白い鹿に会ったときのこと。【名和晃平さんの「White Deer」】

久しぶりに写真を眺めて、やっぱり素敵だな、と思ったアートの話。
徒然な感想文。

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名和晃平さんの「White Deer」、白い鹿、
しばらく前だけど明治神宮ミュージアム前で久しぶりに見て、心を洗われた気分に。

この作品に初めて会ったのは、石巻の牡鹿半島(2017)。

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reborn art festivalでのHPでもメインビジュアルに使われていたので、「あの鹿」、と思った。おかれている場所は車をおりて少し歩いたところ。
まさに「鹿に会いに行く」ようだったし、歩みを進めている中で少しずつ見えてきたときにはまさに「会えたね!」という感じ。
実物を近くで見ると、青空のもとすくっと立つ白い鹿がとても美しく、光が当たる様子が神秘的だと感じた。人が前に立っても脚と同じくらいの高さで、とても大きいのも余計にその印象を強めていた。
石巻のreborn art festivalでメインビジュアルにあるからか、映えるからか、一緒に写真を撮っている人が多かった。

その後2019年にもまた再会した。前回ひとりで訪れた場所を2人で訪れた。また写真を撮っている…様子もあったけれど、今回はふたり。
わたしも、再会をよろこんで一緒に写真を撮った。

そして明治神宮。

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牡鹿半島では海に背を向け、半島の方を向き、蒼い海と空を背景に清々しい鹿の立ち姿だったけれど、茂みの中から、そっと出てきた神秘的な印象。大きさもずいぶん違って、実物の鹿のよう。
White deerの説明では、古来からアニミズムや神道などの信仰のなかで親しまれてきた鹿、として、鹿のモチーフが説明されているけれど、明治神宮の森の中では一層その雰囲気をまとっていたと思った。(明治神宮の森、は人工の森なのだけれどね)

東京ガーデンテラス紀尾井町でも、White deerが恒久展示されているそう。こちらは、生では見たことまだないのだけれど、さながら都会に迷い込んだ鹿みたいだ。

パブリックアート、現代アート、最近は(有名なものが多いけれど)いろんな場所に見に行くようになった。
たまに、同じ作品を見ることもあるけれど、こうして屋外展示され、ほとんど同じ作品が置かれた空間をそれぞれ借景にして、また違ったコンテクストを連想させながら違った雰囲気をまとう、というのは面白いなとおもう。
牡鹿半島では、鹿の増加や(牡鹿半島、という名前そのままに)鹿の猟の問題も背景に感じながら見ていたから、そういう意味でも東京で見た時とは印象が違った。

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