#3 スポーツって最高

 ついこの前からWBCが始まったわけだけど、やっぱり野球って面白い。俺が初めて触れたスポーツっていうこともあって、最近はサッカーにずっとハマっているけれど野球も改めて良いよねって思った。始まる前は坂本や柳田といった俺の好きな88年世代が辞退して、よく知らない日系アメリカ人も参加するらしいって聞いてあんまり見ないかなーって思ってたけどそんなことはなかった。
 中国戦は予定があって見れなかったけど、韓国戦を見てヌートバーの偉大さを知った。それは日本の1点目のタイムリーを打ったり、ダイビングキャッチをしたりっていうのも当然そうなのだが、一番のめり込んだのはもっと地味なことだった。1死1塁でヌートバーがライトへヒットを打って1塁ランナーが3塁へと進んだ。そこでライトが間に合うはずもない3塁へと送球した隙を見逃さずに、ヌートバーはすかさず2塁へと進んだ。その時点で韓国とはすでに7点差あって勝利もほぼ確実だったのにも拘らず、相手の隙を見逃さない常に次の塁を狙うという姿勢に感銘を受けた。チームメイトのヒットやホームランにも人一倍喜んでいて、ああこれがスポーツなのかと実感した。
 思い返してみるとスポーツには、このように自分の予想を軽々と超えて俺の心を鷲掴みにするシーンに溢れている。去年行われた冬季五輪のフィギュアスケート男子で見せたネイサン・チェンの圧巻の演技には思わず目が潤んだ。それまでフィギュアスケートはあまり興味がなかった。むしろ好きではなかった。でもネイサンの滑りを見て、こんなに痺れる演技をできる人がいるなんてって感銘を受けた記憶がある。
 これは平昌五輪の話だけど、カーリングも地味な競技だなって思っていたのが、意外と頭を使うゲーム性溢れる楽しい競技なのだと知って北京五輪が待ち遠しくなったこともある。バスケも自分が背が小さかったり、突き指が嫌だったりと敬遠してきたけど、いざ日本代表が躍動している姿を見ると夢中になって応援している自分がいる。
 政治とか経済とか風潮とか、さまざまな部分で不満がある日本だけど、やっぱり大好きで1番になって欲しいという気持ちをスポーツは抱かせてくれる。そういう意味でオリンピックというものは素晴らしい祭典だと感じた。野球やサッカーだけでなく、オリンピックを通すことで、フィギュアスケートやカーリング、バスケ、陸上、バレーボール、水泳、スキージャンプ、クロスカントリー、卓球、スノーボード、スケートボード、ラグビーなど本当に多くのスポーツと巡り合うことができた。以前イベントでサッカー実況者の倉敷保雄さんのお話を聞く機会があって、そこで「好きなものがいっぱいあると日々が豊かに輝いて見える」とおっしゃっていた。今回スポーツを通してそれを実感することができた。日常の幸福とは、多くの小さな喜びが世界中には溢れていて、それを見つけるだけなのかもしれない。

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