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「異種金属接触腐食」を防ごう♪

前回記事にて、「異種金属接触腐食 (ガルバニック腐食)」がどんなものかを説明いたしました。

この「異種金属接触腐食」、鉄とステンレスが接触して、鉄がどんどんさびてしまう現象を亜鉛の入ってさび止め塗料 ローバルでどう防げばよいのかを考えてみます。

塗装の仕方

塗装する際に、考えられる塗り方は以下の3つです。
1.鉄だけにローバルを塗る

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2.ステンレスだけにローバルを塗る

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3.鉄とステンレスの両方にローバルを塗る

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これらを前回の実験と同じように0.05wt%の食塩水に浸漬させたら、どうなるでしょう。今度の写真は前回記事の28日後と異なり、50日後です。

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実験結果1.鉄だけにローバルを塗る

“1.鉄だけにローバルを塗る”は、鉄がさびてしまいました。

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ローバルを塗布しているにも関わらず、ステンレスの「さびようとする力」が鉄側に集まり、さびが発生してしまいました。表面積が大きいほどステンレスの持つ「さびようとする力」は大きくなります。今回のステンレスは鉄よりも大きいので、強い腐食促進作用が働きました。

実験結果2.ステンレスだけにローバルを塗る

“2.ステンレスだけにローバルを塗る”は、鉄がほとんどさびていません。

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ステンレスにローバルを塗って亜鉛膜を形成することで、鉄よりもさびやすい亜鉛の方に「さびようとする力」が集まっています。これが前回の犠牲防食が働いている状態。
でも、鉄の下の方は少しさびています。これは亜鉛から遠いために鉄の代わりに亜鉛がさびるという効果が及ばなくなっているからだと思います。

(食塩水という導電性のある液体に浸漬したのでこの実験では鉄の板はさびていませんが、大気中ではこのやり方では鉄はもっとさびると思われます。)

実験結果3.鉄とステンレスの両方にローバルを塗る

“3.鉄とステンレスの両方にローバルを塗る”はさびてません。

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鉄とステンレスという2つの金属に全部ローバルを塗ることで、亜鉛で構成されたローバル塗膜が「さびようとする力」をすべて取り込んでいます。「さびようとする力」が均一化され、一カ所に集中することがなくなったことで、腐食の促進を抑える効果につながったと考えます
異種金属接触による鉄の腐食を防ぐには、すべてをローバルで塗ってください♪

まとめ

異種金属接触腐食は問題になるのは、ステンレスの「さびようとする力」が鉄に集まってしまうこと。
ステンレスにローバルを塗ることで、ステンレスの「さびようとする力」はローバル塗膜に来ますので、鉄に行くことはなくなります。異種金属接触による腐食促進はなくなります。
鉄はステンレスと接触していなくてもさびてしまうので、そこにもローバルを塗って鉄の「さびようとする力」をローバルで受けて、さびを防ぐ必要があります。
鉄もステンレスも両方をローバルで塗ることで、より良い防錆効果が得られます。

**扱われる金属、金属同士の接触の仕方、周辺の環境等各種要因により、腐食状況は変わってきます。記事と同じ結果が得られるとは限りません。記事を参考にされる場合は、各人の責任にてお願いいたします。**

今回実験に用いた塗料はローバル

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↓↓ 亜鉛のさび止め性能についてはこちら ↓↓


(記事担当:MTMTH)

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