「スキップとローファー」みたいな青春とは無縁でした。

「スキップとローファー」、良いよね。お手本みたいな青春って感じ。
私が高校生だった時はコロナウイルスが流行り始めて、学校は休み、部活動は禁止、行事は10キロマラソン大会以外全部中止。

10キロマラソンも中止しろよ!!

3回きっちり10キロ走りました。行事が中止になったり、学校が休みになるのは個人的にはラッキーと思っていたけれど、マラソン大会は無くならないと知った時、行き場のない怒りで目を真っ赤にしたものでした。

そんな状況でも、みつみちゃんなら楽しめたんじゃないかなと思う。私は「スキップとローファー」ではみつみちゃん推しです。

みつみちゃんはとてつもなく運が良くて、簡単に全部かっさらって行っちゃうような、生まれ持っての主人公みたいな感じだと思っていた。そういう子のことがどうしようもなく羨ましくて、うっすら嫌いだけれど、嫌いになってしまう自分のことはもっと嫌いになってしまうみたいな底のない自己嫌悪に引き摺り込まれてしまいそう。たぶんミカちゃんもそうだったんじゃないかと思う。

けれど、見続けていくうちに、みつみちゃんはたまたま志摩くんに好かれたラッキーガールじゃないことに気づく。まずみつみちゃんはとんでもない努力家だ。そして意外と人の気持ちに聡い。
少女漫画の主人公は恋に夢中で周りが見えていなかったり、他人の感情に鈍感で、自分が幸せになることしか考えていないみたいな感じがして(ど偏見すぎる…)苦手だった。
入学式の後、みつみちゃんがミカちゃんに話しかけたけど、冷たくされてしまったシーン。みつみちゃんがなんとなく察しているのを見て、この子なんかいいかもと思った。そして今では大好きです。

危なっかしいところも多いけれど、みつみちゃんなら応援したくなるよね。

そして私はミカちゃんも大好きです。「スキップとローファー」の中で一番感情移入してしまうのがミカちゃんだと思う。あまりにも等身大の女子高生すぎる。こんなに解像度の高いキャタクターを生み出してしまうなんて、作者さんはもしや女子高生…?と思ってしまいました。もしかしたら志摩くんみたいな素敵な恋人ができちゃったりして…なんてちょっぴり期待してしまう気持ち、わかりすぎる。
でも結局立ち位置とか、表面的なところじゃなくて、相手とまっすぐ素直に向き合うことができる人が最強なんだよね。みつみちゃんみたいな。

私がムカつく奴の名前をふたつ覚えてる間に岩倉さんは親切にしてくれた人の名前をひとつ覚えるんだろう

「スキップとローファー」で一番響いた言葉です。

マラソン大会が決行された怒りとか、部活の引退ライブができなかった悲しみとか、もちろん忘れられないんだけど、それ以上に大好きな友達の笑顔やくだらないけれど楽しかった会話をたくさん覚えておきたいよね。


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