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#157 災害時に大活躍!「紙の間仕切りシステム」
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
坂茂氏デザイン「紙の間仕切りシステム」
今回は、災害が起こったときに活躍している、紙のシェルターをご紹介したいと思います。
今年の元旦に起こった能登半島地震では、本当に大きな被害が出ています。
現在も避難生活を余儀なくされている方々がいらっしゃるという、痛ましい状況ですが、その避難所で、紙でできたシェルターが活躍しているんです。
世界的建築家の坂茂さんがデザインした「紙の間仕切りシステム」です。
AXIS Web Magazineの記事
AXIS Web Magazineの2024年1月15日の記事を引用させていただきます。
建築家・坂茂による「紙の間仕切りシステム」
能登半島地震の被災者支援に提供
2024年1月1日に発生した能登半島地震は、被災地の住宅やインフラ施設などに甚大な被害をもたらした。この状況を受けて、さまざまな企業や団体、自治体からの支援の輪が広がり始めている。
これまでにも各地で災害支援活動に取り組んできた建築家の坂茂が率いるNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)と建築設計事務所 坂茂建築設計は、被災地支援プロジェクトをいち早く開始。石川県金沢市の被災者用避難所である額谷ふれあい体育館に、プライバシー確保のための紙の間仕切りと段ボールベッド150ユニットを1月9日に設営した。
坂茂が考案した紙の間仕切りシステムは、紙管をフレームとして用い、布を掛けるだけで簡単に組み立てられるものである。紙管の梁は連結が可能で、グリッド状に拡張できるのが特徴だ。また、複数のユニットをまとめて間仕切ることで、家族単位での対応もできる。
今後は能登地方からの避難者を受け入れ、ホテルなどの2次避難所へ移動するまで活用される見通しだ。また、間仕切りは同県内灘町にも配送されている。
とのことです。
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「紙の間仕切りシステム」のすごいところ
こちらの「紙の間仕切りシステム」ですが、パーテーションの布以外は、骨組みもベッドも全て紙でできています。
こういった災害用の資材って、普通は、災害が起こってから直ぐに供給できるように、ストックしておかなくてはいけないですよね。
最近はいろんなところで災害用グッズが売られているので、皆さんの中にも、災害用の食材や簡易トイレなど、ストックされている方も多いかと思います。
そんな中、この「紙の間仕切りシステム」のすごいところは、災害が起こってから直ぐに製造ができちゃうところなんです。
まず、骨組みになる部分は、「紙管」という素材です。
卒業証書を入れていたアレのデカいやつです。
筒状になった固い紙の柱と思ってください。
それから、ベッドは全て「段ボール」でできています。
これ、両方とも大量生産品で、直ぐにできてしまうものなんです。
なので、今回の能登半島地震においても、直ぐに必要数量を製造して、避難所に設置することができました。
いろんなところで活躍している
そして、この「紙の間仕切りシステム」ですが、今回が初めての活躍ではありません。
2016年の熊本地震、2019年の大阪府北部地震、その他豪雨などの災害時、それから、コロナの時の隔離用としても活躍しています。
2016年のイタリア中部地震の時は、海外でも活躍しています。
そんな活躍ぶりから、2016年には、グッドデザイン金賞を受賞しています。
このところ、自然災害や感染症が立て続けに起こっていて、避難所、それから簡易的な隔離空間が求められるケースが増えていますよね。
そんな中、この「紙の間仕切りシステム」は、直ぐに製造・設置ができて、しかも利用後はリサイクルが可能という優れものです。
これからも、この「紙の間仕切りシステム」に注目です。
というわけで、今回は、建築家の坂茂さんがデザインした「紙の間仕切りシステム」をご紹介してきました。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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