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ずっと好きだったんだぜ


僕は○○
大学卒業後、NOGIイノベーションという会社に就職して3年が経った。

この会社に入社した時にある人物に会って驚いた。

??:おはよ!○○!

○○:あぁ、おはよ。“遥香”


驚いた人物とはこの女性、賀喜遥香。
彼女は小学校、中学校が一緒だったが高校が
別の学校だった為、その時以降あっていなかった。
入社式の時に再開した時はほんとに驚いた。
会社で遥香とは隣の部署同士だ。

遥香:今日も仕事がんばろうね!

○○:うん。がんばろ!

遥香:じゃあね!

遥香は笑顔で手を振り自分の部署に向かった。

??:朝からお熱いことですね~

○○:そんなんじゃ、ねーよ“さくら” 


ニヤニヤしながら近づいて来たのは遠藤さくら。
大学からの同期で僕と同じ部署だ。

さく:そのあいさつだけでこの会社の男を何人
   敵に回してるんだか…

○○:そんな人気なのか?

さく:そりゃね。美人でスタイルがいい。
   仕事もできて周りの人と分け隔てなく話す。
   非の打ちどころがないくらい。

○○:昔はそんな感じしなかったけどな…

さく:ほかの男子からかっきーの連絡先をねだられるし…

○○:そういうお前もモテるけどな。

さく:え?そうなの?

○○:俺も何度かさくらとの飲み会をセッティング
   してくれって頼まれたこともあるよ。

さく:それでなんて答えてるの?

○○:めんどくさいって。

さく:ちょっと!なんでチャンス勝手につぶすの!

○○:お前の場合勝手に男寄ってくるだろ。

さく:言い方どうにかならない?

――


遥香:いいなぁ…さく。あんなにお話できて…。

さく:だったら私じゃなくて○○をランチに誘えば?

遥香:でも、○○人気だし…。忙しそうだし…。

さく:まぁ、あいつ仕事できるから外回りに行くこと
   多いんだよね。

新人研修で意気投合した私とかっきーはこうして
よくランチに来ます。
でもかっきーから聞く話は九分九厘○○の話です。

さく:幼馴染でしょ?
   仕事終わりにでも飲みにとか誘えば?

遥香:無理無理!緊張しちゃう!

さく:朝の挨拶はできるのに?

遥香:だって久しぶりに会った○○かっこよすぎて…。
   あれが限界…。

さく:まったく…。

普通の男ならかっきーと話すだけで落ちるのに
あいつはそんな感じがしない。
あいつはどんな神経してるんだか…。

さく:飲みといえば、今度同期で飲み会あるよね?

遥香:そういえば、あったね。

さく:その時がチャンスじゃない?

遥香:でも自信ないなぁ…。

さく:大丈夫!かっきーがその気になれば大丈夫だって!

遥香:うん。がんばる…。


明らかに自信なさそうだな~。
仕方ない親友の為にひと肌脱ぎますか!


――

さく:○○。今日飲み会行くよね?

○○:あぁ、そんなんあったな。めんどくさ…。

さく:行かないの?かっきーいるよ?

○○:なんで遥香がでてくるのよ。

さく:久々に会って二人で落ち着いて話してないでしょ?
   積もる話もあるんじゃない?

○○:まぁ、そうね…。

さく:はいっ!決まり!

○○:わかったよ。

よしっ!とりあえず第一段階はクリア!あとは現地で…

――

“カンパーイ!!”

飲み会が始まってしまった…。

私はさくに言われて○○の向かいに座ってる。

あらためて○○を見ると中学の頃の優しい印象を
残しつつかっこよくなってる。

○○:ん?遥香どうした?

遥香:えっ!?
   いやっ、なんか落ち着いてしゃべるの
   久しぶりだな~って。

○○:まぁ、なんだかんだ忙しかったからね。

遥香:高校の時とか彼女いた?

○○:まぁ、一応…。

遥香:へ、へぇ~そ、そうなんだ~…。 

聞かなきゃよかった…

○○:そういう遥香は?

遥香:わ、私はできてないよ…。

言えない。
中学の頃から○○が好きでほかの男の子には
興味がなかったことを…。

○○:そっか。なんか意外。

遥香:へ?

○○:遥香って今の会社でもそうだけどモテるからさ。
   彼氏作るのに苦労しないだろうなって。

今絶賛苦労中ですが?!

遥香:○○こそ高校の彼女とはなんで別れたの?

○○:え、う~んなんていうか…。波長が合わなかった。

遥香:ふ~ん

○○:その時はまともに話す女の子って
   遥香くらいだったから。

遥香:えっ?


私の記憶が正しければ中学の頃も結構モテてたはず?

遥香:中学の頃、女子と話してなかった?

○○:その…なんていうか…。
   あんまり興味なかった…。

――

言えない…。

僕が遥香のことずっと好きだったこと。

小学校の頃はただの友達としか思っていなかったけど、
中学に入った時に気づいた。


僕は遥香のことが大好きだってこと。



でも高校が別々になって、会うことができなくなった。

その寂しさを埋めるために彼女を作ったけど、
遥香のことが忘れられなくて長続きしなかった。

だから、入社式であった時は本当にうれしかった。

――

幹事:よしっ、今日は解散!

さく:○○!○○って最寄り××駅だよね?

○○:そうだけど?

さく:じゃあかっきー送ってあげて?隣の△△駅だから。

○○:まぁ…べ、別にいいけど…。

遥香:ほんと?

○○:さすがに夜遅いし…。

ほんとこの優しいところ変わってないな…。

遥香:じゃあ…お願いします…。

――

遡ること前日…

さく:いい?飲み会の帰りは絶対に送ってもらうこと!

遥香:でも、断られないかな…。

さく:大丈夫!○○はかっきーの隣の駅だし。

遥香:うん。わかった。その後は?

さく:わざとふらつく。そして家に上げさせる…

――

大丈夫!さくに言われたことを実行するんだ!

遥香:おぉっと!

○○:遥香!大丈夫?

私はわざとよろけて○○にもたれかかった。

近い…近いよ!

――


近い…近いよ!!

こっちはただでさえ遥香と二人きりで心臓バクバクなのに!!!

○○:歩けるか?

遥香:へへっ笑ちょっと飲みすぎたかな?

○○:とりあえず、家までがんばれ。

遥香:あのっ…その…。

○○:ん?

遥香:腕組んでていい?ちょっとまだふらつくから…。

○○:う、うん。い、いいよ!

遥香:ありがと…。

心臓もたんて…。

――

やばい心臓バックバクなんだけど!!

流れで言えたとはいえすごい恥ずかしい…。

とりあえず、家までもう少し!持ってくれ~私の心臓!!

――

遥香:あっ、私の家ここだから…。

○○:おおう、そうか…。

ふぅー。何とか着いたな…。

後は遥香を見送って…

○○:じゃぁ、俺h…

遥香:家上がっていかない?

○○:へ?

――

やばい…言っちゃった…。

遥香:そのっ、結構歩いたし…疲れたかなって…。

○○:いやっ…でも…。

ええい!引くな!こうなったらさくに言われた通りに…。

遥香:だめ?


私は上目遣いでそういった。

――

反則だよ…

そんな顔されて拒否できる男いないよ?
ある意味、顔面凶器だよ?

○○:じゃ、じゃお言葉に甘えて…。

遥香:うん…。はいって…。

――

わーーーどーーしよーー!!家に上げちゃったーー!!!

もう引き返せない!ええっとさくに言われたのは…。

“素直に自分の気持ちを伝えなさい!”

――

わーーどーーしよーー!!家に上がっちゃったーー!!

どうする?このままだと一線こえてしまう!!!

いや、いっそ…。いやいや!それはダメだ!

そういうコトするのはちゃんと…。

――

遥香:あ、あのさ…。

○○:ん?

遥香:今日の飲み会で彼氏作らなかったって
   話したじゃん?

○○:うん…

遥香:それはね○○がいたからだよ?

遥香:私…。○○のことが…。

○○:待って!!!

遥香:えっ…。

○○:俺の話も聞いてほしい…。

遥香:うん…。

○○:俺高校で出来た彼女とすぐ別れたって
   言ったでしょ?
   俺も遥香がいたからだよ?

遥香:えっ…。

○○:高校に入って遥香に会えなくて寂しかった。
   それで彼女作れば紛れるかなって思った。
   でも、それが遥香への思いを強くした。

遥香:…。

○○:遥香…。俺…。




遥香のことが大好きです。





遥香:○○…。

○○:だから、付き合ってください!

遥香:わ、私も○○のことが大好き!

○○:ほ、ほんとに!?

遥香:うん!

私たちはその場で抱きあった。

○○:よかった…。

遥香:私たち両想いだったんだね!

私たち見つめあって笑っていた。

○○:遥香…。

遥香:○○…。

私たちは吸い寄せられるように唇を重ねた。


遥香:えへへっ笑

○○:遥香…。好きだ。

遥香:私も…大好きだよ!

その後のコトはみなさまのご想像にお任せします!

まぁ次の日の朝、私は○○の腕の中で目を覚ましたって
ことだけ言っときます!

――

次の出社からは一緒に手をつないで出社してます。

たださくらに見られていたらしく社内でしつこく話を聞いてきます。

でもいいっか!


だって僕は…。


――


私は…。



――


幸せだから!!


Fin


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