見出し画像

【役員紹介】前原あゆみ(会計)


男女共同参画視点から避難所運営を考える議員連盟 会計 八潮市議会議員の前原あゆみです。

大学院で学んだ「政治経済学」「ジェンダー経済学」、大学講師として教えてきた「国際経済論」「経済政策」の視点を活かして、「子育て支援政策」を実現し、切れ目のないケア、持続可能なまちづくりを目指して活動して参りました。

研究業に勤しんでいた頃から男女共同参画基本法が施行されているのにも関わらず、日本はなぜこんなにも長年女性を取り巻く環境が大きく改善しないのか、その根底には何があるのかという問題意識を抱えていました。

議員になって改めて日本のジェンダーギャップは政治・経済分野で非常に遅れているという事を痛感しています。

世界経済フォーラムのジェンダーギャップ(男女格差)指数(2023)でも、日本は世界146カ国中125位と過去最低を記録しました。

ジェンダー(gender)とは、社会的に与えられた性差を指します。ジェンダーギャップは、「政治」「経済」「教育」「健康」の4分野のデータをもとに析出されますが、ジェンダー平等の進んでいる国は幸福度ランキングも上位であるというデータが出ています。

日本では内閣府男女共同参画局が新設され、男女共同参画社会基本法(1999)が施行、2003年には、社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合が30%程度となることが目標とされました。しかし、現在なお、女性議員比率は衆参合計で15.6%というように「政治」「経済」分野での改善が遅れています。

この状況を踏まえて、第5次男女共同参画基本計画(2022)においては、2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指すこと、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%となるよう目指して取組を進めること、という目標が新設されました。また、地域防災計画における男女共同参画視点の必要性が明文化され、防災・復興ガイドラインの「避難所チェックシート」が提示されました。

内閣府男女共同参画局の2023年の調査では、過去の震災において女性が直面した問題として、授乳・洗濯・更衣室などのプライバシーの欠如、避難所運営責任者に女性が極めて少ないため女性用の必要物資を要望できないこと、炊事当番が女性だけに割り振られ負担が大きいという問題が明らかとなりました。

こうした問題の背景に固定的な性別役割分業があります。高度経済成長期の日本では、経済合理性から男性が外で働き、女性は家事・育児・家庭教育・介護など家の仕事に専念するという性別役割分業が定着しました。その後、女性の社会進出が進んでも、政治、経済、経営、法律、医療、大学などは男性の仕事、育児、保育、看護、介護といったケアは女性の仕事というように男女の社会的役割が分けられてきました。

平時における社会の課題は、非常時に顕在化するものです。避難所の運営体制に目を向けてみても、被災者の半数は女性にもかかわらず、現実には、女性職員が防災担当部署に1人もいない自治体が全体の6割を占めています。また、避難所運営委員会においてもほとんどの委員が男性のため、女性のニーズがくみ取られないケースが散見されます。

男女共同参画視点の避難所運営を考える議員連盟は、「男女」という二項対立を強調する文脈ではなく、むしろ性別という枠を超えて、一人ひとりが相互理解をして協力しあう事で、地域の防災力の向上に繋がると考えています。

 実際に八潮市議会において、「女性視点の避難所運営について」(2023)、「男女共同参画視点の避難所運営について」(2024)と一般質問を重ねた所、庁内の女性職員で構成する「女性視点の避難所運営検討会」が設立され、女性の感覚を意識した避難所運営が図られるよう環境整備に取り組み始めていることが明らかとなりました。検討会は、過去の震災において女性が避難所で直面した事例を念頭に、避難所のレイアウトや運営の役割について、女性視点で検討を行い、それを八潮市避難所開設・運営マニュアルに取り入れていく予定であることが分かりました。

こうして避難所運営に男女共同参画の視点が導入されることによって、地域コミュニティに男女共同意識が醸成され、男女が共に主体的に活動できる地域が形成されていきます。

その第一歩として、本議連メンバーが実践的な学びを通して男女共同参画視点を正しく理解し発言していくことで、地域の意識の変化に繋げることが本議連の意義であると考えます。

皆さんと共に男女共同参画社会実現への一歩を踏み出せる事を期待しています。


埼玉県八潮市議会議員議員
男女共同参画視点で避難所運営を考える議員連盟(会計) 前原あゆみ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?