おやじパンクス、恋をする。#131
「このあいだ久しぶりに神崎と話したが、和弘がもう四十過ぎだってなあ。そら、歳もくうはずだ。雄大は男兄弟がいねえから、君らみたいな兄貴分がいると、俺も安心だよ」
「いえ、そんな」と俺。
「安心して死ねる」
梶さんはそう言って笑ったが、すぐに真顔に戻り、少しだけ視線を落とした。陶器製の灰皿を手に取り、トントンと弾く。
「そうだ、倫子のことだったな。あの子のことを、聞きに来たんだろう?」
不思議なもんで、唐突に核心に触れた梶さんの言葉に、俺は驚いたりビビったりはしなか