒板に落書きしたのがリフレクターたちの神への反逆の開始だとするとめちゃくちゃエモくないですか。
とか言って、さすがにそこまでの意図は含んでないと思いますけどね。
作曲者コメントやっぱり欲しいなあ……。

ちなみにこの曲、サントラでは2ループで8分越えになっています。すごいボリューム。
ラスボス戦は5分なんですがたぶん1ループ。2ループにしたら10分越えるからしかたないね。

それとまたBGMの話になりますが、二周目クリアしたあとにプロローグで流れてた『ありふれた輝かしい青』聞いたら普通に泣いちゃいました。
曲名は彼女たちの日常を指す言葉であり、同時に星崎愛央その人を指すものでもあるんじゃないかなと思います。
あの夏休みを駆け抜けたありふれた平凡な少女である愛央は、間違いなく輝いていたと思います。

最後に

こんな雑文をここまで読んでくださった方(いるのか?)ありがとうございます。
ほんとはBGMのこととかもっと書きたかったんですけど、今回はストーリーメインと言うことで。
気が向いたらまた書きます。

いや~良いゲームでした!
前作もすごく刺さったんですけど、今作はまた別角度から刺さって抜けないです。この感想記事、前後編合わせて16000字くらいになってることからハマりようがわかります。デカめのレポートかな?
いまだに続報は無いですがブルリフ燦も楽しみです。

正直細々と言及していけばもっと書けるんですけど、シャレにならないくらい長くなってしまうのとこれ以上無秩序な内容にしたくないので……。
それではこのあたりで締めさせていただきます。
機会があればまた。

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