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歩容から歩幅の違いの原因を探る

こんにちは、理学療法士のおかむーです。

歩容には、いろいろな情報が隠されています。

それを見出すのもセラピストの醍醐味かと。

見出すポイントは、歩容における共通点です。

今回は、「歩容から歩幅の違いの原因を探る」と題して、その共通点から原因を探りたいと思います。

以下、症例でお伝えします。

歩幅は、右が左に比べて長く、右足に左足を揃える歩行である。

右IC         左IC


Q) ここから読み取れることは?

A) 座位で両下肢を上げられるので、右遊脚時間が長く、左が短いために起こった。

Q) その差は何から生じるか?

A) 歩行では、部位にもよるが遊脚期よりも立脚期の方が力を必要とする。

よって、左立脚時間が右に比べて長いため、右遊脚時間が延長され、右歩幅が長くなった。

そこから力が弱い脚は右である。

Q) しかし、前額面から見ると、骨盤は右移動が大きく、右の方が荷重されているように見えるが?


左立脚     右立脚


A) これを押さえる右足関節の内返し筋が弱い。

Q) 股関節外転筋が弱いのでは?

A) 股関節外転筋が弱ければ、トレンデレンブルグ等の股関節外転筋低下の徴候が起こる。

また、足関節内返し筋が弱いとすると、他の現象も説明できる。

Q) それは?

A) 歩幅の違いであるが

右IC         左IC


右の前足部への荷重を避けていると捉えることができる。

それは、前足部荷重で姿勢を保持させるには、足関節底屈の力が必要で、その最大作用筋は距骨下関節の内返し作用のある下腿三頭筋である。

他に、歩行途中を前額面前面から見ると、右が左に比べてToe outである。

右    左


これは、右足底の外側荷重を避けていると捉えられる。

右足底外側荷重で姿勢保持するには、足関節の底屈・内返し(すなわち、下腿三頭筋)の力が必要になる。

以上から、右下腿三頭筋の低下とすると、他の現象が説明できる。

後は、評価で確認して、推論が正しければアプローチする。


最後までお読み頂きましてありがとうございます。


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