#157 災害時に大活躍!「紙の間仕切りシステム」
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
坂茂氏デザイン「紙の間仕切りシステム」
今回は、災害が起こったときに活躍している、紙のシェルターをご紹介したいと思います。
今年の元旦に起こった能登半島地震では、本当に大きな被害が出ています。
現在も避難生活を余儀なくされている方々がいらっしゃるという、痛ましい状況ですが、その避難所で、紙でできたシェルターが活躍しているんです。
世界的建築家の坂茂さんがデザインした「紙の間仕切りシステム」です。
AXIS Web Magazineの記事
AXIS Web Magazineの2024年1月15日の記事を引用させていただきます。
とのことです。
「紙の間仕切りシステム」のすごいところ
こちらの「紙の間仕切りシステム」ですが、パーテーションの布以外は、骨組みもベッドも全て紙でできています。
こういった災害用の資材って、普通は、災害が起こってから直ぐに供給できるように、ストックしておかなくてはいけないですよね。
最近はいろんなところで災害用グッズが売られているので、皆さんの中にも、災害用の食材や簡易トイレなど、ストックされている方も多いかと思います。
そんな中、この「紙の間仕切りシステム」のすごいところは、災害が起こってから直ぐに製造ができちゃうところなんです。
まず、骨組みになる部分は、「紙管」という素材です。
卒業証書を入れていたアレのデカいやつです。
筒状になった固い紙の柱と思ってください。
それから、ベッドは全て「段ボール」でできています。
これ、両方とも大量生産品で、直ぐにできてしまうものなんです。
なので、今回の能登半島地震においても、直ぐに必要数量を製造して、避難所に設置することができました。
いろんなところで活躍している
そして、この「紙の間仕切りシステム」ですが、今回が初めての活躍ではありません。
2016年の熊本地震、2019年の大阪府北部地震、その他豪雨などの災害時、それから、コロナの時の隔離用としても活躍しています。
2016年のイタリア中部地震の時は、海外でも活躍しています。
そんな活躍ぶりから、2016年には、グッドデザイン金賞を受賞しています。
このところ、自然災害や感染症が立て続けに起こっていて、避難所、それから簡易的な隔離空間が求められるケースが増えていますよね。
そんな中、この「紙の間仕切りシステム」は、直ぐに製造・設置ができて、しかも利用後はリサイクルが可能という優れものです。
これからも、この「紙の間仕切りシステム」に注目です。
というわけで、今回は、建築家の坂茂さんがデザインした「紙の間仕切りシステム」をご紹介してきました。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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