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【ネタバレ無し・クリア済み】ブルーリフレクション帝/TIEレビュー

ブルーリフレクションT(正式名称はBLUE REFLECTION帝/TIE)をクリアしたのでネタバレなしの紹介・感想を書き残しておきます。
筆者は前作プレイ済み、アニメ『ブルリフR』も視聴済みです。

公式から提供されている情報以外ネタバレなしで紹介するのでブルリフをよく知らない方、これから購入を考えている方、自分でプレイしたけど他の意見も見たいという方はぜひ。

ブルーリフレクションTとは?

ジャンルは現代を舞台にしたRPGです。
主人公である平凡な女子高生・星崎愛央が補修を受けに学校へ向かったはずが、いつの間にか水に囲まれた不思議な学校へとたどり着いていた。
そこには三人の記憶を失った少女がいて、唯一記憶を持った愛央は元の世界へ帰るための方法を探す……というのが本作のあらすじです。

一面の水に囲まれた無人の学校、真っ青な空に白い雲、聞こえてくるセミの鳴き声はまさに夏。この世界はずっと夏です。

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無人なので教室を自分たちの居住スペースにしたりとやりたい放題。なぜか電気もガスも水道も通ってるし、食料も一応調達できるから生活に困ることも無い。どこか不自然なほどに都合のいい世界です。……出られないことを除けば。
学校から続く線路の先には不思議な空間『ココロトープ』があって、学校を拠点にココロトープを探索するというのが基本サイクルとなります。
普通の女子高生である彼女らは『リフレクター』に変身し、ココロトープに生息するモンスターたちと戦います。魔法少女的な感じですね。

深まる世界の謎、続々とこの世界にやってくる少女たち……とても先が気になる展開の連続に夢中でプレイし続けてしまいました。

ココロトープとは?

簡単に言うと少女たちの記憶から構成された世界です。
それぞれのキャラクターの根幹に関わる重要な記憶から構築されていて、いろいろなオブジェクトがコラージュのように配置されています。
このゲームのキャラは主人公以外記憶を失っているので、ココロトープを探索することで記憶を取り戻す手伝いをすることになります。
このココロトープのデザインが本当に良くて、そこにあるのは現実の物体なのに広がっている光景があまりに非現実的なのがセンス極まってます。設定資料集が本当に欲しい。

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しかも各ココロトープのBGMも素晴らしい。ブルリフのBGMはアサノハヤト氏がおそらく全て作曲していて前作のBGMもいまだに聞き続けてるくらい好きなんですけど、今作はココロトープのBGMが特によかったです。
遠くから聞こえる喧騒や空港のアナウンス、エレベーターが到着する音など楽器以外の音が巧みに組み込まれていて、どんな頭してたらこんな曲が作れるのかと不思議になるくらいでした。
聞いてると脳から良くない感じの汁が分泌されてるのがわかるんですよね……。

先ほど説明した通り、ココロトープにはその主となる少女のマイナス感情から生み出されたという設定のモンスターがわらわらうろついていて、シンボルエンカウントで触れると戦闘が始まります。

ちょっと良くなかったなと思うのが、細い道を渡ったり狭い穴をくぐったりといったギミックが随所に設置されているんですが、これはいらなかったんじゃないかなと。

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初めて来たときはいいんですが、仲間からの依頼やサブイベントで再度ココロトープに来るといちいちそう言ったギミックポイントを通らなければいけないので探索のテンポが非常に悪くなるんですよね。
確かに冒険感は出るんですが、正直僕は好きではありません。同社のライザのアトリエにも全く同じシステムがあって(というかほとんどそっちから流用してる)、その時から煩わしい要素でした。
道を塞ぐブロックを動かして先に進めるようになるくらいのものなら全然いいんですけどね。

戦闘システム

今作の戦闘はリアルタイムバトルです。パーティは前衛3人+サポーター1人の合計4人で構成されます。
時間経過で溜まるエーテルという名のリソース(各キャラ個別)を消費することでスキルを発動し攻撃するというのが基本システムです。
非常にスピード感があり、選出も中々派手だと思いました。

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面白いのがスキルを使えば使うほどエーテルの溜まる速度が上昇していくという点です。一定速度を越えるたびに『ギア』が上がり、スキルが強化されたり戦闘開始時は使えなかったスキルが解放されていくようになっています。
さらに攻撃するとコンボ数が上がり、それに応じてスキルの威力に倍率がかかっていきます。
つまり攻撃すればするほど激しく攻勢を掛けられるということですね。
これがなかなか爽快感があって良かったです。

少女たちは基本的に普段着でもある制服姿で武器を振るって戦うのですが、ギアが3になると変身バンクが挿入され、『リフレクター』の姿に変身します。
序盤から中盤にかけては雑魚敵くらいなら変身する前に倒せてしまうのでボス戦専用の姿といった感じですが、終盤くらいになると開幕変身も可能くらいの塩梅でした。

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ボス戦BGMをバックに変身するのめちゃくちゃ熱くていいんですよね……。

ちなみに変身バンクは一度の探索で一回だけ再生するようにしたり戦闘ごとに一回再生や、そもそも再生しないという設定にもできます。親切ですね。
ちなみに探索ごと一回の設定にし、すでに一度変身バンクを見た状態でもボス戦では変身バンクが流れます。地味に嬉しい仕様。

難易度に関しては序盤は相手の攻撃が結構厳しいですが中盤からは苦戦することがまずなくなります。
オプションの難易度設定もクリアまでEASYかNORMALしかないので、高難度を望む人には物足りないかも。
ただクリアすればHARDが解放されるのと、あとは11月のアップデートでMUST DIEが追加されるらしいです。死ぬんか?

ゲームサイクル

基本的にはココロトープを探索→最奥のボスを倒して少女の記憶復活→復活した記憶を起点に新しい少女が学校に現れる→その子のココロトープが出るのでまた探索……といった流れになります。

ココロトープを出現させるにはその少女の記憶を刺激してやる必要があり、その助けになるのが『学校魔改造計画』や『工作』です。
魔改造とはなんぞやという感じですが、ココロトープで拾ったりモンスターを倒して手に入れた素材アイテムを使って施設を建造し、学校の敷地内に設置するというシステムです。
工作も同じくレシピに従って素材を合わせて新たなアイテムを作り出すというものです。同じ会社が作っているアトリエシリーズにおける調合みたいなものです。……というかほぼそのものかな。アイテムの画像もいくつか流用してますし。

作れる施設は多岐にわたり、例えば縁日の屋台や自販機、井戸や巨大コンテナなど様々。
それぞれキャラのステータスを上げたり素材アイテムを精製してくれるなどの効果があるので、極力作っておくとゲームが楽になります。

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これがどう記憶に関係しているのかというと、天体望遠鏡を作ると天体観測に強い思い出を持つ少女の記憶が刺激されてココロトープが出る……という展開になります。
実家が喫茶店の子ならコーヒー、みたいな感じです。これはストーリー上で次の目標として指示されるので推理する必要は特にありません。

序盤はまともに回復できるキャラがいないので、工作で回復アイテムを作っておくとある程度楽になります。
足りない素材のありかも工作メニューから直接図鑑にアクセスして確認できますし、これはやっぱりアトリエシリーズの経験が活きている要素だったと思います。

デート

このゲーム、なんとデートができます。

ストーリーが進展するごとに発生し、LINEみたいなアプリで向こうからお誘いが来ます。
内容は彼女らの要求する目的地へと一緒に歩いていく……というだけなんですが、寄り道すると道中でちょっとしたイベントが発生したり。
ちなみにデート中はゆっくり歩くことしかできませんが、目的地にファストトラベルできるのでご安心を。
ちなみに令和のゲームらしく普段も学校内ではファストトラベルができます。ロード時間もほぼ皆無なので快適!

目的地は体育館や図書室、先ほど開設した魔改造計画で作った施設などが多かったです。
まあ水に囲まれた学校なのでコンビニに寄り道とかもできないですからね。ココロトープはモンスターもいますし危険。

さらに仲良くなっていくと、なんと手を繋いでデートすることができるんですよ!!すごい!!
手をつないだまま校内を歩くので普通に他の子に見られます。大丈夫なのか?

デートで発生するイベントなんですが、健全に二人でバスケしたりとか、外に設置したラ○ホみたいなベッドに二人で寝たりできます。ほんとに大丈夫?
このデートイベントはキャラの描写や関係の積み重ねに繋がってたり、ちょっとした会話がキャラの根幹に関わってたりと重要な要素になっています。

ただちょっと気になったことがひとつあってですね。
デートの回数がほんっっっっ……とに多い。
メインストーリーが進行するたびにすごい勢いで誘われる。
デート終わったと思ったら同じ子からまた誘われて……がループする事もザラにあります。
仕方ないことなんですが、終盤に加入する子なんかは七回くらい連続で誘ってきてさすがに変な笑いが出ました。
でも女の子と女の子がデートしまくる環境はマジで最高なのでOKです。

少女たち

今作ブルリフTには前作の『ブルーリフレクション 幻に舞う少女の剣』と、テレビアニメ『ブルーリフレクション澪』と、製作が発表された『ブルーリフレクション燦』のそれぞれからキャラが登場しています。
まだ世に出てない燦はともかくとして、前作やアニメを見ていないとダメなのか?というとそんなことはありませんでした。
でも知っているとキャラの解像度は上がると思います。

今作に登場するキャラクターは戦闘員が6人と非戦闘員が3人+αです。
彼女らと協力し、絆を深めて世界の謎を解き明かしていくのが今作ブルリフT。
みんな魅力的で、だいたい重い境遇で……主人公はそのすべてと対面していきます。
現代が舞台の話ということもありそれぞれが抱える傷や悩みはとても身近で、しかし切実です。

いや本当に深刻なのもあって……これどうしたらいいの?みたいなのとか……。
僕はそういうの大好物なので最高でした。ありがとうブルーリフレクション。ありがとうガストちゃん。

良い点

世界観!BGM!ストーリー!キャラ!システム!
がめっちゃ良かったです。全部じゃないか?
サントラだけでも聞いてほしい……と思ったんですけど今作に限ってはプレイ体験がすごく大事だと思うのでぜひ実際にプレイしてほしい。
僕と一緒に頭おかしくなりましょう。何度でも言いますがBGMは誇張抜きに最強です。

良くなかった点

ここまでちょこちょこ挙げはしたんですが、あと二つほど。

まずひとつは、3Dモデルの扱いが若干拙い気がする。
ブルリフに限らずアトリエシリーズとかもそうなんですが、イベント時のキャラのモーションがちょっとぎこちないときがあります。
年々モデルのクオリティが上がってるだけにすごくもったいない。
モーション自体はイベントごとに付けてるのではなく、たくさんある汎用モーションを当てはめてる形になってるんですがやっぱり個人的に気になる。
戦闘時のアクションとかはスピード感やエフェクトでごまかしがきくんですがイベントはさすがに難しいですね。
カメラワークとか演出はとても良かったです。これは本当に心からそう思います。

あとは髪の長い子は画面切り替えのたびに髪がバサッ!って不自然になびいたりします。
これだけはちょっとどうにかしてほしいかなと思います。切実に。ガストちゃん見てる?

もうひとつはステルスミッションの存在。
このゲームは前述の通りシンボルエンカウントなんですけど、サブイベントとかで敵に見つからないよう目的地を目指すミッションが始まる時があるんですね。
これがなんか妙に難しくて……。

巨大モンスターの視野がすごく広いのはいいんですけど、動きがおそらくランダムなせいで「あっち向いた!この隙に行くぞ!」ってこちらが動いた瞬間にすぐ振り向いたりするので見つかりまくる。
あとハシゴ上り下りしてる時とか細い橋を渡ってる時みたいな自由に動けない時も普通に見つかるので運ゲー感がすごかったです。ちなみに普段そういうハシゴ登ったりしてる時は敵に触れてもエンカウントしないようになっています。

でもこれに関しては僕が下手なだけか仕様を理解できてない可能性があるので他の人の意見も聞いてみたいですね……。
そもそもいる?ステルス。非戦闘員をココロトープに連れてく展開のためには必要なのかな。

まとめ

とにかくビジュアルの良さとBGMとストーリーが組み合わさって最高のゲーム体験でした。
クリアした直後にふせったー使うのなんてこれが初めてだったから相当だったんでしょうね。
余談ですがクリア時間は40時間弱でした。レベル上げはしてませんがデート等のサブイベントや依頼はほぼ消化したと思います。

体験版も配信されてるので興味があればどうぞ。興味が無くてもやって。やるんだよ!

ゲームレビューを始めて書くので拙い点も多かったとは思いますが、ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
けっこうな長文になってしまった……。

あとでネタバレ前回の感想を書くので興味があればそちらもよろしくお願いします。
こっちよりはだいぶラフな感じになると思います。

それでは!

※12/17追記
書きました!


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