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#78 WWFによる紙パルプ業界の未来予測~2050年にどうなっている?~

この番組では、様々な切り口から、これからの紙の価値を考えたり、紙にまつわる情報、たまに紙に全く関係ない情報を発信しています。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。

さて、本日は、紙パルプ業界の未来予測についてみていきたいと思います。
具体的には、「2015年を基準年として、2030年、2040年、2050年時点で業界の活動度はどうなっているのか?」というものです。

未来予測って、なんだかこわいですよね(笑)
業界の人間が言うのもなんですけど、紙パルプ業界で良い未来予測が出ていることが、正直想像できないんですよね(笑)
でも、未来を見据えることはとても大事なことです。
しかも、これだけ変化の多い時代で、数十年も先のことを完璧に予想できる人間はいません。
あくまで予測です。

今回は、WWFジャパンが2021年9月に発表した『脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ』という資料の情報を参考にしております。
こちらは、2020年10月、菅義偉元総理が就任後初の所信表明演説の中で、「2050年温室効果ガス排出量ゼロ」を表明。さらに2021年4月にパリ協定に提出する2030年目標として「2030年温室効果ガス46%削減、さらに50%の高みを目指す」と公表したことを受けて作成された資料です。
日本のエネルギーシナリオや、産業構造の変革・強化につながる、今後の政策、施策などがまとめられたものです。
この資料の産業構造の変化というトピックの中に、業界ごとの活動量の変化がのっていて、紙パルプ業界も漏れなく入っておりました。

それでは、具体的に見ていきたいと思います。
活動度の変化を予測するにあたって、何を変化要因にしているのでしょうか。
①人口減少
②輸出の変化
③建物の長寿命化
④情報化
以上の4つの要因を掛け合わせたものが、活動度の変化となります。

式にすると、「活動度変化=人口減少×輸出の変化×建物の長寿命化×情報化」となります。

それでは、数字を見ていきたいと思います。
2030年時点での活動度は、2015年比で87%です。
いきなり!いきなりまさかの13%減です!
こうなったら、2040年と2050年は一気に見ていきましょう!。
2040年時点での活動度は、2015年比で76%、2050年時点での活動度は、2015年比で65%です。
はい、皆さんお疲れ様でした。
なんと、2050年時点の活動度は、2015年比で65%と、驚異の35%減です。
何がそんなに影響しているのでしょうか。
人口減少で▲20%、輸出が▲5%、情報化で▲15%となっています。
輸出と情報化は不確定要素が大きく感じますが、情報化に関してはマイナス要因が多いのは間違いないでしょう。
人口については、かなり高精度なものなんじゃないかなあと思います。人口予測は、かなり高精度ですからね。
にしても、35%減は衝撃ですね。
暗ぁ―くなりましたが、一旦、仮説として受け入れましょう。
こういう未来予測もあるということで。

はい、という訳で今回は「紙パルプ業界の未来予測」というテーマでお届けしました。
2050年といえば、あと28年後です。
この番組でもデジタル化による紙の需要の変化は、数々取り上げてきました。
これからも、紙業界のこれまでの歩みとか、今起こっていること、業界周辺で起こっていることを取り上げていきたいと思います。
そうすれば、近い未来のことはうっすら見えてくると思います。
これからも、一緒にこれからの紙の価値を考えていきましょう。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
最後までご視聴いただきありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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