【エピローグ】おやじパンクス、恋をする。#246
「ちょっと、もう注文したの? 待っててくれてもいいのに」
伝票にペンを滑らせながら厨房へと入っていくおばちゃんを見て、彼女が言った。
「うるせえな、てめえが遅れるからだろうがよ。のんびり洋服選びやがってよ」
「あ、もしかして見えてた?」
カラカラと笑い、俺の隣に腰を下ろす。
「ああ、ああ。見えてましたよ。カーテンの隙間からバッチリな。つうか、ちゃんとカーテン締めるクセをつけとけって言ったろ」
「じゃあ私は――」
俺の言葉を無視して彼女がメニューを見始めたの