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狂おしいほどに、君たちを想い出す曲がある


ミュージカルGIRLFRIEND


「東宝でシアタークリエで二人芝居でミュージカル」?!と、情報解禁されて
嬉しさと期待と少しの不安でしばらくの間仕事に身が入らなかったことが今では懐かしい。

千秋楽が終わって1ヶ月が経ってしまった今でも、ミュージカルGIRLFRIENDのことで頭がいっぱい。

文章を書くのが得意ではないので今まで手を出してこなかったが、そろそろ自分自身の時計の針を進めようとこの場を使って気持ちをまとめておこうと思う。

メインはいちばん思い入れの深い高橋萩谷ペア。
そして高橋木原ペア、島吉高ペアについて。


まずはメインキャスト全員が初めての東宝作品ということに驚いた。しかもトリプルキャスト。
事前に読んだインタビューで「ウィルはこう、マイクはこう、と決め込んでいなかった。」「個性が活きてくるように ギリギリまで自由に」とあったのが印象的でとてもワクワクした。
実際に3人それぞれ全く違う、それぞれの魅力が爆発していて、シャッフル公演もあり化学反応も起こりとても楽しい結果になった。
互いのリスペクトも感じたし、稽古中もウィルマイク間のやり取り以外に、ウィル同士、マイク同士もたくさん話して互いを高め合っていたのかなあと思った。

最高の作品になりますようにと心から願い初日を迎えて、千秋楽まであっという間だった。
そして今、こうして「狂おしいほどに、君を想い出す曲がある」というキャッチフレーズ通りの状況になっている。
正式には「毎日毎日狂おしいほどに、君たちを想い出す曲とゲネとPVを見続けております助けてください」である。
助けてください。


▪︎I′ve been waiting
「マイケル、彼からは刈りたての芝生の香りがしてこない?!」高橋ウィルのキラッキラの笑顔と萩谷マイクの歌い出しから、この作品が大好きになることを肌で感じた。初日のトキメキが今も忘れられない。
ウィルがニコニコとカセットテープを見せてくれるところが可愛すぎる。リズムに乗って左右に揺れるの可愛すぎる。可愛い、本当に可愛い!
カバンごとゴミ箱に捨ててしまいたくなるような高校生活を送っていたであろうウィル。
キラキラニコニコ、楽しそうに歌う姿と「ネブラスカにそんな奴はいない」「どういうことか分かるかな?」と眉尻を下げて自分自身を諦めたように呟く姿のギャップも素晴らしかった!この1曲だけでウィルの人物面が伝わり、ウィルに感情移入をしてしまう1曲になった。


▪︎Reaching out
ミラーボールの演出がとても綺麗で、「星、掴めそう」から劇場が一気に満点の星空になった。
1度目のドライブインシアター、お互いの距離感が絶妙すぎて…!めちゃくちゃ意識し合ってる…!とドキドキしたし、萩谷マイクの「ウィルは最高」の表情が良い。見てるこちらもにやにやしてしまう。
「君が消えれば夢も終わる 夢のない世界で僕は死ぬだけ 死んでる」の歌詞も振り付けも印象的で好き。
お互いのことを想いながら力強くそして切なく歌うふたりに胸がぎゅっとなった。


▪︎Winona
「僕だけの映画スターになってほしいよ」にどれだけの我々(覗き見モブたち)がドキドキさせられたか……………!
カメラ越しの萩谷マイクの表情がとにかくアッッッツい…………!ウィルにしか見せていないウィルだけのためのマイクの表情が本当に最高で。
ウィルもめちゃくちゃ良い表情をしてカメラを覗いてるの。
「まだ君を知らないけど このまま1人は嫌だ」をマイクが歌うのがたまらなく良い。ウィルとマイクの関係性が好きだ。熱い視線を送るマイク、うっとりと歌に耳を傾けるウィル。
ずっとずっとこの時間が続けばいいのに。


▪︎Looking at the sun
毎日ゲネ動画を観ていても、髪型も相まって可愛くて謎に上手い鳥の物真似をする高橋ウィルや、キレッキレのダンスと普通に上手くて笑っちゃうソウルを入れてみたマイクがもう二度と観れないという現実がつらい。
楽しそうに歌って踊るふたり。まさに初夏の太陽のように眩しくて青い、がこの曲の印象。
「ずっと太陽見つめて」の振り付けが可愛くてめちゃくちゃ好き。片手をパッて払ってピョンってふたり揃って跳ねるの(伝われ)めちゃくちゃ可愛い。「心奪われ目を離せなかった〜もう見えない」もキレキレのマイクとちょっとぎこちないウィルの踊り方の対比がとんでもなく好きだった。
その後にこちらの情緒をぐちゃぐちゃにしてくる「そんな風に僕を見ないで」。


▪︎GIRLFRIEND
マイクが等身大で感情のままにウィルに電話を掛けたのが良い。
「僕にも予定があるかもしれないでしょ」とウィルの小悪魔ムーブが可愛い。ちょっと我に帰って慌てるマイクが可愛い。若い。全てを包み込むウィルの「OK、Baby」でどれほどマイクが救われただろうか。直前の別れがああだったのにウィルが健気で愛おしすぎる。
全身の力を使って歌うというよりもエネルギーの発散!しがらみを全て吹っ飛ばすような気持ちの良さがたまらない1曲。
ドラムソロ!の萩谷マイク、全マイクの中でいちばんキレキレだなという印象だったが千秋楽はさらにキレッキレだった。あの状況からキレを増すって身体の使い方どうなってるの?!とびっくりしたし見ていてとても楽しかった!
感情もエネルギーも大爆発していた千秋楽。お互いの額をくっつけて叫ぶ姿がふたりらしいなと、この時点で泣けてしまった。


▪︎We′re the same
大大大好きな曲。ふたりのことが愛おしくて自然と涙が出てきたシーンだった。
ネブラスカでずっと独りだと思っていたウィルに「僕らは同じだ」はそりゃあ背を向けて泣いちゃうよ。いろんな想いを、涙をグッと堪える高橋ウィルの表情が、震えながら歌う「Baby…」がめちゃくちゃ良くて…。そこから明るく取り繕うのだけどマイクには全てお見通しで。マイクが優しく優しく歌い続けてウィルも続く、そして綺麗に重なり合うWe′re the same。
観客全員、息をすることを忘れて見守っていたと思う。
想いが通じ合ったふたりに言葉はいらない。


▪︎Evangeline
高橋ウィルの歌い出しから世界観がぶわっと広がっていく感じ、毎回痺れていた。
顔の角度から指の先まで本当に美しくて艶っぽい。ただただうっとりと眺めるしかなかった。
「彼が彼女にキスをすると全てが変わった〜もう本当の気持ちを誤魔化せなくなっちゃったんだよね」で自分の唇に手をそっと触れるウィルの可愛さもたまらない。
この曲でのマイクは終始とってもチャーミングでコロコロ変わる表情が可愛い!楽しい!
かと思えば急に熱を帯びた表情でウィルを見つめるのがずるいと思う。
お互いの感情が上がっていく様子が熱すぎるほどに伝わってドキドキが止まらなかった。


▪︎Your sweet voice
マイクのベッドに腰掛けてそわそわと落ち着きがないウィル。そんなウィルにバレないように、サッと香水をつけるマイク。萩谷マイクに関してはきっと今までにも同じ行動を取ったことがあるだろうに、やけにウブに見えて愛おしい。千秋楽はその様子をウィルが見つけてふたりで静かに笑い合っていたように見えた。愛おしすぎる光景に頭を抱えて唸るかと思った、危なかった。
ウィルがお酒を慣れていなさそうに飲んで、ぎゅっと目を瞑る姿も可愛かった。
そして、高橋ウィルが歌う「愛の炎灯る」が柔らかくて本当に本当に本当に大好き。
萩谷マイクの甘くてあたたかい歌声と溶け合って夢心地になってしまった。


▪︎You don′t love me/Sick of myself
足元がぐらぐらと修正もする間もなく崩れていく。お互いのことを強く愛おしく思っているのに、全てのやり取りが噛み合わない、空回りしていく。縋るようにウィルを抱きしめるマイクがいつもより幼く見えた。
ウィルの憔悴して光を失った目に微かに揺れる感情の動き、恐々と抱きしめ返す指先には力が籠っていて…。また独りになることを覚悟して絞り出すように告げた「サヨナラ」「もう無理」で目の前が真っ暗になった。
高橋萩谷ペアに関しては、悲しいくらい「あ、もう手遅れだ」という説得力があった。「僕を捨てて」が苦しくて痛い。


▪︎Nothing lasts
この曲を思い出すのが今でも苦しい。セットを回す高橋ウィルの背中がとても小さく見えた。萩谷マイクから後悔の感情が痛いくらいに伝わるのだけど、きっとどうしようもなかったんだよなあ。
正直、何度観てもこのシーンが辛すぎてどこかぼんやりとふたりを見ていた気がする。


▪︎I wanted to tell you
「そう、自分の人生 生きればいい」ウィルの背中がしゃんと伸びてる!!それだけでまず良かった…良かった…と思えた。学校はつまらないけど、と溢すマイクが少しほろ苦いけれど、しっかり前を向いて歩んでいる姿は力強い。
リンカーンで再会したふたり。戸惑いも一瞬あったと思う。「やりたいことだけ やるだけやるだけ」で喜びやお互いに対する想いが溢れていく。台詞らしい台詞はないからこそ「僕は怖くない」「ついに見つけたんだ 今僕は君を 君を」の音楽で繋がっていると感じる歌詞やお互いの表情が心に沁みた。
ふたりを祝福するように舞う紙吹雪がとてもとても綺麗で忘れられない。
手を繋いで遠くを見つめる視線の先はきっと幸せな未来であると信じている。





高橋ウィルを愛して萩谷マイクに恋をした。

高橋萩谷ペアの濃くて深くて情緒をぐちゃぐちゃにしてくるお芝居が大好き。洋画を観ているような会話のテンポと繊細で熱のある視線の動き、全てが最高だった。
舞台セットの回転が力強くてめちゃくちゃスピード感があるところも好きだったな。(千秋楽でガガガッて音がして壊さないかちょっと冷や冷やした)
熱くて不器用で大人になりきれていないふたりが愛おしくてたまらなかった。




▪︎高橋ウィル
1本の芯の強さはありつつ、どこか自分を諦めていたり閉じこもっているような、自分の中で空想の世界を広げて、大切にひっそりと蓋をしている印象。マイノリティであることを自覚しているし複雑な家庭環境も相まって今までたくさん傷付いてきたんだろうな。
マイクと出会って恋をする喜びと楽しさ、想いが通じ合う幸せそうな姿と、陰のある部分のバランスが絶妙だった。特に、トワイライトゾーン〜もう無理までの感情の揺れと吐露が観ていて本当に辛かった。
初日に関しては呼吸すらままならない、ぷつっと糸が切れて倒れてしまいそうな危うさがあった。
あとはもうとにかく愛おしい!!マイクの彼女の話に心のシャッター閉店ガッシャンなところ、長くて細い腕が好きだという話で自分の腕を確かめるところ、「屈んでくれ」と言われても屈まないところ(傷付いて屈まない、屈めなかった印象を受けた回もあった)、マイクとの買い物に浮かれぽんちなところ、色々飛び越えた「ドッグフード?!」、煽りが上手い鳥の物真似、ルールを知らない野球でも心から楽しんでいるところ、どうしよう止まらない後日また追記すると思う。とにかく世界一幸せになってほしい。


▪︎萩谷マイク
もーーーーーーー、歌も!ダンスも!ギターもとにかく上手くて恋をするしかなかった…!!そして全ての視線が熱い!全人類好きになってしまうでしょあんなん。
初めの頃は、割と冷静に計画性を持ってウィルにアプローチを仕掛けていたのかなと思うところがあったけど、段々と気持ちが先行して言わんで良いことを言っちゃったり、年齢相応の未熟な部分や弱さもぽろりぽろりと見えてギャップがたまらなかった。求められている自分、自分はこうでないといけない、に縛られている姿が苦しいし、高橋ウィルに「やりたいことやれよ」って言われたあとの嬉しそうな顔が忘れられない。
ドライブインシアターで1ミリも映画に集中していないところ可愛い。なんだかんだとウィルに甘える側なところも可愛い。ソウルを入れるのが上手い、可愛い。どうしよう止まらない後日また追記すると思う。とにかく世界一幸せになってほしい。


▪︎高橋ウィル木原マイク
甘酸っぱい!!!!がいちばんの印象。
まずは木原マイクがシンプルに格好良かった。全マイクの中でいちばん高校生っぽい、明るくてちょっと軽くて会話のテンポも早め、本当に実在しているクラスの人気者な感じがした。木原マイクと一緒だと何でもハッピーエンドになる気がする。ソウルの入れ方がとってもお茶目で大好き。
バラード曲になると急に大人っぽくなるからギャップでドキドキが止まらなかった。クラスの女子がマイクに恋しちゃう気持ちが勝手にめちゃくちゃに分かる。
マイク「俺のこと、かっこいいと…思う?」ウィル「思う…、かな、」の付き合う前のいっちばんドキドキで楽しいやつが少女漫画だった。キラッキラドッキドキだった。
木原マイクの年相応の雰囲気が、高橋ウィルとの対比になっていてとても良かったし、普段と比べてウィルが感情的になっていたことが嬉しい。このふたりは「きちんと言い合いができる」ペアなのかなと思った。


▪︎島ウィル吉高マイク
稽古動画のWe′re the sameで心を掴まれた。これは今回観ないと絶対後悔する!とチケットを増やしたペア。
フレッシュ感、勢い、爆発力、ポテンシャルの高さに「すごいものを観ている!」と、喜びでいっぱいになった。正直、この感情が大半を占めてしまって複数回入ってもっともっと深掘りしたかったペアである。
島ウィルの不思議で愛おしく、メルヘンなキャラクターが活きて、よく笑いが起きていたことも印象的だった。観客がふたりをあたたかく見守っているというか、ペアによって全然空気感が違うんだなと驚いた。
吉高くんのスコーーーーン!と透き通った気持ち良い高音。島くんのよく響きよく通る低音。
歌声は全然違うのに、馴染んで重なり合って互いの魅力が最大限になる。声の相性というか、柔らかさ?が同じなのかな。めちゃくちゃ耳が喜んでいた。
ふたりが放つ「だいすき!!(ひらがな表記)」のエネルギー、本当に凄かった。だからこそ別れも辛くて、吉高マイクが自分を責め続けていたのがこちらも辛かった。本当に観に行けて良かったなあ。



▪︎最後に

本当にあっという間の公演期間だった。
こんなにも大切で大好きだと思えた作品に出会えて幸せ。
歌唱後に起きる拍手も、ウィルとマイクの可愛くてもどかしい会話に起こる笑いも、ライブパートの手拍子も、とても自然で心地良くて素敵な空間だったなと心があたたかくなる。

トリプルキャストでシャッフル公演もあって…正直まだまだ観たかったし、今回観れなかったペアや井澤ウィルが観れなかったことがめちゃくちゃ悔しい。(特に土日公演に関しては、9:30、13:30、18:00で全ペアやってほしい〜!と無茶苦茶な願いをしていた。笑)

円盤や音源などカタチ残るものが欲しい、が本音だけどきっと難しいのが切ない。
切なくて辛いのだけど、限りあるかけがえのないキラキラとした期間だったということが作品とリンクしていて素敵だなとも思っている。

ミュージカルGIRLFRIENDが今後もたくさんの人に愛される作品になってほしいし、きっと輝き続ける作品になると思う。何よりも、今どこかで独りだと感じながら生きているかもしれない当事者たちに届いて欲しい。

音楽で繋がっている限り、強く願っていればきっと、1993年のネブラスカでウィルとマイクに会えると信じている。


初演メインキャスト6名のことを
これからもずっと伝え続けたい。

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