【編入合格体験記】令和7年度編入学 横浜国立大学 理工学部 情報工学EP

この記事は、令和7年度の横浜国立大学の編入体験記になります。


自己紹介

・出身校:岐阜高専 電気情報工学科
・学年順位:3年次:13位 4年次:17位
・併願校:神戸大学(未受験) 専攻科(不合格)
・受験年:2024年
・TOEIC:660(395/265)

志望理由

・AIに関する研究(特に生成AI)がしたい
・高専からの就職は少し嫌なのとまだ学生でいたかった

科目ごとの勉強内容

数学

4年9月ごろから編入数学徹底研究を始めましたが、高専祭や修学旅行などが重なって思うように進みませんでした。1周目が終わったのが12月くらいだった気がします(かかりすぎ)。そこからはさすがにまずいと感じ2周目を2月には終わらせました。過去問特訓は4月5月に1周ずづ行い合計2周しました。

物理

5年2月ごろに物理のエッセンスを1周し、4月から弱点克服大学生の初等力学を始めました。6月までに計3,4週はしたと思います(3,4週目は間違えたとこだけ)。

英語

勉強が思うように進まなかったすべての元凶。元々英語は大の苦手で、高専でも偶によく赤点ギリギリだったりしたのですが、4月に受けたTOEIC-IPで300点だったときは絶望しました。そこから何度も受けたのですが、
8月:515
11月:485
1月:575
3月:615
4月:660
という感じで最初と比べたら上がってはいるのですが、最初が低すぎるだけなのでだめですね。何より勉強時間が死ぬほど取られました。

専門

過去問パートで後述

過去問の対策

横国の試験はかなり傾向があり、正直過去問ゲーです(フラグ)。過去問は6月から始め、1か月間はずっと過去問10年分をを解いていました。過去問の内容に少し触れるので見たくない場合スルーしてください。

数学の傾向、対策

大問1は行列式の固有値、固有ベクトル、対角化、n乗などの基本的な問題が出ます。過去問特訓のAレベルなので勉強していれば問題なく解けます。
大問2は微分方程式が2問出ます。しかし微分方程式とは名ばかりのただの積分問題です。大体の問題が斉次方程式であり、両辺の積分をする問題ばかりです。その分積分は少し難易度が高くなっているため、微分方程式の対策をすると同時に積分力をつけることが大事です。
数学は全体を通して難易度は優しめなので稼いでおきたいです(後述する物理が難しいため)。

物理の傾向、対策

前述のとおり横国の物理は年によってばらつきはあれど全体的に難易度が高いです(令和4,5は特に)。なので満点を取るのにはこだわらず、解ける問題を確実に解くことを優先するといいです。問題の傾向としては幅広く出題されているのでこれといったものはあまりないのですが、運動方程式をいくつも立ててそこから答えを導くといった形式の問題が多い気がしています。また慣性モーメントは何年かに1回出ているほか、単振動などの円運動に関する問題は過去10年ありませんでした。

論理回路

論理回路は高専で受けた授業の範囲内で解ける内容なので、身構えなくていいです。一応学校で使っていた教科書を何度か読み返し思い出しながらやっていました。傾向としては完全系に関する問題が必ずと言っていいほど出題されるため、そこは必ずできるようにしておいた方がいいです。単元的に難しい問題が作りづらいと思うので、確実に解けるようにするといいです。

アルゴリズム

年度によりますが難易度が高いです。線形リストやソートアルゴリズム(バブルソート、クイックソート、マージソートなど)や再帰関数の問題、2分探索木などがよく出題されます。参考書は「C言語によるアルゴリズム入門」という本を使いました。再帰に関する問題以外は知識があれば何とか解けるのですが、再帰に関してはわかっていても時間がかかったり途中で間違えてしまうことが多々あるため最悪です。何度も過去問を反復して再帰に慣れるしか対策はないと思います。あと頭の中だけでやるのはやめましょう。絶対に書いた方がいいです。

C言語

アルゴリズムがC言語で出題されるため、基本的にはアルゴリズムの対策と並行でいいと思います。一つだけ、変数のスコープに関する問題(グローバル変数やstatic変数の扱い)が出題されることがあるので、そこは個別に対策するといいです。

Java

年によって難易度と傾向がかなり変わる単元です。オブジェクト指向に関する継承や抽象クラス、インターフェースなどを記述する問題が主なのですが、偶に再帰関数や線形リストなどが出たりもします。参考書には「スッキリわかるJava入門という本」を使いました。基本的にはJavaのオブジェクト指向の勉強をしていれば大丈夫なのですが、過去問にある再帰関数や線形リストの問題は個別で対策しておくといいです。

余談

10年分の過去問を解いていて気づいたことがあり、専門の試験を作っている教授が3,4年ごとにローテーションしていることです。Javaの問題を見るとほぼ一発でわかると思うのですが、サッカー好きな教授、図形教授、再帰教授、特徴なし教授が回していると思われます。結局すべて対策すると思うのであまり意味はないかもしれませんが参考までに。

当日の試験

数学

大問1は、傾向通り固有値と固有ベクトルの導出と対角化が出たのですが、(3)で標準形を答える問題が出題され、過去問で1度も出題がなかったため対策を怠り見事撃沈しました。
大問2は、(1)が見た目かなり難しい微分方程式だったのですが段階的に解けばそこそこ難しいで済みました。しかし(2)で問題の写し間違いをしてしまい、解けない積分をずっと解く羽目になりました。写し間違いには、気を付けよう。
数学6割(体感)

物理

過去10年間出題のない振り子の問題が出て絶望しました。問1から3は単振り子の運動方程式の導出と周期を求める問題で何とか解けたのですが、その後の振り子のエネルギー保存のに関する問題がなぜか試験中思いつかずに解けませんでした(数学で時間を使いすぎたのもある)。
物理5割

論理回路

大問1は真理値表からカルノー図を埋める問題と、XORのみで論理回路を作る問題、NANDゲートの必要数の最低値などが出ました。
大問2は大問1の真理値表から状態遷移図と状態遷移表を書く問題でした。全て解けたと思ったのですが、回答を見たらNANDゲートの必要数が違っていました。
論理回路8.5割

アルゴリズム

完全二分木に関する問題でした。すべてソースコードと実行結果の空欄を埋めていく問題であり、過去問で二分木が出たことがあまりなく、少し焦りました。しかしよく見たらただ前順、中順、後順に二分木の要素を出力するだけのプログラムだったので、それに気づいたら問題なく解けました。
アルゴリズム10割

C言語

ソースコードから、変数のスコープに注意しながら出力結果を答える問題でした。過去問でこの形式の問題は何度か出題されていたため、これはキタと少し喜びました。しかし、過去問の問題をさらに複雑にしたソースコードになっていて、解いていてすごく気持ち悪かったです。また終了5分前の見直しでミスに気づき、何とか解けました。
C言語10割

Java

連結リストに関する問題でした。この問題も過去問で一度出題された問題だったため、途中までは難なく解いていましたが、途中から片方向だったリストが双方向リストに変化して問題の理解に時間がかかりました。最終的に全て解けましたが、回答を見ると少し記述の仕方が違う部分があったため、自分のでもあっているのかもしれませんが多分完答ではない気がしています。
java9割

面接

面接官は2人でした。主に以下の内容を聞かれました。
・志望理由
・自身の長所、短所
・試験の出来
・修士、博士課程まで行く気があるか
・高専でやっている卒研について
他には志望理由で話したことについて深堀されたくらいです。過去の体験記を見てそこまで気張る必要はないと思いましたが、意外と深いところまで聞いてきたので結構焦りました。自分が話した内容についてかなり痛いところをついてきたりするかもしれないのである程度は考えておくといいと思います。

合格発表

発表が12時頃だったのですが、運悪く7時頃に起きてしまい、発表時まで生きた心地がしませんでした。早くこの苦しみから解放されたいと思い、ためらいなくpdfを開いたら自分の番号があって家中を走り回りました。一緒に受験した友人2人も合格していて本当に良かったです。

最後に

一般入試はよく個人戦だと言われてていて、実際一般入試は教材や予備校、模試などがあるのでそれが正しいと思います。しかし編入試験はそれらのものが充実しているとはいえず、模試はおろか過去問の回答がないなんてこともざらにあります。だからこそ編入試験は団体戦だと思いました。もちろん一人でも受かることはできると思いますが、複数人で勉強することがかなりのアドバンテージになることは間違いないと思います。実際自分も友人2人と勉強していなければ合格できていなかったかもしれません(それくらい2人には助けられました)。一緒に勉強することでモチベーションが維持できるのもそうなんですが、何より過去問を全員で解いてほぼ模範解答までたどり着けるのが大きいです。倍率が上がって受かりにくくなると思うかもしれませんが、編入試験の性質上多くの大学がボーダー制を採用していると思うのでそこを気にする必要はないと思います。なのでもし友人がどこを受けようか迷っていたりしたら、誘ってみるといいと思います。以下に一緒に受けた2人の体験記も載せておきます。







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