ホルスト:大管弦楽のための組曲『惑星』 作品32

In this video, we'll be taking a look at Gustav Holst's The Planets, Op. 32. This piece is composed for string orchestra and is known for its flowing, romantic melody.

If you're interested in classical music and are looking for a beautiful piece to enjoy, then look no further than The Planets. This 32-minute piece features beautiful music by Gustav Holst and is perfect for any listener. So saddle up and get ready for a journey to the stars!

00:00 I. Mars, the Bringer of War
06:19 II. Venus, the Bringer of Peace
14:02 III. Mercury, the Winged Messenger
18:07 IV. Jupiter, the Bringer of Jollity
25:47 V. Saturn, the Bringer of Old Age
34:59 VI. Uranus, the Magician
39:28 VII. Neptune, the Mystic

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

初版のコピー
大管弦楽のための組曲『惑星』(わくせい、The Planets)作品32は、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの作曲した代表的な管弦楽曲である。この組曲は7つの楽章から成り、それぞれにローマ神話に登場する神々にも相当する惑星の名が付けられている。「木星」中間部の旋律は、イギリスの愛国歌、またイングランド国教会の聖歌となっている。

概要
ホルストの代表曲として、ホルスト自身の名前以上に知られており、近代管弦楽曲の中で最も人気のある曲の1つである。イギリスの管弦楽曲を代表する曲であるとも言えるが、むしろイギリス音楽とは意識されず、その枠を超えて親しまれている曲である。ただし、特殊楽器の多用や女声合唱の使用などが実演の障壁になることも多く、全曲を通しての演奏の機会は必ずしも多いとはいえない。

この作品は惑星を題材としているが、天文学ではなく占星術から着想を得たものである。地球が含まれないのはこのためである。西欧ではヘレニズム期より惑星は神々と結び付けられ、この思想はルネサンス期に錬金術と結びついて、宇宙と自然の対応を説く自然哲学へと発展した。この作品は、日本語では「惑星」と訳されてはいるが、実際の意味合いは「運星」に近い。それぞれの曲の副題は、かつては「…の神」と訳されていたが、近年では本来の意味に則して「…をもたらす者」という表記が広まりつつある。かねてよりホルストは、作曲家アーノルド・バックスの兄弟で著述家のクリフォードから占星術の手解きを受けており、この作品の構想にあたり、占星術における惑星とローマ神話の対応を研究している。

作曲の経緯・初演
作曲
作曲時期は1914年から1916年。当初は『惑星』としてではなく『7つの管弦楽曲』として作曲が開始された。これはアルノルト・シェーンベルクの『5つの管弦楽曲』に着想を得たものといわれている。

まず「海王星」以外の6曲はピアノ・デュオのために、「海王星」はオルガンのために作曲された。 1914年に「火星」(8月以前)、「金星」(秋)、「木星」(年末)が作曲され、 1915年には「土星」(夏)、「天王星」(8月頃)、「海王星」(秋)が、そして1916年初頭に「水星」が作曲された。その後、日本人舞踏家伊藤道郎の依頼を受け、『惑星』の作曲を一時中断して『日本組曲』を完成している。

1917年になって、オルガンや声楽を含む大管弦楽のためにオーケストレーションされた。しかし、生涯ホルストを苦しめた腕の神経炎の再発のため、オーケストレーションにおけるホルスト自身の関与は後述する「水星」、ピアノスコアへの楽器の指定、口述などにとどまった(しかし全オーケストレーションの構想はホルスト自身で完成されていたようである)。フルスコア作成の補助のため、ホルストが勤めていたセント・ポール女学校音楽科の同僚ノラ・デイとヴァリ・ラスカー、学生のジェーン・ジョセフと筆記者としての契約を交わしている。オーケストレーションは創造的かつ色彩的であり、英国の作曲家よりもストラヴィンスキーら大陸の作曲家からの影響が強く見られる。

管弦楽法的には複雑ではないものの、ソロとトゥッティ(複数人で同じ旋律を奏でること)を使い分けて音の厚みを変化させたり、同一楽器で和音を奏する(例えば、フルート3本で和音を構成する)など大編成にも関わらず繊細で独特な音色、音響的効果が引き出されている。また声部は基本的に旋律、和音、ベース音など明確に分けられており、大編成のわりに曲の構造はわかりやすい。

「火星」の5拍子など民族的なリズムや、「海王星」などで現れる神秘的な和音など、作曲当時のある種、流行を取り入れているが、その親しみやすさのおかげで20世紀の音楽としては珍しく日常的に聞く機会に恵まれた曲になったといえる。

構成
作曲当時太陽系の惑星として知られていた8つの天体のうち、地球を除いた7つの天体(すなわち水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星)に、曲を1曲ずつ割り当てた、全7曲で構成される組曲である。全曲を通した演奏時間は約50分(作曲者が指揮した録音では約42分)である。

「火星」と「水星」の位置が入れ替わっていることを例外として、各惑星は軌道長半径上で太陽から近い順番に配列されている。「火星」と「水星」の位置が入れ替わっているのは、最初の4曲を交響曲の「急、緩、舞、急」のような配列にするためだと言われる。もう1つの説明として、黄道12宮の守護惑星に基づくという説がある。黄道12宮を白羊宮(おひつじ座)から始まる伝統的な順番に並べるとその守護惑星は、重複と月・太陽を無視すれば楽章の順序に一致する。そのため、冥王星は水星と木星の間に来るべきだとする意見もある。

火星、戦争(戦い)をもたらす者

第1曲 「火星」
7:58
アメリカ空軍軍楽隊(吹奏楽)による演奏。
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原題:Mars, the Bringer of War
Allegro
日本では「木星」に次いでよく知られている曲である。この曲について第一次世界大戦の影響を指摘されることもあるが、作曲者自身は否定している[1]。ニを主音とするが調号はなく、無調的。再現部の第2主題と第3主題の順序が入れかわったソナタ形式に相当する。

\new RhythmicStaff { \time 5/4 \tuplet 3/2 { g8 g8 g8 } g4 g4 g8 g8 g4 }
上記の5拍子のリズムは曲中でさまざまな楽器により演奏され、全体のモチーフになっている。提示部第3主題でのテナーチューバ(ユーフォニアムで演奏されることが多い)のソロが、オーケストラにおけるこの楽器の秀逸な用例としてしばしば言及される。全185小節。

金星、平和をもたらす者

第2曲 「金星」
8:21
アメリカ空軍軍楽隊(吹奏楽)による演奏。
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原題:Venus, the Bringer of Peace
Adagio - Andante - Animato - Largo - Animato - Largo - Animato - Largo - Adagio - morendo - Tempo I
緩徐楽章に相当する。主に三部形式。主に、中間部は3拍子、他は4拍子である。主調は変ホ長調だが、途中複数の調を経由する。中間部にはヴァイオリンやチェロのソロもある。全141小節。

水星、翼のある使者

スケルツォに相当する曲である。組曲中で最も短い。ホ長調と変ロ長調の複調が用いられている。主に二部形式。ホルスト自身がフルスコアを書いたのはこの曲のみで、この曲を「心の象徴」と述べている。全296小節。

木星、快楽をもたらす者

組曲中、最もよく知られている。特に中間部Andante maestosoの旋律が非常に有名である(後述)。大きな三部形式であり、主調はハ長調、中間部は変ホ長調、終盤で中間部の旋律が戻ってくるときにはロ長調である。全409小節。

土星、老いをもたらす者

組曲中で最も長い。ハ長調ではあるものの、第3音にフラットが付くなど調性は不安定である。ハ音上の付加六の和音や七度の和音が多用される。ホルスト自身この曲が最も気に入っていたといわれ、組曲中でも中核をなす曲と考えられる。全155小節。

天王星、魔術師

スケルツォに近い曲。主に6拍子で、デュカスの『魔法使いの弟子』に影響を受けたといわれる。また、冒頭の印象的な4音(下譜面を参照。G, Es, A, H)は、ホルストの名前(Gustav Holst)を表していると言われ[誰によって?]、曲中にも執拗なまでに取り入れられている。

海王星、神秘主義者
原題:Neptune, the Mystic
Andante - Allegretto
ホ短調と嬰ト短調の複調。3+2の5拍子。静かなこの曲では[2]56小節目からは女声合唱[3]も演奏に加わり、最後の1小節には女声合唱のみとなる。そこには反復記号が記され、音がなくなるまで繰り返すように指示されている。全101小節。
#ホルスト ,#惑星,#theplanets,#作品32

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