(備忘録)こわいいえの怪談話について【ポケモンXY】

『ポケットモンスターX・Y』のストーリー中で立ち寄ることになる「こわいいえ」では、中にいるジェントルが以下のような話をする。

テキスト



……では はじめましょう

むかしの ことです

わたしは みちに まよって
このいえに たどりつきました

つめたい あめが ふる
よなかの ことでした

でんきも つかない いえのなかを
おそるおそる さぐるのですが

だれも いる けはいも ないまま
わたしは キッチンに たっていました

れいぞうこを みつけ あけると
うっすらと ひかりが もれ

まわりの ようすが
ぼんやり わかってきました

へやの かたすみに うずくまる
おとこのひとが いたのです

わたしは まよったこと
ひとばん とめてほしいことを

おとこに つたえるため
ちかよろうと すると……

おとこのひとは
『くるな!』とさけびます

わたしは あやまりつつ
『すいません たすけてください』と

おとこのひとに たのもうとすると
『おまえじゃない!』と……

わたしは おどろき
おとこのひとを じっと みつめます

すると おとこのひとは
こう たずねてきました

『おまえには みえないのか?

おまえの うしろには……

かおのない おとこ ばかりだぞ!

さてと…… すてきに
こわい おもいが できたんだ

ちょっとばかし はずんでくれるよね
でないと ほんとうに こわいよ……?




↑こんなんで金取んのかよ?! くそったれ!



意義

https://www.pokemon.jp/special/kowapoke/horrorspot/horrorspot002/

公式で、ミアレの幽霊とこわいいえのジェントルとの関連が説かれたという点は注目に値すると思う。
このことを念頭に置いて、テキストの内容を見てみたい。


まず、この話の状況は、ほんとにあった話ではなさそうだと思う。
話の前提から怪しい。

道に迷って、というものの、まずこの語り手がいったい何者なのかわからない。一体どこを目指している最中にこうなったのか? 雨降る夜中に、どうして出かけたのか? その辺の説明が一切なく話の厚み、具体性を欠いている。怪談としてもそれほど怖さを覚えない。他にも突っ込みどころはあるが、割愛する。

つまり、この話は具体的に何かの出来事を伝えるものではなく、もっと観念的、抽象的な何かを示す話なのではないか、と思うのである。
怪談話を聞いた後にこのジェントルに話しかけると、

「さあね……
しんじつは いわぬが はな……
おはかまで もっていくものです……」

と発言する。おそらく、ジェントルが体験したか、あるいは見聞きしたことを改変して作った話なのだろう。それゆえ、この体験がどういったものだったか読み取るのは容易ではない。

このジェントルの素性については、上に掲げたポケモンだいすきクラブのページの中で、以下のように言及がある。

あのおじさんは、オカルトマニア界で
とっっっても有名な方よ! 知らなかったの!?

町内会でこわい話をしたらすごくウケて、今ではミアレシティいがいのいろんな街から、話を聞きたいって人がたずねてくるんですって。
もしかすると、あのゆうれいに出会っていたのかもね……。

https://www.pokemon.jp/special/kowapoke/horrorspot/horrorspot002/

正直あの話の何がウケたのか理解に苦しむが、あの薄気味悪い14番道路のあたりの町内会(そんなものあるのか???)のみなさんにとっては興味深い内容だったらしい。

ジェントルはこの話が評判になったからオカルトマニア界で有名になったということなのだろうが、彼自身の経歴には言及がない。依然として彼の正体はよくわからない。

そうなってくると、関連をにおわせているミアレの幽霊が何なのかについて考えた方がいいことになるのだが、この幽霊の正体も諸説あり、今の段階ではそちらに言及する用意はないのが現状である。


やはり話のテキストを徹底的に読み込むくらいのがいいのかもしれない。しかし今のところ妙案があるわけでもなく、作業内容自体、夢の内容を分析しているみたいで、フロイトでもユングでもない私には荷が重い話である。(もしかしたら何も考えていないかもしれないし、、、、)

という経緯で行き詰ってしばらく思考放棄していた。そこでレジェンズZ-Aの発売が決定したので、真相解明はそちらに任せ、伏線の一つとしてこわいいえの怪談話が存在することを書き留めて擱筆する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?