初めての昆虫食

 ついに手を出してしまった──昆虫食に。
 自分でも、いつかやるだろうと思っていた。思ってはいたのだが、己の中にある何らかのブレーキに阻まれて今の今まで無関係を貫いていた。
 しかしそんな日々とは、最近おさらばしてしまった。だって、ずっと食べてみたかったんだもの。周りからどう見られようが、好奇心を抑えられるほど自分という人間は大人に出来ていなかった。

buggui 食べやすい昆虫食ミックス


 今回購入したのはbugguiさんの食べやすい昆虫食ミックス。他の昆虫食は乾燥させたものばかりで初心者が嗜むにはちょっとなあ……と思っていたから、素揚げタイプのものが販売されていて内心ほっとした次第である(虫は大概揚げると美味しいと聞く)
 中身はタケムシ、カイコのサナギ、フタホシコオロギの3種類。コオロギは美味しいとよく聞いているので、自分が一番期待しているのはやはりコオロギだった。
 以下は食べた感想になる。文章を読んで少しでも不快感を得た場合は、無理をせずブラウザバックして頂けると幸いだ。


タケムシ
 
俗に言うバンブーワームだ。成虫は蛾の1種。この虫が生息する地域では珍味として知られているらしい。
 脱線してしまうが、バンブーワームでGoogle検索するとモパネワームが予測変換に出てきて笑ってしまった(モパネワームも食用として現地住民に食されている芋虫である)
 シャリシャリ、シャクシャクとした歯触り。素揚げにされているので特段特筆すべきことが無い。「ああ今素揚げにされた芋虫食べてるんだなぁ」くらいの感想がスっと出てくる。
 肝心の味なのだが──良くも悪くも竹の風味が強い。悲しいかな、自分は竹が苦手なのでこの風味に長時間苦しめられることとなった。というのも、この虫定期的に胃の中から存在感を放ってくる
 自分は飲み物を飲む際、空気も多量に飲み込む癖がある為よくゲップが出る体質なのだが、ゲップをする度に腹の奥からタケムシ(もとい竹の風味)が強く主張してくる。この主張はなんと就寝間際まで続いた。味の濃い食事(その日は濃いめのラーメンを昼食に頂いた)を間に挟んだにも関わらずだ……。
 竹の風味が苦手でないなら、それなりに美味しいと思う。というか味が淡白すぎて竹の風味しか感じられなかった。これはタケムシに限らず以下の2種にも該当するが、味付けが薄すぎて素材の味を楽しむ食事になっていたので、個人的にはもう少し塩を振るなどして塩味をプラスしたかった。
 竹の風味以外は全然癖がないので、初心者にオススメと聞いて納得する虫の1種だった。竹が苦手な場合は、自分の二の舞いになりかねないのでオススメしない。

カイコのサナギ
 味が淡白すぎてすぎてよくわからなかったその2。もう少し炙った方が美味しそうまであった。後味がほんのりと甲殻類を主張していた。炙ったら多分エビの香りが漂ってきそう。
 本当に淡白すぎて書ける内容がない。見た目がモロにサナギなので食べるのに勇気がいる人もいるだろうな、とは思う。
 繰り返しになるが、多少炙ってマヨネーズをつけて食べたら絶対美味しいと思う。お蚕様は食べても美味しかった。ありがとうお蚕様。

フタホシコオロギ
 今回の本命。散々外部からエビの味がすると聞いてはいたのだけれど、食べるまでは信じられないのが自分という人間。袋の中から異様に自己主張してくる黒光りしたその全躯は、コオロギ以外の何者でもなかった。
 個人的にはゴキブリよりもコオロギの方が見た目がグロテスクだなとまで思っているので、3種の中で一番食べることに対して勇気が必要だった。
 感想としては、マジでエビだわこいつ。正確には、エビフライの尻尾を噛み続けている時の味。これに尽きるし、それ以上でも以下でもない。ちょっと感動した。
 エビも虫も同じ節足動物だと認識していたが、ここまで味が同じだとは思わなかった……。昆虫食を好んでいる人が何故バッタやコオロギを嬉々として捕らえるのか、その理由が痛いほどわかった。
 今度から草むらでコオロギを見つけたら「あ、ちっこいエビいた」以外の感情が湧かなくなるかもしれない。食べ物にしかもう見えない。とんでもない事実を知ってしまった。食欲とは罪深いものである。
 今度コオロギオンリーのものを買って炙るなどした後、七味マヨネーズで食べようと思っています。ありがとうコオロギ。可愛くて美味しいって最強だなお前。愛してる。


 以上、初めての昆虫食レポートでした。少しでも興味が湧いた方は、自分と同じように最初は素揚げから入ってみるのがオススメです。
 それではまた!

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