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金属光沢を持たせてさびを止める。

フレームのような主要部品はステンレスが使われたり、めっきしてあってさびないけど、小さな部品はめっきが薄かったりさびてしまうことがあると思います。
この自転車で言うと、この六角穴付きボルトです。

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この六角穴付きボルトを下塗り ローバル + 上塗り マットカバーできれいにします。亜鉛含有率96%のローバルでさびを止め、黒灰色のマットカバーでハンドルの黒に合わせする仕様になります。

最終的にはマットカバーを磨いた黒色金属光沢仕上げで完成させますが、その過程でローバル仕上げ、ローバルを磨いた金属光沢仕上げ、マットカバー仕上げの写真も撮影しています。

さび落とし

ローバルは鉄に直接塗る必要があるので、ワイヤーブラシでさびを落とします。

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ローバル仕上げ

ローバルスプレーで塗装して仮組付けしました。光沢がない仕上がりなので、あまりハンドル部とはマッチしない印象です。

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ローバルを磨いての金属光沢仕上げ

やわらかい真鍮製ワイヤーブラシにて磨き、金属光沢を出してみます。ローバルが塗っているのがわからない普通の六角穴付ボルトのような印象で、仕上がり感はかなり良くなりました。

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マットカバー仕上げ

ハンドル部が黒いので黒灰色のマットカバーを塗りました。光沢がない仕上がりです。

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マットカバーを磨いての黒色金属光沢仕上げ

マットカバーのままだと金属感はないので、磨いて金属光沢仕上げにしてみます。磨いた時の変化はローバルほどではありませんが、マットカバーに金属光沢が追加されて、鉛筆の芯のような黒になりました。個人的にはこれが一番良いように思います。

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[失敗]六角レンチが入らない

六角の穴にもローバルとマットカバーを何も気にせず塗布していたので、六角レンチが六角穴付きボルトに入りません…。

六角レンチを無理やり押し込んだら、膜が剥離しました。

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カップ容器の中にスプレーを吹き付け、塗料液を取り出して、ハケ塗りで補修して完成としました。

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穴への塗布は少量にしてもう1回

もう1カ所六角穴付ボルトがさびているところがあったので、上の反省を踏まえて、もう1回やってみます。

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穴の中は少しだけ塗り、仕上げたのが下の写真です。

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六角レンチで締めても傷が入らないようにするのは無理ですが、膜が剥離するようなことは起きませんでした。

鉄に水や空気を触れさせない環境遮断でさびを止める一般的なさび止め塗料と違って、ローバルは亜鉛の犠牲防食作用でさびを止めています。そのため、傷が入ってもさびを止める働きがなくなるわけではありません。これくらいの傷は気にしません。(もちろん塗った方がいいです…。)

まとめ(ビフォーアフター)

Before。

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After。

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ここに一般的なさび止め塗料を塗ってしまうと、金属ばかりのところに塗膜があることになり、違和感が出てしまいます。ローバル製品を塗って磨く方法なら、金属感がある印象のままでさびを止められます。

下の自転車にも同じやり方で、ローバルを塗って磨いてあります。違和感はなく仕上がっているので、遠目にはどこを塗ったかわからないくらいです。

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以上、「金属光沢を持たせてさびを止める」という使い方をご紹介しました。この追加事例のローバル塗装部位が分かる写真は記事の一番下に載せておきます。

今回用いた塗料

ローバルとマットカバーを使いました。

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関連記事

ローバルを磨いて金属光沢を出す動画です。

亜鉛による犠牲防食作用の記事です。

部品ではなく、もう少し大きなハンドルを塗った記事です。

スプレーの使い方を解説した記事です。

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追加事例

ローバル塗装部位

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塗装完了後。

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塗装半年後。

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(記事担当:MTMTH)


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