オクトパストラベラー2 途中感想
この記事はゲームの根幹に触れるネタバレがあります。最終章未クリアの方はご注意ください。
発売から2か月ほど経ちましたが、やっと8人のストーリーをクリアしましたので、ここまでの感想を少し綴っていきます。
またこの記事はストーリーに対する感想のみ書いています。システムも含めての感想は最終章をクリア後に一緒に書いていきたいと思います。
自分のステータスとしては:
1はクリア済み、ガルデラは残念ながら未撃破;話は動画とかで把握しました
覇者は最初の三傑の話のみクリア
2は8人のストーリーをクリア、クロスストーリーはヒカリ/アグネア組のみクリア
最終章のネタバレを少し食らってる
ではキャラごとのストーリーの感想を。
オーシュット
獣人は人間とは別の価値基準を持っていて、それがストーリー内でかなりクリアに描写されているのがグッド。
オーシュットというキャラでいうと、獣に関してはかなり聖人。人間と接する時はなんとなく傍観者なところがありますね。いわゆる「上からの」というような傲慢で尊大な接し方ではなく、客観的に横から観察する第三者のような目線です。
辛い時はほしにくを食うのです(ビーフジャーキーもぐもぐ)。
キャスティ
キャラは言うまでもなく聖人。力(物理)を持っている聖人。そこにいるだけで安心感がマッハなみんなのおふくろ。潰れないようにゆっくり休んでくださいね。
キャスティのストーリーは「過去を探す」ストーリーで、無印も含めて、全ストーリーの中ではかなり異色です。
トルーソーに関しては特にいうことないです。純粋なものほど闇に染まりやすいでしょう。
ソローネ
話が重い。終わり方がすっきりしない、そして後味が悪い点も含めてプリムロゼのストーリーを彷彿とさせる。そして割と超展開。全体の根幹にかかわるストーリーなので、正直単体では評価しにくいですね。
ただ一つ、テーマとしては「親の呪い」というのがあるかなと思います。親世代の業を子世代に背負わせるという、非常に苦いテーマです。
クロードに関しては…最終章をクリアしてから考えたいです。最低だよこいつ。
ソローネというキャラに関しては、ストーリー内とパーティチャット内での雰囲気や振る舞いに若干ギャップがあるように感じますね。全体的な印象としては若干甘さが残っていて、かつ茶目っ気がある頼りになるお姉さんです。クロスストーリーは未クリアなので、それをやったら少し見え方が違ってくるのかもしれません。
オズバルド
復讐→誰かを守るという目的の変化がグッド。割と安定な落としどころとも言えるでしょう。話は山あり谷ありで、結構楽しめました。結末は少しビターで、余韻が残る仕上がりになっています。
オズバルドというパーティ内の年長者枠のキャラにこういう変化が生じるのは素敵ですね。
ハーヴェイはシリーズ全体で見てもわかりやすい小物ですね。中途半端に才能を持ってしまった小物。リツとはよく比較対象にされます。個人としてはリツはともかく、こいつは同情の余地が皆無です。
(リツの場合、どう足掻いてもヒカリとは同等の立場になることは決してないので、それを追い求める彼が余計哀れに見えます。)
パルテティオ
フィジカル(行動力)とメンタル両方が化け物な我が社長。ギフを舎弟にし、町を振興してアルロンドを頷かせ、サースティやロックにさえ手を差し伸べるほどの器の持ち主。
なんかこいつだけなろう小説してませんか?
というのは冗談で、声も含めて非常に魅力的なキャラクターです。自分が上司にしたいキャラNo.1です。少しだけでいいのでその人の心を動かす力を分けてください…
アグネア
アグネアの話は戦闘が少なく、人との交流がメインの話で、そこはすごく印象に残りました。戦闘が一切ないチャプターもありましたね。
話の内容も他のキャラと比べると雰囲気が軽くて、気軽に楽しめました。
印象深いサブキャラというと、ジゼルですね。砂浜で体育座りしてる宝塚系はさすがに笑いました。
テメノス
キャラは非常に個性的で素敵です。お前のような30歳がいてたまるか!「聖火の加護がありますよ…たぶんね」の一言でこいつ絶対ただものじゃないというのが伝わりました。
ストーリーに関しては、演出は独特で、話の雰囲気とピッタリマッチしてます。ただ展開はもう一声ほしかったですね。個人として割と不満?というか、違和感があったのは、クリック君の死は避けられるんじゃないか?という点です。作為的に感じますね。確かに「やっとお互い心を開いた矢先に片方が亡くなってしまう」というのはエモい展開ですが、聖堂機関という敵の総本山で単独行動をするか?こっちの体制がザルすぎでは?どちらかが襲撃されるのを、テメノスってそれを予想できない人なのか?…というモヤモヤが終始拭えませんでした。
カルディナの逆ギレにもさすがに呆れました。
なんか、この話では終始テメノスが何か・誰かを喪ってばかりで、非常にやるせない話です。テメノス自身、信ずるものに対する執着心が薄めなのがせめての救いなのかもしれません。
ヒカリ
一番思い入れがあるキャラとストーリーなので長めです。あとカザンの話も。
ク国の未来がざっとストーリー内で触れられたとはいえ、ヒカリって、すごく危ういところがあるんですよね。
ストーリー内で何度も「陰」の"ヒカリ"に飲まれかけたんですが、あの結末は、「陽」が「陰」を飲み込んだ、とも解釈できるんじゃないでしょうか。(間違ってたらご指摘ください。陰は残ってる?)
「陰陽」という思想では、「陰」が悪い、「陽」が良い、という考え方ではなく、両者のバランスの良い共存を主張するので、「陰」がなくなったら、これはこれで危ないです。
「陰陽」の思想では、強い「陽」は常に強い「陰」を伴う。強い光が強い影を生みます。
それが行きつく一つの可能性がカザンではないでしょうか。
最終章をまだ全部クリアしたわけではないので、あくまで妄想ですが、カザンの結末はまさに自分の光が生み出した影ではないでしょうか。
ただヒカリはカザンとは違い、壁にぶつかる時に、ヒカリはそれの解を外部に求めます。友たちに。
一方で、作中では手記でしか特に触れてないのですが、カザンはその解を頑張って内部から出そうとするタイプなんじゃないかな。頭がいいひとだけに、そこでつまずきやすいんです。
これはヒカリがカザンと同じ轍を踏まない、一つの理由なのかもしれません。
カザンについては、最終章をクリアしてからまた色々考えたいです。非常に気に入ったキャラだけにネタバレを食らった時は絶大のダメージを受けました。カザンショックです。
ちなみに、カザンは漢字で書くと「霞山」らしいですね。素敵。
そしてリツ。
リツ、ハーヴェイ、選ばれなかった相棒、このへんはよく一緒に話に上がりますね。あとドルシネア。
その根幹は「劣等感」ですね。劣等感から嫉妬が生まれる。この中でいうと、ドルシネアは一番強い人かもしれません。ちゃんと才能があって、かつ自分の負け…自分の弱さをちゃんと認められて、キタナイところがあるとはいえ非常に魅力がある人物です。
そもそも、リツは何を求めてたのか。成り上がって、人の上に立って、ミッカといい生活を送りたいだけなら、普通にヒカリの下につけば絶対悪いようにはされないはずです。
しかしその選択肢はリツにとって絶対にありえません。リツの敵意はヒカリ自身に対するものですから。そしてこの敵対は私怨によるものですし、一種の逆ギレです。
リツにとって、ヒカリは自分の不幸を再認識させるだけの存在です。ヒカリが「俺たちは友だ」と話す度、リツの胸の中の劣等感がくすぶって、自分が惨めになるだけです。
それに気づかない点も、ヒカリの弱さの一つと言えるでしょう。
たとえムゲンとヒカリが対立しなくても、ヒカリ側の接し方が変わらない限り、いずれ二人は決裂するでしょう。
じゃあライ・メイはどうか。ヒカリに私怨を抱いてないのか。
ジン・メイの死はその元を辿ればムゲンの罪であり、メイ家の業(ごう)です。陰のヒカリによってジンが怪我を負ったとはいえ、致命傷ではないです。
4章の話を読む限り、ライ・メイはこの件に関して、ヒカリに対して少なくともしこりは残っているはずです。ただどちらかというと、メイ家の無力さから来た焦りと恐怖のほうが勝る。そこさえ乗り越えれば、ヒカリの下につくのは自然至極とも言えるでしょう。
とりあえず以上です。残りのストーリーに対する感想はシステムや音楽とかと一緒に、最終章をクリアしてからまた書いていきます。