ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13『悲愴大ソナタ』(Grande Sonate pathétique)

ベートーヴェンのピアノソナタ第8番ハ短調作品13は、通称『悲愴大ソナタ』("Grande Sonate pathétique")として知られています。このソナタは、1798年に作曲されたもので、ベートーヴェンの中期の作品の一つです。

このピアノソナタは、強烈な情感とドラマティックな表現力で知られています。曲の冒頭から、悲痛なメロディーが響き渡ります。また、第2楽章では、美しい緩徐楽章が展開されますが、それもやがて情熱的なクライマックスに向かって進みます。

このソナタは、演奏の難易度も高く、ピアニストたちにとっては一つの挑戦となります。しかし、その分、感情豊かな音楽を表現することができるため、多くのピアニストから愛される作品となっています。

『悲愴大ソナタ』は、ベートーヴェンの作品の中でも特に人気が高く、その魅力は今日まで変わらず、多くの人々に感動を与え続けています。

From Wikipedia, the free encyclopedia
Ludwig van Beethoven's Piano Sonata No. 8 in C minor, Op. 13, commonly known as Sonata Pathétique, was written in 1798 when the composer was 27 years old, and was published in 1799. It has remained one of his most celebrated compositions. Beethoven dedicated the work to his friend Prince Karl von Lichnowsky. Although commonly thought to be one of the few works to be named by the composer himself, it was actually named Grande sonate pathétique (to Beethoven's liking) by the publisher, who was impressed by the sonata's tragic sonorities.

00:00 I. Grave - Allegro di molto e con brio
09:01 II. Adagio cantabile
14:23 III. Rondo: Allegro

演奏者 Luis Kolodin (Piano) https://luiskolodin.wixsite.com/website
公開者情報 Luis Kolodin, 2020.
著作権 Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivs 4.0

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13『悲愴大ソナタ』("Grande Sonate pathétique")は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲したピアノソナタ。作曲者の創作の初期を代表する傑作として知られる。

概要
正確な作曲年は定められていないものの1798年から1799年にかけて書かれたものと考えられており、スケッチ帳には作品9の弦楽三重奏曲と並ぶ形で着想が書き留められている。楽譜は1799年にウィーンのエーダーから出版され、早くからベートーヴェンのパトロンであったカール・アロイス・フォン・リヒノフスキー侯爵へと献呈された。本作は作曲者のピアノソナタの中で初めて高く、永続的な人気を勝ち得た作品である。楽譜の売れ行きもよく、気鋭のピアニストとしてだけでなく作曲家としてのベートーヴェンの名声を高める重要な成功作となる。

『悲愴』という標題は初版譜の表紙に既に掲げられており、これがベートーヴェン自身の発案であったのか否かは定かではないものの、作曲者本人の了解の下に付されたものであろうと考えることができる。ベートーヴェンが自作に標題を与えることは珍しく、ピアノソナタの中では他に第26番『告別』があるのみとなっている。『悲愴』が意味するところに関する作曲者自身による解説は知られていない。標題についてパウル・ベッカーはそれまでの作品では垣間見られたに過ぎなかったベートーヴェンらしい性質が結晶化されたのであると解説を行っており、ヴィルヤム・ビーアントは「(標題は)気高い情熱の表出という美的な概念の内に解されるべきである」と説いている。

ミュージカル・タイムズ誌に1924年に掲載された論説は、本作の主題にはベートーヴェンも称賛を惜しまなかったルイジ・ケルビーニが1797年に発表したオペラ『メデア』の主題と、非常に似通った部分があるとしている。他にも、同じくハ短調で本作と同様の楽章構成を持つヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノソナタ第14番の影響も取り沙汰される。とりわけ、第2楽章アダージョ・カンタービレの主題はモーツァルトの作品の第2楽章に見られるものと著しく類似している。また、未完に終わった交響曲第10番の冒頭主題が同主題に類似したものだったという研究成果が発表されている。グスタフ・ノッテボームは本作の終楽章が構想段階ではヴァイオリンとピアノのための楽曲であった可能性を指摘している。

このピアノソナタはベートーヴェンの「ロメオとジュリエット」期の心境、すなわち「青春の哀傷感」を写し取ったものと表現される。描かれているのは後年の作品に現れる深遠な悲劇性とは異なる次元の哀切さであるが、そうした情感を音楽により伝達しようという明確な意識が確立されてきた様子を窺い知ることが出来る。劇的な曲調と美しい旋律は本作を初期ピアノソナタの最高峰たらしめ、今なお多くの人に親しまれている。

イグナーツ・モシェレスは、1804年に図書館でこの作品を発見して写しを取って持ち帰ったところ、音楽教師から「もっと立派な手本を基にしてスタイルが出来上がるよりも先に、そんな奇矯な作品を弾いたり勉強してはならないと注意を受けた」と回想している。ベートーヴェン自身は持ち前のレガート奏法を駆使し、あたかもその場で創造されたものであるかのように弾いたとアントン・シンドラーは証言している。その様子は既によく知られていた本作と同じ曲が演奏されているのかと耳を疑うほどであったとされる。

本作はピアノソナタ第14番(月光)、第23番(熱情)と合わせてベートーヴェンの三大ピアノソナタと呼ばれることもある。約100年後にロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーが交響曲第6番『悲愴』を作曲しているが、その第1楽章にはこのピアノソナタの冒頭主題とよく似たモチーフが使用されている。

演奏時間
約17-19分

楽曲構成
第1楽章
Grave 4/4拍子 - Allegro di molto e con brio 2/2拍子 ハ短調
ソナタ形式。譜例1に示されるグラーヴェの序奏が置かれ、展開部とコーダでも姿を見せる[10]。同様の手法は選帝侯ソナタ第2番 WoO.47-2(1782年-1783年)の第1楽章にも見られる。

第2楽章
Adagio cantabile 2/4拍子 変イ長調
ロンド形式。ベートーヴェンの書いた最も有名な楽章のひとつである。ヴィリバルト・ナーゲルはベートーヴェン全作品中でも指折りの音楽と評価しており、マイケル・スタインバーグはこの楽章のために「ハープシコードの所有者は最寄りのピアノ屋に駆け込んだに違いない」と述べた。美しく、物憂い主題が静かに奏で始められる。

第3楽章
Rondo, Allegro 2/2拍子 ハ短調
ロンド形式。譜例8のロンド主題は譜例3から導かれているが、第1楽章とは異なって劇的な表現を抑えて洗練された簡素さを感じさせる。

編曲例

ヤドカリ 「ベートーベン」
鈴木愛 「そっと。」(第2楽章) [GuiterFreaks&DrumMania]
KOHTA 「RESONATE 1794」(第1楽章) [beatmaniaIIDX]
ビリー・ジョエル 「THIS NIGHT」(第2楽章)
森田浩司 「愛のX」(第2楽章)
橋本祥路作曲  心の中にきらめいて(第2楽章)
シンフォニー・エックス 「Sonata」- 『トワイライト・イン・オリンポス』の3曲目に収録(第2楽章)
SMAP 「Theme of 008 (piano sonata no.8)」- 『SMAP 008 TACOMAX』の1曲目に収録
上田知華+KARYOBIN 「BGM」(第3楽章)
平原綾香&藤澤ノリマサ「Sailing my life」(第2楽章)
ルネッサンス 「Island」- 1stアルバムの中の3曲目に収録 (第1楽章及び第3楽章)
シジマサウンズ 「一番好きなあなたへ」(第2楽章)
mihimaru GT「Love Letter」- メロディーを一部サンプリングしている(第2楽章)
Joseph McManners [In Dreams] 09-Music of the Angles (第2楽章)
ドラゴンハーフ 『Dragon Half』ドラマCD(1993年)中「戦え!サンハーフ」主題歌 作詞:松宮恭子 編曲:岸村正実 歌:坂井紀雄 (第3楽章)
上原ひろみ 「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番《悲愴》第2楽章」 - 『ヴォイス』に収録
キッス 「Great Expectations」(地獄の軍団)(第2楽章)
渡辺直美 「見えないスタート」(2017年の競艇テーマソング)(第2楽章)
ルイーズ・タッカー (Louise Tucker) - Midnight Blue (en) (第2楽章)
使用例

のだめカンタービレ(Lesson 1およびLesson67で、のだめが演奏している)
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- (第60話 「勝利を許されし者 志々雄対剣心 終幕!」で第2楽章がBGMとして使用されている)
WXIII 機動警察パトレイバー (作品のクライマックスにおいて流される)
HERO 第2期 (第7話のみ第2楽章がBGMとして使用)
心が叫びたがってるんだ。「心が叫びだす~あなたの名前を呼ぶよ」 (予告編のBGMのほか、作中でも重要な場面で使用されている)
遺留捜査 第1シーズン (第4話 「紅い石」で第2楽章がBGMとして使用されている)
銀河英雄伝説 (ゲーム) (スーパーファミコン版で、第1楽章をアレンジしたものが使用されている)
スーパーカブ(アニメ) (第8話終末部で第2楽章をBGMとして使用)

Walk Into Siena チャンネル登録
https://www.youtube.com/channel/UCqAFiZznfr5Y7wgfV_sOiGQ

Walk Into Siena コミュニティ
https://www.youtube.com/@WalkIntoSiena/community

ベートーヴェン 再生リスト
https://youtube.com/playlist?list=PLTtHiFCVwL1zT3TDzCFkYRGchw_08y2KG

ベートーヴェン「ピアノソナタ」 再生リスト
https://youtube.com/playlist?list=PLTtHiFCVwL1wx8p370mNaQ7Ap00CYMRmH

クラシック全般 再生リスト
https://youtube.com/playlist?list=PLTtHiFCVwL1yxp2hTQ64gcreupYj8u6jd
#ベートーヴェン #ピアノソナタ第8番ハ短調 #作品13 #GrandeSonatepath étique

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?