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『HR』これからの採用が学べる小説

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広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を… もっと読む
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#ゆたかさって何だろう

*目次*『HR』 これからの採用が学べる小説

 この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 第1話 『イタリアマフィアの爆弾』 第1話【1】 第1話【2】 第1話【3】 第1話【4】  第1話【5】 第1話【6】 第1話【7】 第1話【8】 第2話『ギンガムチェックの神様』

第4話『正しいこと、の連鎖』 【28】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【28】 なんとなく話が核心に近づきつつある気がする。高橋はいったい槙原社長に何を言おうというのか。 槙原社長が、「ターゲット通りの社員だ」と太鼓判を押した正木。

第4話『正しいこと、の連鎖』 【27】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【27】 「私が……採用課題だと?」 「ええ、そうですわ」 怒りの為か微かに震えた槙原社長の言葉に、高橋は躊躇なく頷く。 「……どういう意味だ。冗談を言っていい場

第4話『正しいこと、の連鎖』 【26】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【26】 槙原社長は、明らかに不機嫌そうだった。 「どういうことかね、高橋さん」 ソファではなく執務机の向こうの椅子に体を預けたまま、社長は言った。 「と、言いま

第4話『正しいこと、の連鎖』 【25】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【25】 「あの……これはどういうことなんです」 BAND JAPANのエントランスに現れた柳原は、青い顔をして言った。痩せ型の長身にクリエイターっぽい服装。昨日も俺

第4話『正しいこと、の連鎖』 【24】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【24】 「それ、ほんとなんですか?」 俺は思わず言う。 身長は俺よりだいぶ小さいし、体型だって島田のように小太りだ。有名選手どころか、本当にバスケができるのかも怪

第4話『正しいこと、の連鎖』 【23】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【23】 降りてきたのは、保科と室長だった。 二人は雑居ビルの貧相なエレベーターとこの落ち着いたバーとのギャップに驚く素振りも見せず、何事かを話しながらカウンターに近

第4話『正しいこと、の連鎖』 【22】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【22】 俺は正直に話した。 具体的な計画などないまま正木をつけたこと。途中で正木に気づかれて、咄嗟に近くにあったあの店に誘ったこと。 そして、正木自身は今の境遇を

第4話『正しいこと、の連鎖』 【21】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【21】 外堀通りを進むタクシーは、ほんの五、六分で俺たちを新橋駅へと運んだ。「SL広場」として有名な日比谷口。その真ん前で高橋は車を止め、金を払うと、また何も言わずに

第4話『正しいこと、の連鎖』 【20】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【20】 遠ざかっていく正木の背中を、俺はよくわからない気分で眺めていた。 店に居たのは30分ほどだろう。最初に頼んだつまみが、思い出したようにドカドカと運ばれてくる