その切れ味、唯一無二 XF16-55mm f2.8 R LM WRを導入しました
富士フイルムのレンズ群には、赤バッジを冠したものが存在します。
赤バッジとは平たく言うと大三元に位置付けられているもので(正確には単焦点も赤バッジがあるので違うが)、他社と同様、富士フイルムの中でも別格として扱われています。
今回は赤バッジの中で最も汎用性が高い標準ズームレンズ、XF16-55mm f2.8 R LM WRを導入したので、その経緯や使ってみた使ってみた所感を述べていきます。
きっかけ
XF18-55mm f2.8-4 LM OISでの満たされなさ
ボクは富士フイルムのカメラをメインにしてからというもの、単焦点をメインにしつつ、バックアップとしてXF18-55mm f2.8-4 LM OISを使ってきました。
他社でいう小三元に位置付けられる焦点距離にも関わらず、f4通してはなくワイド端ではf2.8となり、おまけに4段分の手振れ補正つき。他社小三元と比較しても、コスパ抜群のレンズだと思います。
単焦点では使いづらいシチュエーションに添えることでそれなりに便利な運用をさせてもらっていましたが、XF単焦点の個性的な写りに対し、なんか物足りないと常に感じていました。
このレンズの用途は主に室内での子ども撮影。子どもの成長記録として納得いかない写真を量産することは後々後悔に繋がってしまう気がしたので、乗り換えを検討しました。
単焦点レンズを複数を持ち出す苦痛
外出時の撮影はスナップがメインです。今までは標準〜中望遠までの単焦点を揃えて、その日の気分でつけて被写体を探すようなスタイルを取っていました。
このような撮り方も一期一会で面白いのですが、単焦点一発なのでどうしても打率が落ちてしまう。必要なときに必要な画角がない不満は、どうしても出てしまいます。
そこで複数の単焦点を持ち歩くスタイルにしてみたのですが、これもまた苦痛。外でレンズを交換することもリスクとストレスがあります。ボクの場合、退社後のアフター5でにスナップに出ることが多いので、通勤カバンに複数本単焦点レンズを入れるのはなかなかの苦行。
これらの理由から、よりメインで使える標準ズームレンズが欲しいと思いました。
レンズ選び
Xマウントの標準域をカバーするズームレンズには、以下のレパートリーがあります。
XF16-55mm
XF16-80mm
XF18-135mm
Tamron 17-70mm f2.8
Tamron 18-300mm
今回の目的はXF18-55mmを超えるレンズなので、この中で選択肢としてはXF16-55mmとTamronの17-70mmに絞られます。
Tamronのレンズは換算25.5mm~105mmと、XF16-55mmよりも焦点距離のレンジが広いというのが魅力。特にテレ端で105mmはポートレートでより活躍しそう。Tamronお得意の手ぶれ補正もついてるし。
ただレビュー数がほとんどないことと、ワイド端が24mmでないとことが気になりました。広角といえば24mmが最も使用頻度が高く、全景を捉えたい時に重宝する画角であるという経験則を考慮すると、今回は純正のXF16-55mmを選択しました。
作例
使ってみての感想
色のりのよさ
このレンズを使ってみて、色のりが非常に良いと感じました。作例として出したものは全てXF16-55mmで撮影していますが、皆さんのレビュー通り、単焦点レンズを使っているような色のりの良さをを感じます。
これは感覚的なものだけではなくMTF曲線としても表れています。15本/mmのグラフでは、ワイド端、テレ端ともに中心から離れた位置でも高い数値をキープしており、なおかつ15、45本/mm共にS、M方向の特性が揃っています。このレンズの素性の良さは数値としても証明されています。
汎用性の高さ
35mm換算24-85mmのこのレンズは広角から中望遠までをカバーしてくれるため、汎用性が抜群に高いです。極論、このレンズ一本で以下のレンズ群を所有していることになります。
18mm
23mm
27mm
35mm
56mm
これらのレンズの重量を積み上げると、その重量は裕に1kgを超えるでしょう。そう考えると、この重量は決して重すぎるわけではないと思います。
Proシリーズとのコンセプトが合わない
ボクの愛機X-Pro2との組み合わせは、やはりアンバランスになってしまいます。
そもそもProシリーズはスナップに特化したボディなので、ズームレンズと組み合わせたデザインはあまり良いとは言えません。
また、Proシリーズには手ぶれ補正がありません。レンズ本体にも手ブレ補正機構がないことから、手ぶれ補正なしで撮影することになります。
そうなると、シャッタースピードを稼ぎたい夜の撮影はどうしても厳しくなってきます。
このレンズはX-H系のガッシリグリップで手ぶれ補正効きまくりボディと組み合わせて本量を発揮できるレンズだと改めて認識しました。